こんばんは。

魂響書占 たまゆらしょせん 恵理子です。

 

 

母の認知症 糖尿病

父の衰え

介護

延命治療

ガン

死への向かい方

入院 

薬や医療

血縁関係 など

 

両親の老いについて 

また私が面した老いについて綴っています。

 

 

過去記事はこちらからどうぞ

 

老いを生きる 目次

 

 

 

母は現在

 

糖尿病Ⅰ型 

認知症

慢性心不全 

腎結石

膀胱結石

巨大肝のう胞

 

があり 

昨年6月から入院生活を送っています。

 

 

 

 

これまでに2度 

医師から命の危険を告げられましたが

母は自力で回復。

 

上記の病気の状態や数値からすると

苦痛や不快感があってもおかしくないのに

母はいたって元気で。

 

いつ聞いても

「調子はいいよー」

と言います。

 

 

 

 

入院生活を送るうち

母は薬を飲むと副作用の方が出やすく

体調が悪くなってしまうとわかりました。

 

なので

それまで飲んでいた認知症の薬は一切やめて

その後も段々と薬は減っていき

今は血液の状態を良好に保つための薬と

尿が出やすくなる薬の最低限の薬だけ。

 

具合が悪くなったら薬で治す 

という考えが当然だと思っていたけれど

同じ薬でも人によって

合う合わないがあると知りました。

 

母は自分に合わない薬は

本能で身体が拒否しているように思えるし

それで良い状態になってきていて

人間が本来持っている

自己治癒力や生命力ってこんなに強いんだなあ

と思い知らされてきました。

 

 

認知症の薬を飲まなくなった母は

飲んでいた時の攻撃性や暴言がすぐになくなり

(これらも薬の副作用だったと思う)

母本来の楽観性が大いに発揮され

とても穏やかで朗らかになりました。

 

 

妄想や虚言は多いけれど

そのどれもが楽しいことばかり。

 

現実は もう歩くことは出来ず

病院のベッドで寝てばかりなのだけれど

 

妄想の世界で

外を歩いて散歩したり

バーベキューしたり

ご飯を作ったり

八王子祭りに出かけたり

富士森公園にお花見に行ったり

 

「次 綱引きに出るんだから!」

と運動会に出場していたこともあったっけ。

 

今でも歩ける気でいます。

 

 

母は看護師さんや介護士さんたちも

この妄想世界にかなり引き込んでいるようで

毎回私が病院に行く度

 

「肉買ってきてって言われましたよ」

「魚焼いたから食べて行けって」

「あなたが私の面倒見て

 一緒に泊まりに行こうねって誘われました」

などと報告を受け

 

「次 何言うか楽しみにしてまーす」

と 皆さん母の妄想世界を

一緒に面白がって楽しんでくださっています。

 

 

認知症は進んでいるはずで

時々私が20代の娘になってしきりに結婚を勧められるけれど

家族関係はハッキリわかっているし

会話も出来るし 病状に反してとっても元気!

 

ということで 

母の今後の先行きを改めて考えることにしました。

 

 

 

 

今の病院は

緑に囲まれていて中庭もあって

外に出ると「はぁ~ここは本当に気持ちいい」

と母も気に入っています。

 

 

 

 

上記のように病院の方々は

本当にとてもよくしてくださっているので

なんの不満もありません。

 

 

けれど「生き方」として考えると

今の母の状態ならば

もっと楽しめると思うのです。

 

食いしん坊の母の”食べる楽しみ”

おしゃべり好きな母の”会話の楽しみ”

歌やイベント好きな母の”レクリエーションの楽しみ”

 

などなど。

 

 

そのような母の楽しみが満たされるだろう施設が

昨年の春

八王子の実家から車で約30分の所に出来ました。

 

 

 

医療重点型 特別養護老人ホーム 「桜の里」

 

 

実は 去年母が入院してすぐ

この桜の里に入所出来たらいいね

と家族で話していたのですが

その直後に母は危篤状態に陥り

この件は一旦頓挫。

 

母が回復してからもずっと

「急変の可能性あり」と言われていたので

父は病状が悪化することを心配して

桜の里へ移る話を諦めました。

 

でもやっぱり

母が楽しく余生を過ごす方がいいと

またこの話を進めることにしたのです。

 

 

この件を進めるにあたって

病院や特養ホームの方と話し合いをしました。

 

 

まず 病院のケア担当の方。

 

母の様子を見ていて

生き方を重視して楽しく過ごすのがいいのでは

とちょうど提案しようと思っていた とのこと。

 

私たち家族の思いを再度よく聞いてくださり

桜の里の申込みに必要な書類の手続きを進めてくださいました。

 

 

次に 母の主治医の先生。

 

母の病状や数値的な見解では

今の病院の管理で低空飛行ながら保たれている状態。

 

いつ急変してもおかしくない病状には変わりなく

今の管理状態から離れるということは

命の危険が大きくなる可能性が高くなるということ。

 

でも先生は1年以上母を診てくださり

母の生命力の強さや

楽しむことが母を良好な状態にしている

と理解してくださっているので

「他の場所に移ることを引き留めはしません」

とおっしゃってました。

 

 

そして 桜の里 入所担当の方。

 

正直 母の今の病状で受け入れてもらえるのか

が1番気になっていたことでした。

 

ですが 今の母の病状でも大丈夫 とのこと。

 

ここは

 

「残されている時間をその方らしく

 どう楽しく過ごすことが出来るか」

 

にとにかく重きを置いている場所なんだ

とお話を伺ってよくわかりました。

 

 

医療重点の施設なので

母のように糖尿病の人も血糖値を計り 

インシュリンを注射してもらえます。

 

担当の先生がいて

看護師は24時間体制で必ず1人待機。

 

でも 当然 病院のような医療設備はなく

なにか非常事態となった時の対処は

どうしても病院より劣ります。

 

緊急時に搬送する提携病院も決まっているけれど

そういった「死」への対処より

残りの「生」をいかに満喫するか

を大事にしているんですね。

 

 

たとえ死期が短くなる可能性があっても

楽しく時間を過ごすことに重きを置く

 

家族にその覚悟が必要。

 

そして その都度

家族の意向にホーム側が添う

という形になります。

 

 

例えば 

こうすれば命を助けられるかもしれません

と医師が治療を提案しても

家族が「もう充分です」

と言えば そう対処する。

 

糖尿病患者さんで

甘いものを制限するような血糖値が出ていても

本人とご家族が

「それでも甘いものを食べたい 食べさせたい」

と言うのなら そのように対処する と。

 

どのように生きたいか どこまで生かせたいか

の希望を本人と家族が決めておく必要があります。

 

 

 

 

レクリエーションは

月に1度 カラオケ大会と映画鑑賞会があり

週に1度 お菓子屋さんが来て買物も楽しめるんだとか。

 

お金を使うという楽しみもあるわけで

でも食べさせるお菓子は 家族との相談で

制限を設けて出さないようにしたりとか

おやつを前もってお渡ししておけば

毎日プリンを1個とか

そういう細かいお願いも出来るそう。

 

他にも 折り紙を折ったり何か作ったりなど

好きな人は参加できる催しがあるようで。

 

隣接の特養ホームにはカフェもあるので

家族が来た時にそこで一緒にお茶も出来るって!

 

聞けば聞くほど 母が喜びそうなことばかり。

 

 

実際に 入所した時は具合が悪かった方が

レクリエーションで活気づいて

すっかり元気になってしまった

なんてこともあるそうで

 

母もきっとそのタイプだろうな~

 

 

もしもの緊急時の搬送先に

祖父母が入院したことがある病院が入っていたし

 

徐々に具合が悪くなる という状態で

検討する時間の猶予と空きベッドがあれば 

今の病院に再入院するという相談も出来そう。

 

それらを確認し 父も安心したようです。

 

 

ただ 担当者の方と最後に話したのだけど

結局 人がどう死んでいくかは

その時になってみないとわかりません。

 

今からあれこれのもしもを考えていても

全く想定外の事態になるかもしれないし。

 

だったら 今は考えず

なったらなったで その時に考える。

 

もう それでいいよね

と父と入所申請をしてきました。

 

 

入所待ちをしている方は多いし

母の状態も変化があるかもしれないので

入れるかどうか あとは タイミング。

 

 

「思う存分楽しんで

 私はぽっくり逝くからねー」

 

と言っている母。

 

 

「ばぁばが桜の里に行きたければ

 危篤状態から自力で回復したように

 またきっと自分でそのようにもって行くだろう」

 

と父。

 

 

どうなるかは流れに任せることにします。

 

 

 

 

 

老いを生きる(43) 会わない管理から抜ける

 

 

 

 

 

魂響書占 たまゆらしょせん 恵理子