彼女は、例え周りの女の子に可愛いと言われても、
近所の大人達に言われても、
それは社交辞令的な感じで、
自分だって不細工な赤ちゃんを見ても「可愛い!」って言うし、
周りの「可愛い」はそれと一緒だと思ってた。
母親の呪縛は、友人や、他人じゃそう簡単には解けない。
解いたのは男だ。
女子校に男はいない。(教師は除く)
出会うには、出会いに自ら行かなければいけない。
女子校生が堂々と男と出会える場…
男子校の文化祭だ。女子校出身者で勉強漬けじゃなかった女子は「そうそう!」となるだろう。
そこで、生まれて初めて彼女は、自分は女として魅力があると悟った。
10メートル間隔で男子校生から声をかけられる。視線を感じる。最初は一緒に来ている友人目当てか?と思ったが、男の視線は明らかに彼女だった。
「可愛いね」男達の言葉は、友人達や、大人のとはまったく違った。
同じ言葉でも、全然違った。
「私はブスじゃない。隣にいる友人より可愛いんだ」
母親の呪縛は、男の一言で解かれた。
男によって解かれた瞬間、それは男の呪縛にハマった瞬間だった。
それから彼女は、女の子から、女になり、女という呪縛に縛られる。
あの時、毎朝見てはため息をついた鏡「私はなんでブスなんだろう。」
メイクをし髪を決めて、ため息をつく。「私はなんて美しいんだろう」
メイクを落とし、スッピンになり、またため息をつく「私の素の顔はこんなにも醜いのか」
女の呪縛から解放される時は来るのか…
もしかしたら、彼女はあの時のまま、母親の呪縛に縛られていた方が幸せだったのかもしれない。
母もまた女なんだと、大人になって少しずつ理解する。
母もまた女の呪縛に苦しむ、ただの女だったのだ。
Android携帯からの投稿
