上川陽子法務大臣の英断を大いに評価する。またも山本太郎氏はそのあほさ加減を晒した。 | 井上政典のブログ

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 歴史ナビゲーターの井上政典がお贈りする祖国日本への提言です。
 
 ご意見は賛成反対を問わずどんどん書いてください。

 ただし、社会人としての基本的なマナーは守ってくださいね。

 「信賞必罰」という言葉があります。

 

 これをきちんと実践している組織は規律が守られ、強固な団結が生まれ、旺盛な士気が出てきます。

 

 国家にとってこの規律というのは法律の厳正なる行使だと思うのですが、死刑制度が法律に明記されており、さらに死刑判決が確定してから半年以内に死刑の執行をするようになっているにもかかわらず、その法律はあまり守られていません。

 

 でも今回上川陽子法務大臣の英断によってオウム真理教の7人がその刑をやっと受けました。

 

 ご遺族の方の忸怩たる思いが少しは晴れたのではないでしょうか。ご遺族の気持ちを正確に表現することはできませんが、少なくともご位牌やお墓で松本死刑囚らの死刑が実行されたとご報告できたのではないでしょうか。時間はかかるとは思いますが、気持ちの一つの区切りができたのではないかと思います。

 

 オウム真理教事件を知る若い人はあまりいないと思いますが、連日の報道によってその酷さの一面が見れたのではないでしょうか。

 

 松本サリン事件の時に、犠牲になった人の中に以前勤務していた明治生命の先輩がいます。というのもサリンをまかれた場所の隣に明治生命の家族寮があり、犠牲になった方は単身赴任で窓を開けて風呂に入っていたために風呂の中で死亡しているのが発見されました。

 

 地下鉄サリン事件の時は東横線とJR線が交わっていた菊名で営業所長をしており、そのニュースを聞いた数人の営業職員が自分のご主人さんがその駅を利用していると顔色を変えて安否を確かめる電話をしたのを目の当たりに見ています。

 

 命は助かりましたが、しばらく重い後遺症に苦しんだ同僚のご家族の方がおられました。

 

 東京でお住まいの方は家族・親戚・友人やその家族のどなたかが怖い思いをされていたり、実際に犠牲になられた方がおられたはずです。

 

 地下鉄サリン事件の後、長い間駅からごみ箱が消えました。不審物を入れられるかもしれないからです。

 

 もし満員電車でサリンがまかれたら逃げ場もなく殺されることになるでしょう。

 

 日本人から平安の文字を消した大きな事件だったのです。

 

 その首謀者たちが7人死刑執行をされたということは、人の死を喜ぶものではないと思いますが、この件に関してはまた社会から危険要素が一つ減ったと思います。

 

 この死刑執行に際して文句を言う人の気持ちがわかりません。

 

 国会議員では山本太郎氏、有田芳生氏などなどです。

 

 これを安倍内閣の争点そらしだと論ずる山本氏の非常識さは目に余ります。事件当時どれだけの人が疑心暗鬼に陥り、満員電車に乗れなくなったことか。

 

 警察の懸命な努力で犯人を捕まえた後もいつ起こるかわからない恐怖は消えないままでした。しかし、裁判で真相が明るみになり、やはり彼らが犯人だとわかってから国民はすこし警戒感を緩めたのではないでしょうか。

 

 そしてオウム真理教はいくつかの組織に分かれましたが、公安当局の徹底したマークのおかげで目立った動きは報告されておらず、また国民もむやみに新興宗教を信じなくなりましたが、いまだにその根っこは絶えてはいません。

 

 長い時間をかけて裁判をし、その結果死刑判決が出ていました。それをだれも怖がってサインしなかったのです。

 

 上川法相の英断は称賛されるべきものです。

 

 いつ何時、眠っていた信者が教祖の復讐に立ち上がらないとは限らないからです。

 

 皆さんがもし法務大臣だったら死刑の命令書にサインできますか?自分の命令でいくら犯罪人でも命を殺すことになるのです。

 

 誰しもそういう役割は担いたくないですよね。でも、法務大臣の職務権限の中に死刑執行の命令書にサインをすることが明記されているのです。総理大臣ではありません。

 

 確定死刑囚と言って死刑判決が確定したのにまだ執行されていない人は今回の7人を引くと116人(袴田さんを引いた数字)だそうです。そのうち92人が再審請求中ですが、その他の人たちの刑を法律どおりに執行してほしいと思っています。

 

 それは法治国家として当然のことでしょう。法の下の平等をうたっているのですから、法律が厳正に施行されることが順法精神になりますし、それをしない政府与党を攻撃するのが野党の仕事ではないでしょうか。

 

 攻撃するどころか、死刑の執行に対していつものように文句ばかり言っています。

 

 争点そらし? 大雨なのに? 数が多すぎる?

 

 刑を執行するのに、天気も政治情勢もまた人数も関係ないのです。

 

 その死刑判決を受けるような凶悪な犯罪者にはそれによって命を奪われた人々やそのご家族がおられるのです。その方々の悲しみや苦しみや悔しさは天気に関係なく、政治に関係なく、日々心を痛められているのです。そしてその方々の多くは刑が迅速に執行されないことへの不満を言われていたと聞いたことがあります。

 

 もちろん死刑囚の刑を執行したからと言って亡くなった被害者が生き返ることはありません。しかし、他人の命を奪ったのですから、自分の死をもって償うのは当然のことでしょう。

 

 いろんな事件には情状酌量の余地があるものもありますが、このオウム真理教が犯した大規模なテロ事件は全くその余地のないものだと知れば知るほど確信します。

 

 私の友人でもあるジャーナリストの山村明義氏のフェイスブックの投稿をみてください。松本死刑囚の家族に密着したことが詳しく書かれています。これを読むと親兄弟からも見放されていた事実がわかります。

 

 どんなにできの悪い子供でも、親が見放すということはめったにあることではありません。それを赤の他人の山村氏に言っているのを見て、やはりこの松本死刑囚というのはとんでもないやつだということがわかります。

 

 また村井秀夫というオウム真理教の幹部が口封じのために刺殺された事件(1995年4月23日)で、その犯人が右翼の在日朝鮮人の徐浩行でした。そのニュースを聞いて右翼にも在日がいるのかと不思議に思って、当時はネットもないのでいろんな本を読んでやっと右翼には「街宣右翼」と称される街頭宣伝車に乗って車体には日の丸を書き、軍歌を大音量で流して交通違反をする暴力団の一種がいることがわかりました。

 

 そこから祖国に巣食う闇の一部を垣間見て色々調べ始めたという私にとっても思い出深いものがあります。

 

 この刺殺事件の背景などを山本太郎氏は知らないのでしょう。誰かに入れ知恵されて文句を言っているのでしょうが、あまりにも滑稽です。でも、そういう輩を評価する人たちがいることも事実ですが、その人たちはこの悲劇の事件をどこまで知っているのか疑問です。

 

 有田芳生氏はオウム事件のテレビコメンテーターとして名を挙げ、その知名度で国会議員をしていますが、近年の言動からみても明らかに日本のために働いてはいないことが明々白々ではないでしょうか。

 

 15年ほど前、死刑制度に反対する人と議論をしたことがありますが、その時にこのオウム真理教の事件の被害者がもしあなたの肉親だったら?というと「それは別物です。」と逃げたほどです。時間が事件を風化させるのでしょうか。

 

 凶悪犯で犯人だと確定している死刑囚の刑の執行を望みます。すこしでもそれにより、凶悪犯が亡くなることを望むし、治安の悪化しつつある日本で大きな抑止力になるのではないでしょうか。