3/18(月)

 

 

@渋谷

シアターイメージフォーラム にて

 

 

 

 

ZOO

 

 

1985年|イギリス|116分

 

監督・脚本:ピーター・グリーナウェイ

音楽:マイケル・ナイマン

出演:アンドレア・フェレオル、ブライアン・ディーコン、エリック・ディーコン 他

 

原題:A Zed & Two Noughts

 

 

 

前週の『英国式庭園殺人事件』に続き

ピーター・グリーナウェイ 監督作品鑑賞

(わたし的には、2作品目)

 

英国式庭園殺人事件』で

かなりしっかりと

その洗礼を受けていたおかげで

それなりに心構えができていたのか

 

はたまた

英国式庭園殺人事件』より

あとにつくられた作品なので

つくりに変化が生じたのか

わからねど

 

とりあえず

英国式庭園殺人事件』よりは

わかりやすかったでした

 

 

大筋としては

 

車の事故で

同時に妻を亡くしてしまった

動物園に勤める双子の兄弟が

それをきっかけに

死に魅了され

 

死体が腐敗していく様を

執拗に記録し

 

はじめは小動物だったけれど

それはやがて…

 

というと、ホラーめいて

もしくは、サイコパスめいて

しまいそうなのだけれども

 

そこは、ピーター・グリーナウェイ

しっかりと、違うんですよね

 

これは『英国式庭園殺人事件』とも

通じるのかな、と思うのだけれども

 

そこに、そこはかとなく漂うのは

とにもかくにも、人間の滑稽さ

 

幕切れのシーンなんか、まさに、で

 

 

それから、この双子の兄弟

同時に妻を亡くすこととなった事故で

車を運転していて、生き残ったけれど

片足を切断することとなった女性の

愛人となる流れがあり

 

ベッドにいるその女性を

双子の兄弟が

左右からはさんでいる構図

 

まさに、シンメトリー(左右対称)で

 

加えて、この片足の女性

のちに残った足も切断して

両足がなくなることとなり

これもまた、シンメトリー

(左右対称)? で

 

その他にも

シンメトリーな構図が多く

 

双子の兄弟が固執したのが

死体の腐敗していくさま、ならば

 

それと同じような熱量で

監督が固執したのは

シンメトリー(左右対称)の構図

だったのかしらん キョロキョロ

 

 

そう、そんな構図や

画面の見え方等に注目していると

相変わらずのまっすぐストレートではない

台詞の応酬や、一般的なそれとは違う

ストーリー運びの把握、考察まで

意識が及ばなくなってしまったりして;

 

 

そして、今回の上映は

2000年初期のHDリマスター版を

無修正で、劇場初上映、とのことで

 

双子の兄弟の

性器も露わな全裸シーンが

ちらりほらりとあるのだけれども

 

モザイクいっさいなし

 

でもこれ、むしろ

この方がよかったのではないか、と

 

ここで変にモザイクをかけられてしまうと

また違った印象になるというか

モザイクがあるがゆえに

そこに視線や意識が向いてしまうというか

 

隠されると気になってしまうけれど

隠されなければ、もうそのまま

見たまま、見えるまま、というか

 

モザイクがないがゆえに

そのまさに、人間のあるがままの

滑稽さが際立つというか、な気がして

 

 

それから、前週の

英国式庭園殺人事件』のときに

記載した

 

哀れなるものたち』の監督

ヨルゴス・ランティモス や

 

ボーはおそれている』の監督

アリ・アスター らが

 

この、ピーター・グリーナウェイ監督作に

影響を受けたというところ

 

じわっとわかる気がしてしまったりもして

 

三者とも、美もあるけれども

同じベクトルで持って、醜もあって

 

加えての、グロテスクさや、狂気

 

かつ、人間の隠しておきたいような

普段、人はそれを

隠して過ごしているようなあれこれを

がばっと開示して、暴いて

見せつけるところなんか

共通している気がして

 

うん、この、あぁ、繋がっているなぁ

という感覚が、私にとっては

とても収穫でした ニコ

 

 

そうそう、音楽が

英国式庭園殺人事件』と同様に

マイケル・ナイマンだったのですが

 

この『ZOO』で用いられている

劇中で何度かかかる緊張感のある音楽

 

それがかかる度に

なんだこのなんとも

聞き覚えのある旋律は キョロキョロ

 

と思っていたらば

「料理の鉄人」で流れていた音

だったのでした 笑

 

なもので、その旋律が流れる度に

脳内で、料理の鉄人が

呼び起こされてしまい

 

目の前の映画のシーンと

料理の鉄人、というか

鹿賀丈史が二重写しになってしまう

という、変な塩梅に〜 笑い泣き

 

バックドラフト』もそうだったけれども

「料理の鉄人」なんとも

罪つくりですねぇ 真顔