和風総本家でまたまた素晴らしい番組をやっていました。 | 井上政典のブログ

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 歴史ナビゲーターの井上政典がお贈りする祖国日本への提言です。
 
 ご意見は賛成反対を問わずどんどん書いてください。

 ただし、社会人としての基本的なマナーは守ってくださいね。

 昨日の和風総本家では、ボツワナ共和国の放送局のクルーたち四人が日本にやってきて日本紹介の番組を作るところを密着取材していたのです。

 ボツワナ共和国は、イギリスの植民地でしたがドイツの植民地とのはざまで融和地域のような状況で比較的緩い植民地政策がとられ1966年という早い時期に独立を果たしました。

 独立後は他のアフリカ諸国で見られるような民族間の対立ではなく、有能な指導者の下で国民が協調して国家建設を推し進めていました。

 そして独立直後、世界最大のダイヤモンド鉱山が発見され、その富で教育に力を入れ、アフリカでは名だたる豊かで教育水準の高い国です。

 そこから選ばれた素晴らしい人たちがクルーとして日本へ取材に来たのです。

 彼らはもちろん黒人ですが、人懐っこい笑顔を真摯な態度で日本から学ぼうとしていたところに好感が持てました。

 そしてスイカ農家、スイカはアフリカが原産でボツワナでも普通に食べられている果物ですが、ただ畑と思われるところに種をまき、自然にできて来るのを待つだけの農法に対し、日本の農家は手をかけ大切に育てて大きく甘いスイカを育てます。

 ボツワナの西瓜を半分に切ってもあまりおいしそうではありませんでしたが、千葉の農家の西瓜はそれは見事で見ただけで甘いという味がわかるほどです。

 ビルが立ち並び、ハイテク製品を多数作っているという日本のイメージとはちょっと違うところもきちんと紹介して、そこから日本の良さを見つけ出していました。

 それは規律や感謝の気持ちなどです。

 そしてそれぞれのクルーのインタビューで必ず出てくる言葉に私は注目しました。

 そのテレビ局のクルーたちは選ばれた優秀な人たちであり、それは能力だけでなく人柄もよさそうな人たちでした。きっと将来はボツワナのテレビ局を背負って立つような人たちなのでしょう。

 自分たちがいろいろ見たり聞いたりしたものをボツワナに持ち帰って、国民に見てもらって、それをどう国家のために役に立てるかをそれぞれが言っていました。

 「ボツワナのために」という言葉をそれぞれが言っているのです。

 明治の日本の留学生も、自分が学んだ学問をどう日本国のために役に立てるかと考えていました。

 世界の細菌学者で欧米の学者が成し得なかった破傷風菌の純粋培養を成功させたり、血清療法を発明したりした北里柴三郎博士もドイツ留学中、自分の下宿から研究室までの道しか知らなかったと言われています。

 各国を代表する科学者がこのドイツのコッホ研究所に集まってきているのですが、その科学者たちが帰るころにはまだ北里は研究を続けており、さらに朝みんな来るころにはすでに研究を始めているために、北里はいったいいつ寝るのかと言われていたそうです。

 自分の栄耀栄華のためではなく、自分の研究が人々の役に立つようにと一心不乱に研究に打ち込み、そして堂々の結果を残したのです。

 黄禍論で有名なドイツ皇帝からも、外国人それも黄色人種である北里柴三郎博士に「プロフェッソル」という称号を与えられたほどです。

 彼が日本に帰国するときにアメリカやイギリスから莫大なギャラや研究費を提示されて招聘されましたが、北里は天皇陛下と日本国民へのご恩があるからと言って、それらの魅力的なオファーを断るのです。

 かっこよくないですか?

 でも、東大医学部内のもめ事に巻き込まれ、世界の細菌学者と認められた北里は帰国後冷や飯を食わされます。

 その時に助け舟を出したのが、福沢諭吉翁であり、勲章授与という形で励ました明治大帝でした。

 だから慶應義塾大学の医学部の創始者は北里柴三郎博士であり、今でも東大医学部と慶應医学部と系統の違う閥が残っているのです。

 彼が晩年、指導していた志賀潔が赤痢菌を発見した時に、論文を書き上げた志賀潔博士が指導教官である北里博士に署名してもらおうとしたところ、北里は「君の名前を書いておきたまえ」と功を志賀に譲るのです。

 志賀も晩年指導していた若い科学者が論文を書くと、自分がしてもらったように「君の名前を書いておきたまえ」といって、後輩に功を譲ります。

 それによってたくさんの科学者が育ち、日本はあっという間に細菌学の世界的な地位を築くのです。

 報恩感謝という今では死語になりつつある言葉が当たり前の時代だったのです。
 
 そして昨晩のボツワナからのテレビクルーにも同じ精神が読み取れました。

 自分をここに派遣してくれたことに対して、「何のために」を真剣に考え、その恩に報いるために自分ができることを真剣に考え、番組つくりを通して国民にメッセージを送っていました。

 現在の日本のテレビでどれだけの人が報恩感謝の気持ちで番組を制作していることでしょう。

 日本のために今必要なのは、安倍政権に反対することだけでしょうか?

 韓国のロッテホテルが自衛隊のレセプションを直前で断ったと産経新聞で報道していました。これがどんなに外交上非礼なことかをもっとマスコミは国民に伝えなければなりません。

 わが国を代表する自衛隊主催のレセプションを直前になって断るということは、嫌がらせ以外のものはありません。厳重に大使館が抗議をして、それでも反省がない場合は大使館の一時引き揚げやビザ業務の停止などをするべきだと思います。

 自衛隊は国際的にれっきとした軍隊であり、その軍隊は日本国を代表する存在であります。それを集団的自衛権の憲法解釈変更という閣議決定に対する嫌がらせは、内政干渉にほかなりません。

 ロッテホテルが単独でドタキャンするのではなく、何らかの政府や政党の思惑が入っていると言っていいでしょう。

 これに厳重に抗議しないと国家の威信は大きく傷つけられるのです。
 
 日本は憲法9条で武力の行使は禁じられていますが、それならば9条を信奉する人たちが徹底的に話し合いでこの件を解決してほしいと思うのは私だけでしょうか?

 ボツワナや明治期の日本はエリートや国政の中枢にいる人たちが国家のためという報恩感謝の気持ちを持っていましたが、現在の日本は中枢にいればいるほどそれが薄いように思えます。
 
 ただそれの例外が安倍総理とその仲間たちであり、だから国民は支持し、反対派は足を引っ張ろうとしているのです。

 でも、この韓国の事例は日本国自体が侮辱されたことであり、一時的な国交断絶も視野に入れた厳重抗議を日本国が一体となってするべきものだと思っております。

 ボツワナのテレビ局のクルーたちが見せた英邁さと愛国心を日本の官僚や企業のトップもぜひ学んでほしいものです。

 市井の人たちの方がその気概を持っている人が多いと思います。