魂響書宣 たまゆらしょせん 恵理子です。

 

 

 

 

 

 

先日 この記事を書き

昭和のあの頃を思い返して 

言葉や認識はなかったけれど

 

(でも あったよね)

 

と思ったのが「多様性」

 

 

 

私は高校1年から短大まで

年にすると1984年~1988年

個人経営の喫茶店でアルバイトをしていたのだけど

 

(あそこは多様性に富んでいたなぁ)

 

と懐かしく思い出したんだよね。

 

 

 

 

バイトは高校時代

部活が無い日の17時~20時

日曜日は12時~20時で週3日ほど

マスターと私 2人でが通常。

 

 

夏休みや冬休みはランチ時も入り

ママさんやパートの方も総出で回し

お客様は近所の会社員さんが多く

回転率も速くて。

 

 

短大時代は長期の休みの時と

臨時で頼まれた時に入ってました。

 

 

 

 

多様性のまずはお客様。

 

 

わりと落ち着いた時間帯

特に日曜の昼下がり以降

「多様性に富んだ」

お客様がよくいらっしゃいました。

 

 

ほとんどがおひとり様で

ざっと挙げると次のような方々

 

 

・女装の男性

・盲目の男性

・窓の外を見つめて微笑む女性

・ひたすら漫画を読みまくる大学生

・いつも同じ席に座るご隠居さん

・ペットショップの店主さん

・おしゃべり好きな女性

・多国籍の方々

 

 

 

女装の男性が初めていらした時は

たぶん私が驚かないようにでしょうね

お冷を出す前にマスターが

 

「えりちゃん あの人 男だよ」

 

とこっそり。

 

 

女装している男性と対面したのはその時が初めてで

やっぱりビックリしたけれど

お客様には変わりないので普段通りに接しました。

 

 

 

で その方ね

「男性」としても来店されるの。

 

 

男性の時は三つ組みのスーツを着て

今でいうシュッとした感じの

どこから見てもなサラリーマン。

 

 

180㎝位の長身で

歩き方や仕草が男性のそれなので

「女性」の時は目立つのね。

 

 

来店されなくても

長髪 スカート ヒールで通りを歩く後ろ姿で

 

(あ あの方だ)

 

とすぐにわかったり。

 

 

 

 

他の多様性に富んだお客様も

皆さん 常連さん。

 

 

ゆっくり食事して 

ゆっくりコーヒーを飲み

特に周りを気にするでもなく

それぞれご自分の世界に入ってましたね。

 

 

 

お店の雰囲気が気に入っていたから

何度もいらしたのでしょうし

私も40年近く経った今でも

お一人ずつ 顔と佇まいを思い出せる。

 

 

盲目のお客様は腕を取って

席やトイレに案内して

 

かなり世界に没入しているな

とお見受けする方は呼ばれたらお冷を変え

 

本棚のゴルゴ13を順番に並べるのが

私の好きな仕事になり

 

お店が忙しい時には

「いいよ 自分で運ぶから」

なんて自ら配膳してくださる

ニット帽がかわいいおじいちゃま

 

通り向こうのペットショップから

一杯と一服を楽しみに

小走りで度々いらっしゃる店主さん

 

おしゃべり好きな方はお名前で呼び

私も「えりちゃん」と呼ばれ

マスターも一緒にしばし雑談に花が咲き

 

言葉が通じなくても

メニュー表の写真を指さしてオーダー取ったり

 

 

 

近くもあり 遠くもあり

 

絶妙な親近感と距離感がある

 

そんな空間が私も好きでした。

 

 

 

 

時々 他のお客様からの

 

「〇〇の野菜が苦手なので抜いてもらえますか」

 

「〇〇にハンバーグも乗せて欲しい」

 

「〇〇を大盛で!」

 

なんてご要望にもマスターはお応えして

カレーは小麦粉を炒める所から作っていたし

ピラフ 丼物 ラーメンも3種類あって

そもそものメニューが多かった。

 

 

 

バイト的には

休憩時間が決まってなくて

仕事中はホットでもアイスでも

コーヒー飲み放題

 

平日は仕事終わりに夕食をごちそうになり

休日は昼食&夕食&たまにおやつでケーキセット

新作パフェの試食をして感想言ったり

 

ランチで余ったおかずは作り方込でお土産に

それが我が家の定番メニューになり

修学旅行に行く時はお餞別まで

 

などなど 時給以上に色々いただいて。

 

 

 

そんな感じも昭和的なのかな。

 

 

ゆる~く 美味しく 温かかった♡

 

 

 

 

今 その場所はファミレスになってもうないけれど

八王子市寺町

踏切近くの十字路角にあった

 

 

『アンローザ  Une Rose』

 

 

フランス語で「1輪のバラ」という意味の喫茶店。

 

 

 

お店の前にはお花や観葉植物がたくさん飾られ

マスターが丹精込めて育てていたけれど

お店の中も同じように多様性に富み

個性あふれる人々が集う場所でした。