5/31(金)

 

 

@新宿

武蔵野館

第四回カツベン映画祭 にて

 

 

 

 

拳闘屋キートン

 

 

1926年|アメリカ|85分

 

監督:バスター・キートン

出演:バスター・キートン、スニッツ・エドワーズ、サリー・オニール 他

 

 

弁士:山城秀之

楽士:天宮遥

 

 

当初の予定では

関西方面で活躍しているらしき

(もしや関西弁駆使かしらん キョロキョロ )の

大森くみこさんが弁士担当とのことで

興味津々、楽しみにしていたのですが

 

腰痛悪化による治療のため

というか

代打の山城秀之さんの弁によると

入院されてしまったらしく

あわわわ 驚き

 

私も一回

ぎっくり腰風味になってしまったら

以降、ことあるごとに不穏な調子で

(最近もまたなにかの拍子に

痛めてしまったようで

びっこひきひきだったりして)

腰は怖い 滝汗 という実感があり

もう一日も早い快復をお祈りしつつ

 

代打の山城秀之さんは、以前

カリガリ博士』の語りを

味あわせていただいたことがあり

 

演技力のある方だ、という

認識があるので、不安なく

(そう、弁士さんて、とっても

好みとの相性があると思うのです)

 

はじまる前には

その代打状況もあって

当日、他の弁士さんから

「あれ、山城さん、今日出るの?」

なんて言われちゃいまして、なトークで

会場を温めて(この辺り、落語の

枕のようでもありますなぁ…)

 

そして演目もまた不安なき

というか

もう期待でワクワク お願い しかない

バスター・キートン監督主演作で

 

いざ!

 

 

 

バスター・キートン演じる

アルフレッド・バトラーは

富豪のおぼっちゃま

 

病弱だったこともあり

母親と、執事マーティンによる

過保護な環境下で育ち

 

その状況に業を煮やした父親からの

おまえはもっとアクティブになれー!

キャンプにでも行って

狩りやら、釣りやらしてこい!

という言に従って

 

ロールス・ロイスに乗って(!)

なにやら満載の荷物を牽引(!)

しつつの出発

 

かくして、はじまるキャンプ

 

だがしかし、テントの床には

なにがしかの動物の頭つき

まるごと毛皮の、絨毯?やら

 

ベッド(!)で目覚めれば

ぼっちゃま、朝ごはんですよ、と

執事マーティンがトレイに載せた

朝食を運んでくる、という

甲斐甲斐しいお世話焼き付きで

 

どこがキャンプやねん! 真顔

家がテントに変わっただけやんけ! 笑い泣き

という状況の中

 

父親に言われた通り

執事のマーティンとともに

猟銃を携えて狩りへと出かけてゆくと

そこで出会った土地の娘にひとめぼれ

 

その後でかけた釣りの現場でもまた

彼女に遭遇し

 

すったもんだののち

いっしょに食事をすることとなり

 

そして、彼女もまんざらではなく

いい雰囲気に…

 

そんなこんな、で

僕、彼女にプロポーズする…!

となったものの

 

彼女の父と兄が

こんなもやし野郎に

娘(妹)をやれるかい!

となってしまい

 

執事のマーティンがとっさに

同姓同名のボクサー(拳闘屋)を

彼だと偽り、めっちゃ強いんですって〜

と、とりなしてしまったことにより

 

 となれば

 どういう事態になっていくのか

 想像に難くないのであるが

 まさにその通りの展開で

 

本物ボクサーと

偽物ボクサーひっくるめて

あれよあれよと転がっていく騒動!

 

というようなお話 ニコ

 

 

ストーンフェイスとも称される

笑わないキートンの

それなのに魅力的な表情は

もちろんのこと

 

坊っちゃまを

とっても大事にしている執事

マーティン役の

スニッツ・エドワーズもまた

い〜い表情で 照れ

 

ふたりの魅力が

ポフンポフンと爆発…!ニコ

 

 

サイレントコメディらしい

笑いのタネもあっちこちに

散りばめられていて

 

弁士さんの語りによって

さらに追加される笑いと

 

脳内ツッコミ炸裂

(これが本当に楽しい)で

 

楽しんでしまいました ニコニコ

 

 

キートンといえば、な

え…? 凝視 と

目まんまるくなっちゃうような

軽業師ばりの、見事なる

身体能力(アクロバット)を

発揮することはない、今作

 

弁士(山城秀之)さんの

はじまる前の語りによると

キートン本人が晩年に

お気に入り作品と語っていたらしく

 

 

サイレントコメディらしい

ドタバタ劇ののち

 

最後に

愛する彼女のまなざしによって

奮起し、鬼気迫る快進撃を見せる

キートンの姿に

 

おぉ… キョロキョロ と

ちょっとじんわり

してしまったりなんかして

 

この部分、弁士の山城秀之さんも

言及されていたので、それが脚本

(共通のものがあるのではなく

弁士さんがそれぞれに自分で書く)に

反映されていたゆえも

あったのかな、と思いつつ

 

愛はパワーとなって

よくも悪くも

人を変えますよね

 

今作は、よい方へ、で

 

なんでも、執事マーティンに

「アレンジ、よろしく」と

(ここもまたクスクスポイント

だったのであるが)

丸投げだった坊っちゃんが

一人前の男となって

 

そして、このラストシーンなのである

 

 

愛は、盲目! 笑

 

道ゆく人々は

グローブをつけたままで

上半身裸のボクサーパンツ姿に

ちぐはぐな

ステッキに、シルクハット、という

なんとも奇異ないでたちに

 

やだ、あの人、なに〜? な視線を

ビシバシに送っているのであるが

 

恋人たちは、そんな視線

もろともしないのである

 

ふふ、とっても素敵な幕切れ ニコニコ

でありました

 

執事マーティンもきっと

柱の影からふたりの姿を見守り

あぁ、坊っちゃま… お願い と

感無量によろこんでいることでしょう

(うるうるしている顔が見えるよう)

 

ハッピーなエンディングで

心がふわっと温かくなる ニコニコ と同時に

とっても楽しかった! ニコニコ のでした

 

 

 

 

 

続いては

午後の仕事をはさんだのち

わたし的、クライマックス! ニコ な

ご贔屓弁士さんによる弾き語りの

Gプログラムへ〜 ニコニコ