新元号が発表されました。
「令和」
「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す。」という万葉集から来ています。
これがまた梅の花の歌三十二首の序章の言葉です。
いろんな意味で嬉しさを感じます。
まず、梅。
梅は最も寒い時期に咲く花です。でも、俳句の季語は「春」です。
日本人は一番寒い時期にも春の到来を信じて待つからこそしなやかな強さを持っているのです。
これはまた平成の御代が災害続きでたくさんの日本人が被害を受けられました。その人たちにもうすぐ春が来るよだからがんばれ!という明るいメッセージを与えたのではないでしょうか。
次は、万葉集。
これは首相のメッセージにもありましたが、1200年前に作られた日本国民の秀作を集めた歌集です。
日本の文化と他の国の文化を比べてみればその違いが一目瞭然です。
ミケランジェロもラファエロも時の権力者や大商人や教会がパトロンとなり、芸術を作り上げました。
しかし、日本は歌舞伎も文楽も版画もすべて庶民により育み育てられました。
歌舞伎や文楽がちょっと知ら調べをして予備知識があればとても面白いものです。それはたくさんある演目の中からとても面白いものだけが生き残ってきたからです。
和歌を詠めるというのは情感が豊かであること、それを言葉で表現できるなど「教養や知性」がとても必要となります。それを一般庶民がもっており、秀作を詠み、そしてそれを選者が身分の隔てなく内容で入れたものです。
日本の社会には役割という分類はありますが、細かな身分制度はありません。天皇陛下を中心にその役割で分が決まっています。
その代表が万葉集といっても過言ではないのです。
さすがとしか言いようがありません。
またこの元号の事前の発表も私としては大歓迎です。
というのも、今までの慣習を破って一か月前に発表することができるのは、今上陛下の国民に対する思いやりの表れだと思うのです。
この御代替わりは今上陛下が先帝陛下の御代替わりの時の混乱を避けるために行われたと思っております。
昭和から平成に替わるときは毎日毎日陛下の病状を一喜一憂し、年末も年始も暗い時を過ごしたことを思い出します。
ところが今回は今上陛下のご英断により、皆明るい気持ちで御代替わりを迎えることができます。
先日神武天皇陵に御親拝された時に、大勢の国民が天皇皇后両陛下をお迎えしていましたが、そのインタビューで「お疲れ様でした」と伝えたかったと口々に言われていました。これはこれでありと思いませんか。
また元号も今までの様にしたら、国民の元号離れがもっと進んでいたと思います。
どちらで書こうかという時に、平成〇〇年と書いてももうすぐ終わるから今年から西暦でという人が結構いました。
でも、これからは「令和」という格式の高い、将来が明るくなるような素晴らしい元号を持てるのです。素晴らしいことだと思いませんか。
台湾では民国〇〇年という言い方があります。
でも、日本のように元号というものを持っている国はもうどこにもありません。
これってすごいことだと思いませんか?
めんどくさいという人がいます。これを機に元号を廃止せよという人もいました。
でもこのように一か月前に元号が発表され、印刷物など準備ができて新しい御代を明るい気持ちで迎えられます。
これも今上陛下の思し召しだと私は感謝しています。