彼女は自分がブスだと思ってた。
彼女の母は
「もっと痩せないと足が折れるわよ」
「鼻が低いから高くなるように洗濯ばさみでつまんで寝なさい」
「可愛くないんだから、広角を常に上げてなさい」
「肩幅が広いからそんな服は来ちゃダメよ」
「背が高いんだから、ヒールを履いたら木みたいに見える」
幼い彼女には、母の言葉が全てで、常に視線が痛かった。
中学までは本当に自分はブスだと思ってた。
可愛くないんだから、せめて頭はよくなくちゃと幼いながらに思い、検事を目指して六法全書を読んだりした。
私立の女子校に進学するために毎晩塾に通いつめた。
その甲斐あって進学クラスで入学できた。
スカートがひざ下5センチで、くるぶし丈のだっさい学校指定の靴下を履いて、毎日満員電車に揺られて通学した。
入学してすぐ出来た友達はみんな、とても可愛かった。ダッサイ制服のせいで垢抜けなく見えるが、それでも顔立ちが整ってて、スタイルがいいのが分
かるくらい可愛かった。
彼女は、そんな中、私だけブスで浮いてる。恥ずかしい。と思いながらも、綺麗な友人に囲まれるのは生まれて初めて感じる優越感だった。
ある放課後に、校則を破って友人達とプリクラを撮りにいった。
いつも控えめな彼女を友人3人は、無理やり真ん中にして、当時流行ったアムラーポーズで撮ったプリクラ。
次の日、クラスで昨日撮ったばかりのプリクラを隣の席の子と交換した。
「ホント可愛いよね!羨ましい!」とその子は言った。
彼女も「そうなの!可愛いよねー」と返すと
「いや、あんたのことなんだけど(笑)」となに言ってんだ?こいつって顔をして隣の席の子が笑った。
(嫌みな子だ)彼女は思っただけで言葉にはしなかった。
こんなに可愛い子達に囲まれて、真ん中でひきつってる私が可愛い?
この子私の事嫌いなのかな…なんかしたっけ?…
物凄く嫌な気分になったけど、綺麗な友人がいる私に妬いてるんだ。と思い許してあげた。
彼女は彼女の顔の何もかもが嫌だった。嫌いだった。鏡はなんて残酷な物なんだろうと、毎朝ため息をついた。
しかし、ある日を境に何もかもが変わった。
昔々のある日… 続く。
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