「もう 続かないで欲しい!」と、涙が… |  ふと、思うこと…

 ふと、思うこと…

      by Ameba

八代亜紀さんとの惜別の痛みが続く中

昨日夕方、小金沢クンの訃報を聞きました。

小金沢クン…

僕が歌い手さんで「クン」なんて呼ぶのは

彼ひとりでした。

何故って?

「フィニッシュコーワ」のテレビコマーシャル

『歌手の小金沢君』が 社会現象になってて

その年の流行語大賞の大衆部門で

銀賞を受賞!

まさに、時の人になってた時が初対面でした。

彼との想い出を綴る前に

まず、心から お悔やみ申し上げ

そして ご冥福を お祈りします。

彼との お仕事は、たった一曲だけ…

でも とっても想い出深いものなんです。

それは、ちょうど30年前の冬の深夜。

北島(三郎 御大)事務所の

石川さんから電話がきました。

「平尾(昌晃)先生が、

 どうしても水木さんに

 詩をハメ込んで欲しいとおっしゃる曲の

 デモテープとメロ譜、

 さっき、郵便受けに 入れといたんですけど

 ウチの小金沢の新曲にしたいので

 大至急やってくれませんか?」

石川さんは、

山本譲二さんの『望郷しぐれ』(86年)以来

何かにつけて面倒みてくれてた人なんで

飛び起きて取りに降りて 聴きました。

凄い いいメロ!でも、こんな真夜中に?!

で、タイトルは

『真夜中のものがたり』に決めました。

至急!至急!で、

オケ録りも 歌ダビも真夜中…真夜中…

あとで聞いた最後の真夜中が 凄過ぎ…

「エレキギターのグルーブ感が弱い!」

そう感じた石川さんが 自分の持ってる

エリック・クラプトンと同じギターを

スタジオに持ち込んで、

ひとり 徹夜で弾いて

すべて差し替えたって言うんです。

もんた(よしのり)さんや大橋純子さんの

作品のディレクションやってた人だから…

なるほどな〜!と思いました。

小金沢クンも、これは絶対イケる!と思い

満を期して発売したのですが 不発でした。

「CMで こんな有名になって

 人気も出たのに

 どうして俺は

 歌のヒットが出せないんだろう?」と

彼は、ず〜っと ず〜っと悩み続けて

歳月は流れました。

あんな事や そんな事もあって

不運だったと言えば それまでだけど…

初志貫徹!!

20年かけて『ありがとう・・・感謝』

皆んなの心に刻んで 走り抜けてった

男らしい人生だったと、僕は拍手を贈りたい。

平尾(昌晃)先生が、亡くなるまで

「どうして あの曲が売れなかったのか?

 不思議でしかたない!

 もう一度、発売して 答えを出したい!」って

言い続けてた『真夜中のものがたり』という曲は

これです。

あの時は、

皆んな こんなに応援してくれてたじゃないか!

皆さん!『小金沢君』こと、小金沢昇司さんが

立派な歌手だったこと…

いつまでも 忘れないであげましょう!! 

合掌