どうして日本人の敵は日本の中にいるのか? | 井上政典のブログ

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 歴史ナビゲーターの井上政典がお贈りする祖国日本への提言です。
 
 ご意見は賛成反対を問わずどんどん書いてください。

 ただし、社会人としての基本的なマナーは守ってくださいね。

 ブログの読者の方からのご質問に対しあれこれと考えてみました。

 この質問はいろんな方とお話するときに、必ず聞かれる質問でもあります。

 「敵意ある外国人が日本を貶めるような発言はまだ理解できるが、日本人の中にそういう人がいるのは理解できない。いったい彼らは何を望んでいるのでしょうか?」

 というような趣旨のご質問です。

 いろんな答えがあると思います。でも、私なりに考察していくと一つの答えにぶち当たります。

 それは、日本のことを悪く言う日本人は、

 「皇室を敵視している人たちが多い」という結論です。

 ルースベネディクトが書いた「菊と刀」という文化人類学のバイブルのようにもてはやされたことのある本がありますが、この本を読んでなるほどと思い、この本から「海外から見た日本論ブーム」が起こったと思っています。

 私も学生時代にこの本を読み、いたく感銘を受け、それから日本人論が書かれている本を片っ端から読み漁った経験があります。

 でも、この本が書かれた背景を知ると戦慄が走りました。

 大東亜戦争時にアメリカが日本研究を徹底的にしますが、その際に研究をもとに書かれた本だということです。

 つまり、アメリカは孫子を実践していたのです。

 さらに日本は西洋から見ると不可解な点がたくさんあるのですが、一つの起点を中心に考えるととてもわかりやすいのです。

 それが天皇陛下の存在であります。

 日本人のことはすべてのことを当たり前として受け入れる愛国者よりも、敵の方がよく知っているのです。

 共産主義者たちもよく日本文化を研究しています。

 そしてアメリカGHQに入り込んだコミンテルンの工作員たちが日本解体を目論むのです。

 それがGHQの政策の端々に現れてきます。

 日本兵の強さはどこからくるのか?

 という問いに、研究した彼らは一つの結論を出します。

 それは、日本の家族制度だ。そしてその家族制度を支えているのは、日本のお母さんである、と。

 そして女性の社会的な権利を声高に主張させます。

 どんどん表に出てくるのです。

 当時は戦争未亡人もたくさんいて、女性が働いて収入を得て、子供を育てなければならないというケースがたくさんあり、自然にそれはできていきました。

 女性の権利を主張するのはいいのですが、どんどん強くなってくると一家に長が二人いることは争いの種になります。
 
 嫁姑の問題もあります。

 それにより、核家族化が進んでくるのです。

 ご先祖様のありがたさをじいさんが孫に伝えられなくなります。

 まだ家に仏壇があるところはいいのですが、仏壇がない家に育った人間に仏事のことなどはちんぷんかんぷんになります。

 私も両親が教師という共稼ぎで、分家なので家には仏壇がなく、仏事も葬式や法事に呼ばれていくくらいの知識しかなく、神棚もないために、お供え物をするということもめんどくさいという感覚でしかとらえられていませんでした。

 でも、宗像大社沖ノ島で神様とご縁ができて以来、神職や僧侶の方とお付き合いが急増し、まだいろんな作法は知らないことが多いのですが、精神面や哲学面、そして宗教面のことはある程度皆さんにお話しできるようになりました。

 これは奇跡と言っていいようなものだと思っております。

 学生時代は人格者のアメリカ人宣教師によって西洋のキリスト教を学ばせていただいた基礎があったために、「神」の概念の違いが理解し、整理できたことが大きいのです。

 そのために、日本の神様の概念を西洋の概念と比較して語ることができるために、神職や僧侶の方々との会話が弾み、日本の良さがよくわかるようになったという経緯があります。

 でも、普通の人はそんな機会も時間もそして興味もあまりないと思います。

 そのために、どんどん日本の良さが継承されなくなっていっているのです。

 日本の神様のことを知れば知るほど、皇室の存在に突き当たります。

 そしてそれを先人たちが大切にし、御守りしてきたことの努力が思いしのばれるのです。

 そしてその努力に敬意を払うようになりました。

 「もし、あの時に時の権力者が介入していれば、皇統は断絶していたのに」とか、「もし、あの時に外国からの思想が日本に充満して入ればどうなったのか」などと危機はたくさんあったの先人たちが英知を出し合ってそれを乗り越えておられます。

 皇室を敬うのは当たり前と思っている日本人に皇室の危機をどう乗り切るかを想定して考えることはあまりなじみのないことだと思います。

 天皇陛下が皇室が日本におられるのは当たり前のことだからです。

 私たちにとっては空気や水のように当たり前のものなので、それが無くなるというのは想像だにできないものであり、それは日本人の死に直結するものです。

 こういうと、「おいおい、自分は日本が大好きな日本人だけで、皇室のことはそんなに興味ないよ」と悪意のない方がおられます。

 しかし、東北大震災の後に避難所に行幸啓された天皇皇后両陛下を前に、被災者の方々は「ありがたかった、生きる希望が湧いてきた」と口々に感謝の言葉を発していました。

 この人たちは全員が以前から天皇陛下に対して表立って尊崇の念を持っていた人たちでしょうか?

 愛する者やいままで築き上げたものをすべて失った方々だからこそ、日ごろから自分たちのために一所懸命に祈っておられる天皇陛下のお心をすぐに感じることができたためだと思っております。

 だから、菅直人が総理大臣として慰問しても、日ごろ被災者のことなんか考えてもいない口先だけの人間のことなど心が一番敏感になっている被災者の方々からすれば、一目瞭然に見通すことができたのです。

 これは村山富市が阪神大震災の時に避難所に慰問した時にも同じことが起きました。

 このように日ごろ意識をしていないのですが、私たち日本人のDNAの中にしっかりとご先祖様たちの皇室に対する思いが入っているのです。

 日本を敵意を持って研究している人たちからすればこの皇室に対する思いと家族制度を壊せば日本を弱体化できると考えたのです。
 
 でも、昭和天皇陛下が戦後行幸されたいと思召された時に、GHQは大賛成でした。

 それはきっと石の一つでも投げつけられて天皇の権威を日本人自身が貶めてくれると考えたのです。

 彼らの研究では天皇陛下が国民を戦争に導いた張本人だと思っていたからです。

 しかし、先帝陛下がどこに行かれても国民はその威にひれ伏し、涙を持って歓迎しました。

 ある母親は、自分の子供が戦争でなくなったので、天皇様はその子の分まで長生きをしてくださいと訴えました。

 ある子供は、両手に両親の位牌を持ち天皇陛下をお迎えした時に、天皇陛下は玉眼から周囲の者がその涙が畳に落ちるくらいの大粒の涙を落とされたと言います。

 その子供が天皇陛下が名残惜しそうにでも次の予定があるために去る時に、天皇陛下のお袖を引っ張りこういったそうです。

 「また来てね、お父さん」と。

 この話は佐賀県鳥栖市にある因通寺の調住職の書かれた本からのお話ですから、ご存知の方も多いと思います。

 その際にシベリアに抑留されて赤化教育を受けて天皇を断罪しようとする人たちがいました。

 しかし、いきりたった態度も天皇陛下の御前では瞬く間に消え失せてしまい、その場にうつ伏し、泣きながら自分が天皇陛下を傷つけようとしていたことを詫びたとあります。

 懐にはドスが忍ばせてあったのです。

 どこに行って大歓迎される天皇陛下をGHQは廃位や退位はできないと悟りました。

 なによりマッカーサー自身が天皇陛下に拝謁してから熱烈な信奉者になっていました。

 だから、皇室の問題は「棚上げ」したのです。神話を教育から切り離し、日本人と神社とのつながりを断ち切るようにしたのです。
 
 でも、女性は戦後の教育で変わりました。

 「3S政策」といってセックス、スクリーン、スポーツに目を向けさせ、政治や日本人とは何かどこから来たのかということから関心を無くさせてきたのです。

 映画永遠の0で描かれた宮部の奥さんが死の真相を知らされた時に一人川辺で号泣し、決して弱い姿をまだ心を許していない人の前で見せなかった姿に戦前の強い女性を垣間見たと書きました。

 自分の夫や子供が自分よりも先に死ぬことは自分が死ぬほどつらいことなのに、人前では気丈にふるまうという公私を分けた態度が美徳とされていたのです。

 これが先日書いた高梨沙羅選手の見事な態度だと誉めたことに繋がります。

 すると「自分らしく」とか「もっと自分の感情に素直に」という人もおられますが、自分らしくや素直になるときは人前ではなく本当に心を許した人の前でする「私的な」行為である思っております。

 体の奥の奥までさらけ出すAVが世の中には氾濫していますが、それは秘め事であり、表に出すものではありません。

 嫌いかと聞かれると「大好きです」と答えますが、でもそれは公の場で生々しく言うものではありませんね。

 その区別を壊していったのが日本を弱体化させようとしている人たちです。

 その人たちは、意識的にそうしている人たちと戦後の教育によってそうなっている人たちがいます。

 拙文は後者の方々に少しでも目覚めてもらおうと書いています。

 まだまだ表現力を磨いて少しでも伝わるように努力しますので、応援してください。