小泉進次郎よ、育休をとるならば大臣をやめてからにすべし! | 井上政典のブログ

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 小泉進次郎氏の私における株が最近下がりっぱなしです。

 

 先の原田義昭元環境大臣のトリチウム水の処理についての発言に対し異議を申し立て、自分の退路を断ってしまったことをはじめとして、今回の育休をとるとの宣言はあまりにも大衆迎合主義だと思います。

 

 もし、小泉氏が「私は選挙で選ばれ、総理から環境大臣の職務を負託されたため、個人的なことは最小限にしないと思い、育休をとることはできないが、公務が許せば、できるだけ妻のそばにいてあげたいと思う」とでも言えば、もっと男を上げたのではないでしょうか。

 

 宮崎健介議員(当時)が育休をとると言いながら、不倫していた事件は記憶に新しいと思いますが、就職ではなく、立候補した得た議員の議席の重さをなんと心得るのでしょうか。

 

 また更に責任の重い大臣の職務をどう考えているのか理解ができません。

 

 大臣だから率先して男の育休に市民権を与えるようにしなければならないという思いは、間違っていると思います。

 

 育休をとるのなら、大臣と議員を辞職すべきだと思っております。

 

 大臣という職務は環境省を束ねる重要な職務であり、副大臣や政務官・事務官がいるので大臣が育休をとっても大丈夫だということは、大臣は誰でも務まり、どうでもいいということにつながると思います。

 

 日本の環境行政は大臣の力量によって大きく左右されないのであれば、その人は大臣の資質がないと言っても過言ではないと思うからです。

 

 だからと言って無駄に長い時間を働けというのではありません。職務が終わり、付き合いやあまり意味のない会合に出るのをやめて、早めに家に帰り、育児を手伝うことがしても全く問題ではないと思います。

 

 大山巌という陸軍大臣や海軍大臣を歴任した西郷隆盛のいとこで、日露戦争の際は満州軍の総司令官であり、明治大帝のお気に入りがいました。

 

 明治の顕官は伊藤博文に代表されるように女好きが多く、伊藤の奥さんは明治天皇に夫の女癖が悪いのを直訴したほどです。そういえば、秀吉の奥さんも信長に夫の女癖の悪さを直訴していましたね。

 

 大山も若いころはフランスに留学して、社交界でも浮名を流したそうですが、後妻の捨松と結婚してからは、退庁時間が来るとそれまで通っていた料亭などによらずにまっすぐに家に帰ったそうです。

 

 奥さんの大山捨松は津田梅子らと共にアメリカに留学し、看護大学を首席で卒業したほどの秀才でした。

 

 日本に帰ってきても、その才を活かすところがなかった時に、先妻が病没していた大山巌の後妻となりました。

 

 お見合いの時に、大山巌のきつい薩摩弁が、若くて日本を離れた捨松にはトンと理解ができませんでした。

 

 そこで、二人で話し合い、英語で会話をして愛をはぐくんだという逸話が残っているほどです。

 

 ご存知でしょうが、日本語で会話をすると言葉に絡みつく日本の文化風習が多々ありますが、英語で会話をすると全くのしがらみがなく、ストレートに会話ができます。その際に、日本の女遊びは男の甲斐性という概念を抜け出し、西洋風の男女平等の関係になったと思っております。

 

 とにかく今まで足しげく通ってた料亭や芸者遊びをピタッとやめ、家庭人となりました。息子を二人設けましたが、きっと大山巌という明治の傑物も息子のおむつを替えたり、あやしたりしたのではないでしょうか。

 

 彼は決して育休などとっていませんが、子供との教育は立派に果たしています。その子供の一人は、海軍士官となり、軍艦松島で遠洋航海演習に行った際、澎湖島の馬公港で謎の爆沈に巻き込まれ、殉職しています。

 

 小泉大臣もそういう形で男が育児に加担することを示せばよかったのではないかと思います。

 

 それを育休をとると宣言をして、国民の人気取りをしているように思えるのは私だけでしょうか?全く理解できません。

 

 それなら大臣という要職に就くのを辞退すべきだと思います。

 

 環境大臣になりたい人はいっぱいいます。別に小泉進次郎氏でなくてもいいでしょう、副大臣も政務官もいるのですから。

 

 背私向公というここでよく使う言葉があります。聖徳太子の17条憲法の15番目です。

 

 私事に背を向けて、公に向かって生きる生き方をせよ、特に公務につく人間に聖徳太子は説いておられます。まさにそれです。

 

 項羽と劉邦という史記に出てくる人物をモチーフにした司馬遼太郎の小説でも、猛将項羽が連戦連勝をし、劉邦は逃げ惑うのですが、いつの間にか劉邦が皇位につき、漢帝国を樹立します。

 

 その違いの一つは虞美人という絶世の美女を項羽は優先しました。劉邦は奥さんもいたので、虞美人を目の前にしても踏みとどまりました。つまりこれが背私なのです。

 

 しかし、虞美人を大切し過ぎた項羽は、将兵の命よりも虞美人を優先したのです。それにより兵の心は項羽より離れていき、彼は有名な「四面楚歌」を聞く羽目になるのです。

 

 山口記者も伊藤某の色香に迷わずに踏みとどまれば、こんなバカなことで訴えられずに済んだと思いますが…。

 

 公の立場の人は、私事を優先すべきではないのです。日本は自由の国ですから、私事を優先したいならば、職を辞するという選択肢があります。

 

 若者にも人気のある小泉進次郎氏が私事を優先させ、公務を他の人に代行させるということをしてほしくありません。

 

 即刻、環境大臣を辞任するか、育休取得の撤回をするべきだと思います。それをしないと総理への道は塞がれることでしょう。

 

 公よりも、私事を選択した大臣として歴史に汚名を残すことになることでしょう。