原稿がボツになった回数6回。
7回目にOKがでた。
7枚全てをデスクに並べ上司は言った。
「私は一番目のが好き。」
私は「はぁ?」と思っただけで口には出さなかった。
「では、何故一番目のでは駄目だったのですか?」
デスクに山積みになってる書類の山をビリビリにしたい衝動を抑えて、丁寧に聞いた。(私は怒ると敬語になる、痛い癖がある)
「何がダメだと思う?」上司は不敵な笑みを浮かべて聞いた。
「分かりません。」私は本当に分からなかった。
「締め切り2時間前になって、原稿料が入らないかもと焦って、なんとかOKをもらおうと、必死になったでしょ?違う視点から、違う言い回しから、過去のバックナンバーを片っ端から調べたでしょ?私の好みも調べたはず」
上司は原稿No.7に目線を移して、そういった。
「はい。」その通りだったから、私は答えた。
「これから、大きい仕事が来れば必ず起こることだから、そうしただけ。」
淡々と上司は続けた。
「きっと、いつか感謝するよ。お疲れ様」
釈然としなかった。
でも、正しいと思った。
敵わないと思った。
深呼吸をして、コーヒーを飲んで、次に迫る締め切りに取りかかった。
そして、少しだけ感謝した。
切羽詰まって、呼吸困難になりそうだったけど、きっといつか、すごく感謝すると思う。
意地悪な上司に…。
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