坂本龍一氏が咽頭がんになり、放射線治療を思想信条から拒否しているとスポニチのニュースで流れました。
最初これを見て、素直な感想は、
「坂本龍一って筋を通す人間なのだな、さすが一世を風靡しただけのことのある人で天晴だな」と思いました。
ご存知のように坂本龍一は原子力発電所の再稼動の反対運動の旗手として華々しく活動しており、少量の放射線も危険だと言ってはばからない人でした。
自分がエレクトリックバンドで世に出たにもかかわらず「たかが電気」と言い放った人間です。
その人が放射線治療などを受けないというのは、まことに筋が通っており、意見は違えども敵ながら天晴と思った次第です。
でも、よくよく調べてみるとこのネタはスポニチの飛ばし記事だというのが真相のようです。
というよりもとっておきの皮肉のようです。
放射線治療を受けなければ死がとても確率が高くなる場所ですが、やはり放射線治療は受けるようです。層でなく、外科手術になった場合、咽頭を全摘出して、声が出なくなる恐れがあるからです。
やはり背に腹は代えられないのでしょうね。
他人ごとなら、誰でも強気で発言しますが、自分のこととなったら別物になるようです。
この件で6年ほど前に起こったピースボートの自衛艦に護衛を依頼する事件を思い出しました。
中東で航海をしていた辻本清美らが始めた憲法9条の精神を世界に広めるプロパガンダ船であるピースボートは海賊の頻繁に出現する海域に差し掛かると、アメリカ人船長の判断で海賊問題で派遣された自衛艦に護衛を求めたのです。
このソマリア沖の海賊船対策のために派遣された自衛艦ですが、国内では自衛隊の海外派兵に繋がると野党が大反対していました。とうぜん、左巻きの売国奴議員である辻本清美もその一人というよりも、中心人物でした。
自衛隊の海外派兵を反対しておきながら、困った時は自衛艦の庇護下に入るという全くを持って節操のない行為と言わざるを得ません。
当時はこのことは産経新聞だけが報道しました。ネットもまだフェイスブックがさほど普及しておらず、そこまでインパクトがなかったかもしれませんが、今ならあっという間に数万のアクセスになる記事だと思います。
船の安全の最終責任者は船長であり、いくら主催者が拒否しても自衛艦の護衛依頼は船長の専権事項であり、アメリカ人の船長は「常識的な」判断で、日本の自衛艦に護衛をお願いしたのです。
ピースボートを主宰する日本人ならば、「我々は世界平和を標榜する団体であり、その丸腰の船が襲われるわけがない」と主張していたのですが、日本人以外の人たちにとっては「力のない正義は無力」という常識があるために、アメリカ人船長は躊躇なく護衛を依頼しています。
ここが普通の日本人の感覚と世界の常識との違いを明確に表すところです。
自分の主義主張よりも実質的な安全を取ったのです。
坂本龍一も医療行為で使われる放射線は問題なく、原子力発電所で使われる放射線は問題なのでしょう。
その境はどこにあるのでしょう?
「医療行為につかわれる放射線は科学によって裏付けられたデータによって安全だという基準が明確になっているから」とでもいうのでしょうか?
「原子力発電所の放射線は科学によって裏付けられていないデータで原子力村の人々が儲かるための数値だから信用できない」とでもいうのでしょうか?
逆に自分に都合のいい数字は信用するが、都合の悪い数字は信用できないと言っているように思えてなりません。
原子力発電所の再稼働反対の方々、自分たちの旗頭が自分の命を延命するために原子力のお世話になるそうですが、どう思うのでしょう?
私たちは日々科学を発展させてきました。そして快適な生活を手に入れました。それは止まった時にしかありがたみがわからないものです。
その代償として膨大なエネルギーを消費しています。
私の家の電気代は5000円しか使っていないと自慢するバカがよくいますが、口にする物手にする物、すべて膨大なエネルギーをかけて製造されたもので、それを使っている自分はエネルギーの恩恵を受けていることを忘れています。
この社会で生活している人たちは必ずエネルギーを大量消費しているのであり、それを止めようとする人たちは日本経済の足を引っ張り、日本人を貧しくしようとしている人たちなのです。
昨日の記事で書いたように福岡は台風から肩透かしを食いましたが、全国的には大きな被害がでて尊い命を落とされた方もおられます。
停電や土砂崩れも相次ぎ、その度に電力会社や土木の専門家たちが復旧工事にあたっています。
電力も安定供給をするために、電力会社の人たちが昼夜を問わずに黙々と働いておられるのです。その裏面も見ずに電気は足りている、原子力発電所を再稼働させようとして不安を煽っていると反対派の人たちは言っています。
原子力が危ないと主張する坂本龍一さん、ぜひ、原子力に頼らない方法で完治されることを心から祈念いたします。
私も坂本龍一の音楽は大好きですから。