「尽くす女」は「男をダメにする女」
まったく逆じゃん!と思うかもしれないけど、紙一重で同じ女になる。
この話を聞いたとき、使える!と思いつつも、怖いな…そう思った。
男に尽くした結果、男をダメにした。ならよく分かる。男をダメにするのを目的に男に尽くした。としたら…ね?ホラーでしょ?
Rは、見た目も性格もいい女で、仕事も出来るし、家事もする。
Rの彼も、見た目も性格もいい男で、仕事も出来るし、誠実だ。
2人は1年程付き合って、同棲を始めた。
家賃や食費、光熱費は全て半分。デート代は彼持ち。お互いに働いてるからフェアで素敵な同棲ライフ。
Rの家事は徹底していた。埃がたまることはあり得ない。彼の服も洗濯をし、アイロンをかけ、キチンと畳み、整理してしまう。
彼の郵便物や、雑用…秘書のようにこなした。
彼の健康を気遣い、毎日栄養バランスのよい、プラス彼の好物をさりげなく作った。
彼の着ていく服のコーディネートも毎日するようになった。
Rは家の全てを把握していた。どこに何があるかはもちろん、そろそろなくなるものは既に予備を買ってある。
ので、Rの家で、ティッシュがない。シャンプーがきれてる。なんてことはない。
Rは、彼が靴下を脱ぎっぱなしにしても、イスがハンガー化しても、文句1つ言わずに家事をこなした。
彼は座ってるだけで、料理が運ばれ、片付けられ、服を選ぶ必要もなく、毎日アイロンがかかったシャツを着て出勤する。
ある日、2人は別れた。
理由は、Rの彼が浮気したとか、Rに他に男ができたとか…周りは色々憶測したが、結局本当のところは2人しか分からない。
とにかく、2人は別れた。
数ヵ月後、Rの彼に新しい彼女ができた。Rより2つ若く、可愛らしい子だ。彼の家に初めて遊びに行って、その子は絶句する。
…汚い。部屋が散らかってる。そんなレベルじゃなかった。足の踏み場もなく、ゴミと服が散らばってる。キッチンもゴミ箱と化し、コンビニの弁当や、カップ麺の空が山積みになってる。
彼は呆然とする新しい彼女に、当たり前のように「散らかってるんだ、掃除してくれる?」と微笑んだ。
その彼女ともすぐ破局を迎える。
彼は、次第に体調も崩し、仕事でもミスが目立つようになり、服はボロボロで、出会いさえなくなった。
Rは見事に彼をダメな男にした。やってもらって当たり前男。
Rは、そんな彼の近状を聞いて「そうだろうね」と呟いた。
愛し、尽くした末に愛した男をダメにした。
それとも、ダメにしたくて、尽くしたのか…愛してたから、Rなしでは生きていけなくしたかったのか…
憎んでいたから、そうしたのか…
Rは少し悲しそうで、そして少し満足そうにも見えた。
尽くす女は、愛す男を破滅させる。
尽くす女は、依存を愛とはき違えてる。
尽くす女は、悲しく、強く、恐ろしい。

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