でも、責めるべきモノではありませんよ。これからお話する内容を根気よく実践してみてください。多少の不安感がありながらもレジ待ちが、以前のように並んでいられるようになってきますよ。これらは、あらゆるシーンで応用できます。あなたもやってみてくださいね。
先生！私、レジに並ぶのが苦手なのですが、そんな人いますかね？
かなりの人がレジ待ちを苦手としていますよ。えっ！？ 本当ですか！？私だけじゃなかったんだ...（泣）
コンビニのレジはどうですか？コンビニのレジなら、だいたい大丈夫です。でも、大きなスーパーとかになると...
なると...？並んでいる最中に、ふらついてきたりしちゃうんです。「倒れたら、どうしよう...」って考えちゃいます。今では長い列や、研修でレジに入っている人のところでは待ちません。ベテランっぽい？人を選んだりしてます。
なるほど！選ばれた人は相当な腕さばきならぬ、レジさばきなんでしょうね。
たぶん、そんなに変わらないと思います。どんな人でも。ただ、ベテランだから大丈夫って思いたいだけだと思います。安心させるための。
それと、長い列も苦手なんですが、後ろに立たれるのも苦手なので、ようやく自分の番になっても、ソワソワしちゃうんです。自分の後ろの列の人が目に入ってくると、なぜだか、申し訳ない気持ちになってしまって...
それで発作症状がでてきてしまうんですね？いえ、発作症状までは、実際は出ないんです。ただ、「～になったらどうしよう」っていう、いつもの予期不安ネタが何度もよぎるんです。
そうなると、「はやく！はやくしてぇ！」ってなっちゃいます。
酷いときは、途中で列を外して、買った物が入った買い物かごを、柱の陰において帰ってきたこともありました。さすがにその時は落ち込みました。「なに、やってるんだろ...私」って。
先生はそんなことありませんでしたか？
私は本屋さんでのレジ待ちでありましたね。私もあなたと同じで、長い列に自分がいるって気付いたとき、ソワソワしはじめますね。
「ここで吐いたらどうしよう...」とかね。もちろん、後ろに並んでいる列をみても、同じです。
「なにもこんな場所で！」って感じですよね、先生も。そうです。たくさんの人がいる、そこで自分の身に何かが起こったときに、自分の素性を知られてしまう恐怖みたいなものや、恥をかいてしまう恐怖や、迷惑をかけてしまうんじゃないかって思ってしまって、いたたまれなくなるんですよ。
そうです、そうです！私も不安や恐怖だけではなくて、実は、何か恥をかくことを怖がっていたり、何か場違いなところに自分がいるような気がして、そうなると途端に居心地が悪くなってしまうんです。たかがレジ待ちぐらいで、何でこんなに緊張してしまうんだろう...って。
でも毎日のように、夕飯の準備などで、買い物に行ったりしますよね？そうなんですけど...もう夕方は無理なので、空いている昼間に行っています。なるほど。それでもスーパーには行っているんですね。
はい、レジにもちゃんと並んでいます。空いていても、レジに並ぶと、少し緊張しますけどね。人の多さには圧倒されないので、何とかできている感じです。
スーパーや、レジ待ちを避けないだけ、まだいいです。予期不安や発作症状を怖れて、こうした場所を避けて、コンビニで調達している人も結構います。
コンビニ便利ですものね。でも、うちは子供もいるので、毎日コンビニってわけにはいかないので...
うん、良い行動の起爆剤になってますよ、お子さんが。でも、辛いときはコンビニで済ませてしまうときもあって...まぁ、そんなときもありますよ。あまり自分を責めないでくださいね。はい...それで、先生...もう少し、レジ待ちの時間をラクにすることはできないですかね？
もちろん、その場でラクになる方法はこの世の中にはない！と何度も言われているので、わかってはいるんですが...
その場でラクになる方法はないにしても、訓練していくことで、レジ待ちで不安があっても長い列でも待てるようになる方法はありますよ。えっ！？長い列？長い列に並ばなくても、並ぶのが今より少しでもラクになれればいいんですけど...みんな健康は人でも空いている列を選ぶわけですし...
いえいえ、回復したらいくらでも、空いている列で並んでください。ただ訓練として、長い列を使った方が短期間で、どんな列でも心置きなく、並ぶことができるようになるんです。
そうですかぁ...あえて長い列を使うんですね。その通り。訓練はある程度の予期不安、身体症状が出ないと意味がありませんよ。その心身の反応の受け取り方を、その場、その状況で変えていって、学習してしまった過敏な反応を書き換えていかなくてはならないのです。
そのためにはどうすれば...まずはあなたがスーパーへ行く道中で何を考えているのか思い起こしてみてください。そうですね...混んでいたらどうしよう...とか、レジで人が並んでいたらとか、今は頭はふらついていないだろうか...とか、誰か気分が悪くなっている人はいないだろうか...とか...結構なことを、まだ到着もしていないうちに考えてしまっているんですね？はい、それは、もう自分で驚くような、すごい想像力です。でね、そのすごい想像力が、実際のスーパーに到着し始めると、発作症状や予期不安のつぼみにまで成長していると考えてください。そして、自分が一番、怖れているレジに並ぶやいなや、花が咲いてしまうということ。
つまり、自分がタネをもっていて、そのタネを毎日のようにお買い物の時に、植えているんですね。そうです。毎日のようにお決まりのタネを植えているんです。もう脳は完全に事実であるかのような学習をしてしまうんです。ソレは怖いですね。事実ではないことは自分でもわかっているのに、脳は、事実と認識してしまうんですね？
その通り。だからこうしたタネまきをしている自分に気付く必要があるのです。それは現地までの到着の道中で起こります。なので、その道中の自分の思考を観察してみるんです。なんか気付いてしまうと怖くなりそうですね...たしかに、そう思うのも無理はありません。はじめの壁かもしれません。でも、そこをちゃんと見なくてはならないのです。
「あぁ、まさしく自分がタネを植えているんだ...」っていう実感がまずは必要なんですよ。
で、先生、それに気付いたらどうするんですか？考えてしまったことに気付くと、さっき言われたように、怖くなってしまったり、考えてしまった自分を嘆いたり、反省してしまったりするんですが、それは必要ありません。反省とかいいんですか？私は、また考えちゃった...とか思ってしまうほうです。それで落ち込む...
そんな人がほとんどです。でもこれからは、反省は必要ありません。
反省ではなく、考えてしまったことは、自然と出てきてしまったわけですから、そのありのままの事実に気付くだけでいいんです。
どうやったら気付いたって合図になるんですか？はい、それはこんな風に自分に言っておきます。「と考えただけ...だよね」「と思っただけ...だよね」と。
すべてはストーリーで驚いたり、怖がったりしているんですよね、きっと。その通りです。でも、それが毎日のように、同じことが繰り返されれば...
そっか！嘘もつき続ければ本当になる！さぁ...それはどうだかなぁ（苦笑）少なくとも、脳は真実だと認識してしまうことになります。
先生！それだけでいいんですか！？スーパーに着いて、いよいよレジに向かっているときは？
おそらくいつものように、人の少ないレジに向かうとは思いますが、ここは訓練としていつもより、少しでも長い列に並んでみてください。当然、さっき、まいたタネがつぼみぐらいにはなっているかと思います。はい、もう今にも咲きそうなぐらい、膨らんだつぼみになっていると思います！そのとき、どうしたら...
まずは「こんにちは！」と挨拶してください。そして当然ですが、その状態を少しでもどうにかしようと必死に戦おうとしている自分に気付いてください。で、いつもの実況中継です。・「今、恐怖感（不安感、症状など）をどうにかしようとしているよね、そんな自分にちゃんと気が付いているよ」
・「でも、そもそも、何をしているんだっけ？」
・「レジに並んでいるだけ...だよね」
この三つは連続して行います。
でも、先生！私、それ他のところでもやっているんです。
でも、よくならないんです。何も変わらない...
もちろん！何も変わりません！えっー！んー、わかってはいるんですけど、やっぱりやるからには、何か効果を確認してしまう自分がいるのも事実です。
正直でよろしい！そうですね、やるからには効果のある結果を出したいですよね。
でも、毎回お話しているように、その場で結果を出すのではなく、そんな状況で起きてしまう、脳の間違った認識によって出てきた思考を、軌道修正することに意味があるんです。
軌道修正？そうです、軌道修正。ズレてるんです、思考の枠組みが。
だから、正しい形に整えてあげるんです。
その場、その状況でやらないと脳は再学習できません。
リアルにあせっている最中にやるからこそ、脳は新たな再学習をするようになっているので欠かせません。
「気付いて」
「そもそも」と現実の今ココへ自分で言葉を使って戻していくんです。
今ここにいられず、過去、未来へ意識が向いてしまうと、記憶を再生したり、物語をつむぎだすんです。
こうしたある意味、拡大解釈された思考、ねつ造された記憶をあるがままの本当の状態に気付き、そのままの状態を言葉にします。
「どうにかしようとしてはいけない」と、ルールはありますが、それは今は無理でしょう。
でも、そんなことをやっていることは事実であり、その事実をあるがまま、受け入れるためには気付かなくてはいけません。気付きがなければ、前には進めないのです。
先生、さっきの三つでワンセットなやつ、それだけでいいんですか？そうですね、その三つをやっても、おそらく反射的に結果を観察している自分が出てくると思います。そして変わっていない自分を...反省したり...嘆いたり...してると思います！そんなときに、そんなあるがままの自分をジャッジしないで、そのまんまに再度その状態を言葉にして実況中継します。これを「輪に輪をかけた実況中継」と呼んでいます。結果をみて、変わっていない自分にがっかりしてしまっていたら...
「私は今、変わっていない自分をみてがっかりしている自分に気が付いています」
「そもそも、何をしているの？」
「レジに並んでいるだけ」
というように、「気付いて」「そもそもの今」に自分を再度もどしていくんです。
一度、実況中継をしても、もう一度やるんですね？そうです、そうです！わかりました。さっそく今日、このあと買い物に行ってやってみます！
今回の記事は私のブログの数あるテーマの中の「実況中継について」という項目にあるテクニックの使い方の例をお話しました。
実況中継の意味がよくわからない人は、ブログ内のテーマ「実況中継について」を読んでみてください。理解が深まります。
二度、三度やったぐらいで結果が出なくても当たり前です。結果を求めず、ただただやっていくことを繰り返してください。結果が見えなくても、水面下では脳はちゃんと学習しています。
今のあなたなら、それができます！
レッツトライ！
以上、「パニック障害になってレジ待ちが苦手に！」でした。
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