なぜ北海道が停電をしているのか。明日は我が身。 | 井上政典のブログ

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 歴史ナビゲーターの井上政典がお贈りする祖国日本への提言です。
 
 ご意見は賛成反対を問わずどんどん書いてください。

 ただし、社会人としての基本的なマナーは守ってくださいね。

 台風21号に続き、大地震が北海道を襲いました。被害に遭われた方に心よりお見舞いを申し上げます。

 

 古来より日本は自然災害が多発しているところです。ですから、被害を受けても粛々と文句を言わずに再び立ち上がって再建してきました。

 

 なぜなら、どんなに言葉でなじっても自然相手ではどうしようもないからです。

 

 ですから「仕方ない」という前向きな意味を持つあきらめの言葉が生まれたのです。そこには誰を恨むでもなく、だれに責任転嫁することもなく、起きた事実を黙々と受け入れ、今の自分の立場を弁え、そして自分ができることをまず始めるのです。

 

 これはどこで災害が起きてもほとんどの国民がそうしてきました。

 

 ここが左巻きの人と話す時にいだく違和感です。彼らは常にだれかの性にしたがりますが、そうしたとしても現状が何も変わらず、自分の足で立ち上がらないと身近な人たちを誰も救うことはできません。

 

 それを見て被害を受けていないところの国民は「明日は我が身」と思いながら、自分ができる支援を考え、誰に言うでもなくてカンパをしたり、物資を送ったり、そしてあの伝説のおじさんのように自分の食べるもの、寝るところを自分で確保しつつボランティアに入る方々もおられます。

 

 今回は台風の雨風で地盤が緩んでいたところに大地震が来ましたので大規模な地滑りが起きています。道路も今までの全国各地での地震で見たこともないような壊れ方をしており、地震のエネルギーのすさまじさを目の当たりにした感じです。

 

 そしてそれに追い打ちをかけるように北海道全土は停電に見舞われているようです。

 

 不幸中の幸いは今が冬の時期ではなかったことだと思います。もし極寒の冬だったらものすごい数の人たちが凍死していたことでしょう。北海道のストーブはほとんどがマイコンで制御されており、電気がないと動かないからです。

 

 ではこれがなぜ起こったのかを知る必要が私たちにはあります。何せそれが私たちの身近でも起きる可能性が十分にあるからです。

 

 今回の停電は、地震でいくつかの火力発電所が緊急停止しました。それにより、電気の供給量が需要を大幅に下回り、一斉に変電所のブレーカーが飛んだためです。

 

 わかりやすく言うと、家庭の契約アンペアを超える電力を使った時に家のブレーカーが飛んで家の電気が一斉に消えるのと同じ原理です。

 

 よくホットプレートと電気ストーブなどを同時期に使うことによって、ブレーカーが落ちていました。それの大規模版です。

 

 家庭では、スイッチを切ってブレーカーを上げればすぐに復旧しますが、北海道全土になればなかなか難しいと思います。

 

 そして北海道は風力発電所がありますが、到底電力需要に間に合いません。どこかの火力発電所が復旧しても一つや二つでは到底間に合わないのです。

 

 もし、泊原子力発電所が稼働していたら、地震で緊急停止したでしょうが、その後安全が確認された時点で運転を再開し、大量の電力を供給できれば、その他の火力発電所を共に停電からの復旧ができるようになったことでしょう。

 

 イデオロギーや迷信に近いもので原子力を止めている付けが回ってきているのではないでしょうか。

 

 九州でこれが起こったら? すぐに復旧します。4つの原子力発電所が稼働していますから、これほどの大規模な地震なら緊急停止するのでニ三日は止まるかもしれませんが、安全が確認でき次第十分に必要な電力はたちまち供給できますから。

 

 また泊原子力発電所の外部電源が途絶えても構内にある発電設備によってすぐに冷却プールの循環ができたとのこと、これも福島第一原子力発電所の事故の経験が生きていますね。

 

 いつ何時、どこでこの事態が起きるかどうかだれも予測がつきません。

 

 ですから、危機管理をきちんと見直し、技術や科学に基づいての検証をすべきだと思います。

 

 北海道の皆さん、電気がない生活がどれだけ苦しいかお察しいたします。一日も早い復旧ができますように祈念しています。