3/11(月)

 

 

@渋谷

シアターイメージフォーラム にて

 

 

 

 

英国式庭園殺人事件

 

 

1982年|イギリス|107分

 

監督・脚本:ピーター・グリーナウェイ

音楽:マイケル・ナイマン

出演:アンソニー・ヒギンズ、ジャネット・サズマン、アン=ルイーズ・ランバート、ニール・カニンガム、ヒュー・フレイザー、デイブ・ヒル 他

 

 

 

私がまだこの世に存在していない頃

40年以上前の作品であり

 

哀れなるものたち』の監督

ヨルゴス・ランティモス や

 

ボーはおそれている』の監督

アリ・アスター らが

 

影響を受けた監督作ということもあり

 

興味津々だった

ピーター・グリーナウェイ

レトロスペクティブ

 

ラインナップのなかでは

一番とっつきやすそうかな? と

チョイスしたのだけれども

 

ん〜〜、これは、なんとも キョロキョロ

 

ひさしぶりに、なにがなんだか 凝視

となりまして

 

タイトルからすると

殺人事件があり、その犯人は? 等々

推理、探っていくような内容

かと思いきや、全然違うんですよね

 

殺人事件が発覚するのは

後半以降で

 

しかも、あれ、これ

結局のところ、犯人は誰…?

 

母娘が共謀して

夫(もしくは父)を亡きものにした

ということでいいの…? キョロキョロ

 

と、判然としない、というか

なんだろう

一般的な映画のつくりとは

ちょっと違うつくりになっていて

 

彷彿としたのは

観終わってみれば、筋としては

そう難しいことはないと思うのだけれども

その描き方やつくりが

かなりアバンギャルドで

難解な様相を呈していた

殺しを呼ぶ卵

 

まさに、それと

よく似ていた気がするのが

会話シーンで

 

ごく一般的な会話の台詞

応酬ではないんですよね

 

なんだか

含みが持たせられているというか

意味ありげに、まわりくどいというか

もったいぶっているというか、で

 

とにもかくにも

すんなり、するっとは入ってこない

 

いや、これ、そもそも

監督自体が、一般的な映画のつくりとは

対極のところを行こうとしているんじゃないか

という気がしたのだけれども

 

だから、もとより

多くの映画がそうであるような

筋を中心に据えて描くことには

重きを置いておらず

その周辺、特に視覚的な美

 

それから、そうだ、滑稽さ

 

たとえば、騙し絵よろしく

黒塗りの人物が背景に紛れていたり

するんだけれども

(あれは、庭師…?)

その擬態に気がつくのは

子どもだけだったり

(大人は盲目ということかな)

 

冒頭のパーティーのようなシーンでも

みな、きらびやかな衣装だけれども

その会話の内容はとても下品だったり

 

そう、そもそも、あの、男性の

パンケーキの上に盛り盛りの

生クリームの山のようなカツラに

ピエロ一歩手前のような化粧姿に

滑稽さを禁じえなかったり

したのだけれども

 

 あ、これ、いまちょうど

 日本の室町時代が舞台の小説を

 読んでいるのだけれども

 そこでも、地位や富のあるお偉方

 (男性)は化粧姿だったりして

 なんだろう、こういった風習?

 国を問わずにあるんだなぁ

 と感慨深かったりして

 

庭園の美しさに対する

人間の滑稽さ、という

美醜の対比

だったのかしらん キョロキョロ

 

 

いやはや、こんなにも

するん、とは、わかりえない作品は

ひさしぶりだったので

凝視 となりつつ

 

今回のレトロスペクティブの

ラインナップの中のもうひと作品を

観に行くつもりでいたのですが

 

え、これ、どうしよう キョロキョロ

 

いや、嫌いじゃなんですよ、私

こういった、我が道を貫いている

個性爆発!偏り上等! な作品

 

かつ、やはり、1作品だけでは

判断はできないな、というのと

 

映画サイトのコメント等では

この作品は

ピーター・グリーナウェイ監督作

初鑑賞には向かない、というものも

あったりしたので

 

そして、劇場で鑑賞できる機会は

こののち、そうそうないのではないか

とも思うので、もうひと作品

行ってしまうか…!?

 

と、まぁ、こんな風に悩むのもまた

楽しかったりするんですよね ニコニコ

 

 

とにもかくにも、「映画」って

本当にとても自由なものだなぁ

ということを改めて思いました