▼ 納得いかなかった決断
仕事を取るのか、引退して結婚するのか。
キャリアを重ねてきた女性にとって、積み重ねてきた努力、経験、やりがいを葬らなければならないということは、会う意味、生きるということをあきらめなければならないほどに辛いことです。
さらに過酷なのは、仕事をあたりまえのように続ける夫が、たとえ0.1%でさえ理解できないこと。
恋に落ちていたグレースは、結婚と引退というダブルセットを受け入れる以外に道はなかった。出会いから結婚までの期間はわずか10カ月。決意はしたけれど、引退は本望ではなかったし、こころの整理はまったくついていなかった。
▼ 結婚式は、アメリカで? モナコ?
グレースが仕事のことで苦悩に陥っていた時、グレースの母親と王子のあいだでは、結婚式をどこで挙げるか!についての駆け引きが行われていました。
王子が初めてアメリカ入りし、グレースの家を訪ねたとき、母親は、自分の長年の夢、すなわち娘たちは、地元であるフィラデルフィアの伝統ある教会で結婚式を挙げるということを伝えます。
▼ フィラデルフィア? どんな街?
ニューヨークとワシントンの中間にある港町。それがフィラデルフィアです。
イギリスとの独立戦争が起きていた1776年7月4日に、ジョージ・ワシントンをはじめとする13州の代表がここにあつまり、アメリカ独立宣言に署名したアメリカでは最も由緒ある場所です。
つまり、歴史的にアメリカで最も古く重要な大都市。日本でいえば京都か。
グレースの母がグレースの結婚式をフィラデルフィアで仕切るということは、王族制度のないアメリカでは、全米の上流階級の頂点に立つということ!
◎ 映画ロッキーの撮影があったフィラデルフィア美術館の72段の階段。地元の人がランニングで、観光客が記念にここを駆け上がり駆け下がる。
◎ 初代アメリカ大統領ジョージ ワシントンの銅像
1776年。乗馬姿。
▼ 将来の義理の母の進言をあっさりとOK
結婚式への意識が低かった王子は、初アメリカ、初フィアンセの実家訪問、初アメリカ人らとの陽気なファミリー パーティーにこころが飛んでいて、母親を喜ばせたい思いもあって、笑顔であっさりと、実はものすごく重要なことに、イエスと言ってしまいます。
続く・・・。