2/14(水)

 

 

@有楽町

ヒューマントラストシネマ にて

 

 

 

 

ビデオドローム

4K ディレクターズカット版

 

 

1982年|アメリカ|89分|R18+

 

監督・脚本:デヴィッド・クローネンバーグ

音楽:ハワード・ショア

特殊メイク:リック・ベイカー

出演:ジェームズ・ウッズ、デボラ・ハリー 他

 

 

裸のランチ』や

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』の

デヴィッド・クローネンバーグ監督作

とのことで、これは外せないな〜、と

 

 

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以下、ネタバレを含みますので

苦手な方はご注意ください

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もっと、もっと、と刺激を求める人々

 

殺人に至る暴力映像(スナッフフィルム)

セックス、自身の身体を傷つける被虐行為

 

それはきっと生命に危険が及んでいない

平和な状況だからこその表出

なんだろうなぁ、と思いつつ

 

テレビ画面に映る

過激なそれらに影響を受け

 

徐々に侵食された主人公は

幻覚を見るようになり

やがてはー

 

というようなお話で

 

終盤ちょっと

関係性の把握や状況の理解が

うまくできなかったりしたものの

 

きっとこれは、結局

テレビやビデオから

与えられる刺激によって

 

それを、もっともっとと

求めることによって、むしろ

自身の中身は空っぽになっていき

 

やがては、思考停止し

言われるがままに行動し

翻弄され

 

最終的には、依存の対象である

テレビやビデオが映すものに操られ

自死に至る

 

ということだと思うのだけれど

 

40年以上前なので

依存する、影響を受ける対象が

テレビやビデオだけれど

 

これ、そのまま現代の

ネット、スマホ、SNSなんかに

まるっと置き換えられてしまうな〜

というのが、またなんとも

 

そうそう、銃が

それを握っている手を侵食し

やがては一体となってしまう描写なんか

 

銃をスマホに、そのまま

置き換えられる気がしてしまったりして

 

取り巻く状況やものが

変わっていくだけで

 

人間自身のありようは

いっこう変わらないのだなぁ

という、妙な実感が

 

 

膨張したテレビ画面で

大写しになっている女性の唇に

自身(男性)の頭をつっこむ

 

お腹にできた裂け目

まさに女性器のようなそれに

銃を持った自分の腕をつっこむ

 

等の性行為の擬態

(かなりダイレクトではあるけれども)

のように

 

テレビやビデオへの依存

その危険性を、それそのままに

見せる、描くのではなくて

 

監督の手と個性と好みによって、こう

粘土をこねくりまわすようにして

できあがった、エログロ孕んだ

現代アート的な作品

のような、そんな風味でしょうか

 

 

予告編 ↓ にも映っているけれど

(苦手な方は閲覧注意)

 

なぜ、銃で撃たれただけなのに

内臓や脳みそが、まるで

それ自体が生きものであるかのように

ぶくぶくとあふれだしてくるのか

 

それらは、わたし的に

かなり男児な部分を

色濃く残しているという印象の

監督のお好みなのかな

と思いつつ

 

もしや、映画の内容とのリンクで

ほら、こういうのが見たいんでしょ

的な、過剰な刺激、サービス!

だったりしたのかしらん キョロキョロ

 

 

とにもかくにも

独特な世界観と表現のしかた

ストレートには理解できない

一筋縄ではいかないつくりを

味わいました ニコ