ブルーリッジの四人の士官候補生を接待してきました。 | 井上政典のブログ

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 歴史ナビゲーターの井上政典がお贈りする祖国日本への提言です。
 
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 第七艦隊旗艦のブルーリッジの乗り込んでいる四人のアメリカ海軍の士官候補生を接待してきました。

 きっかけはその前日のレセプションで仲良くなったヘンリーとの会話から福岡ドームでの野球を見に行きたいと聞いた事からです。チケットは?と聞くと、まだだということで、早速友人に手配してもらいました。

 ホークス対イーグルスの一戦でしたが、恒例の試合前のアトラクションでは第七艦隊の音楽隊がスターウォーズやロッキーのテーマを演奏してくれました。

 野球の試合も楽しんでくれたようですが、それ以上にビールを飲むペースが速くそれもかわいい女性の売り子さんを選んでいました。彼らの年は25歳で、やはりヤンキーの若者だと実感しました。

 ヘンリーはちょっと酔っ払いながら、自分は日本が大好きで、自分の前世は絶対日本人だと言い切るスパニッシュ系のアメリカ人で、奥さんも日本人で日本びいきの愛すべきアメリカ人でした。

 野球の観戦後、食事に行こうとなったのですが私はどうしても見せておきたいところがありました。

 それは、わが母校西南学院大学の体育館の裏にある「元寇防塁の跡」です。彼らを連れて行くと「なんだこれは?」と酔った頭で考えているようでしたが、700年以上前に元軍が日本を攻撃した時に日本の武士が勇敢に戦って撃退した場所だと説明すると、表情が変わりました。

 さらに、この博多湾内に900隻に及ぶ大艦隊が一夜にして沈んでしまったのだと説明し、それを私達は「神風」と呼んでいるんだといった時から、神妙に話を聞いてくれました。

 「神風攻撃のことは聞いているだろう?」と聞くと、「もちろん」と答えます。
 「その言葉の語源はこの博多湾から始まったのだ」というととても謙虚に聞いてくれました。

 「これが神風の語源か」というところを納得させ、次に向かったところは護国神社です。

 残念ながら田村宮司様はいらっしゃらなかったのですが、お盆の御霊祭りの準備のために掲げられているたくさんの灯篭の説明をし、それぞれの部隊のゆかりの方々が献灯されているものを一つずつ紹介しながら、「もしよかったらいっしょに御霊にお参りしないか?」と提案したところ、四人とも一緒に「二礼二拍手一礼」の神道の作法にのっとってお参りをしてくれました。

 どこの国の人間でも、祖国のために命を捧げた人への崇敬の念は変わらないものだと思います。特に彼らのように実際に戦場の赴く軍人達はなおさらだと思います。

 敵国であったアメリカの人間でさえもきちんと説明をすれば神社にお参りするのに、どうして日本の総理大臣がわれらの英霊の方々に鎮魂の祈りを捧げることができないのか不思議でたまりません。

 ここまですると、さっきまでの馬鹿飲みしたビールもすっかり冷めているようで、神妙な面持ちになっていました。でも、歴史ナビゲーターとして愛国者としてアメリカ海軍の若者、それも士官を護国神社に連れて行ったのは良かったと思っています。

 この一連の始まりであるブルーリッジに乗り込むことができたのも、フェイスブックでビルマ戦線でなくなられた手塚さん(栃木)の写真を遺族へという記事をシェアして、更に仲間たちへ見つかる可能性を少しでもあげるためにシェアしてとお願いしてからのことです。

 それまで、急な申し込みだったので、いろんなところにお願いしていただいたのですが、難航していたのですが、知らず知らずにシェアしたところ、急に連れて行っていただける方が現れて、乗艦できたのです。

 これは英霊の方々が助けていただいたといわずして何というのでしょう?

 球場から出て、さてどこへ連れて行こうかと考えたところ、福岡で定番の海の景色は彼らにとって珍しくも無いことに気付き、そしてパッと頭に浮かんだのが、前述のコースでした。

 その後、炊く餃子をご馳走しているところへ、西本さんから電話が入り中州で飲もうという話になり、その後はハーレーダビットソンの販売会社を経営する西本光春氏の接待が始まり、携帯の電池も切れる中深夜に帰宅しました。

 昼前からほぼ12時間英語をしゃべり続けていると本当に疲れます。前は困難じゃなかったと思いながら、日頃日本語ばかりを使っている自分の反省も含め、もっと勉強して日本人に歴史を知ってもらうとともに、世界の人にももっと知ってもらうような活動もしなければと思いなおした一日でした。

 ブルーリッジは火曜日出港ですから、博多湾の先のほうへ行くとその異様な艦形を見ることができますよ。