勝つべくして勝ったなでしこJAPAN 起こるべくして起こった中国高速鉄道の脱線事故 | 井上政典のブログ

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 歴史ナビゲーターの井上政典がお贈りする祖国日本への提言です。
 
 ご意見は賛成反対を問わずどんどん書いてください。

 ただし、社会人としての基本的なマナーは守ってくださいね。

 女子サッカーワールドカップで優勝したなでしこジャパンの秘話が連日のようにテレビで流されています。そして24日のなでしこリーグのある試合では、普段の20倍の観客が詰めかけ、大賑わいだったとも報道をされていました。にわか女子サッカーファン(私も含めて)が急増していますが、以前からなでしこジャパンを応援していた方々のお話がすばらしいので紹介します。

 25日のモーニングバードでは、以前からスポンサー契約を結んでいた歯科医にレポーターが「先見の明がありましたね」と問いかけると、その歯医者さんは強く否定し、「この選手たちの人格と努力を見ていたら、なにか応援しなければいけないような気持ちになったからです」とおっしゃっていました。熊本のお菓子会社の社長さんもただ出身が岡山で熊本でキャンプをしたいからといって紹介されたのがきっかけとおっしゃっていました。彼女らのけなげな努力が周りの人たちを動かしているのです。

 それらの表には見えないサポーターやスポンサーの思いがなでしこジャパンを世界一に導いたと実感しました。支えるサポーター、それになんとしても応えようとするなでしこたち、プレイする選手も控えの選手も自分たちの役割をきちんと果たしているし、それを支える地元の人々の熱い応援が彼女たちの連戦で疲れた足を今一歩動かしたのでしょう。
 
 一体となった思いがアメリカという強豪チームの厚い壁に何とか穴をあけたのです。


 以前、CHINAで試合をした時に反日感情でブーイングの嵐の中でも毅然とプレーをし、敗れた後もブーイングで一杯のスタジアムの中を「謝謝(ありがとう)」の横断幕をあげて、CHINAのマスコミやネットでも絶賛をされたことを思い出しました。彼女らのこの行為は目に見えない後援者たちへの感謝の気持ちが現れていたのかと今回のテレビの特集で初めて理解できました。

 全日本だからサッカーができるのが当たり前ではなく、このサッカーができる環境を応援している人々がいなければ、有り難しものだったと知っているからできたのでしょう。その行為が煽られた反日感情に火がついたCHINA人たちの心に伝わったのです。

 世界一になることはすばらしいことですし、みんながそれに向かって日々努力しているから大変難しいことです。自分たちの名誉、国の名誉をかけてぎりぎりのところで競い合っていると相手を上回るためにはやはり人々の思いを結集すること、つまり感謝の気持ちになるのではないでしょうか。それをみごと具現化したのがなでしこジャパンだったと思わせてくれた特集でした。

 この目に見えない人々の努力が日本の近代化や文化を支えています。だから新幹線は開業以来45年間一度も列車が原因の人身事故を起こしていないし、マグニチュード9.0でも脱線せずに停止しています。時速300kmで走行している場合、停止まで必要な距離は約8Kmだそうです。これを支えているのは、保線区の地味な仕事を高い使命感を持って黙々と遂行している人々がいるからだと思います。その方々の活躍には決して日が当たりません。安全運行が当たり前ですから。

 その当たり前がCHINAにおける中国高速鉄道には欠如しているのです。産経新聞では中国高速鉄道と書いてありましたので、質問をしてみました。「中国版新幹線ではないのか?」と。すると産経のNさんは、「そう呼ぶと認めたことになるでしょう、あれは新幹線とは別物だから」と応えてくれました。

 新幹線は日本の高い技術力と同じくらい高い使命感によって支えられているものですが、CHINAのそれはただのパクリで、表面的な性能をまねただけであり、保線区の人々の崇高な努力などまったくないといっても過言ではないものだからです。新幹線は、列車の性能とそれを走る線路の保守がきちんと調和ができているから安全に人々を運べるのです。

 戦闘機を1機飛ばすためには、地上要員や補給などの間接スタッフ50名が必要だといいます。飛行機の性能がよければいいというものではありません。別な例で言えば最新の武器を積んだ軍艦と就役して10年たった軍艦がまともに海戦すると、どちらが勝つと思いますか?

 答えは10年の習熟訓練を積んだ軍艦のほうが実戦では強いのです。乗組員や艦長がその艦のことを熟知しているからです。それほど、機械の性能だけではコンスタントな安全運行には繋がらないということです。

 なでしこジャパンの勝利と中国高速鉄道の事故、何のつながりのないような事件ですが、ここに日本人ならでは本物の「絆」があるということを理解せねばなりません。つまり「むすび」と「調和」です。名目上の性能諸元で決まるのではなく、目に見えない人々のたゆまぬ努力と高い使命感によって、私たちの安全は支えられているということを教えてくれたと思います。

 道路や線路はたくさんの目に見えない人々の努力によって守られ、それを私たちが当たり前のように乗っているのです。一瞬でいいからそれらの人々に感謝の気持ちを持つというのはどうでしょう?朝の眠気も吹っ飛ぶすがすがしい気持ちになれますよ。

 やはり日本が日本人が大好きです。