5/18(水)

 

 

@日比谷

TOHOシネマズ にて

 

 

 

 

カモン カモン

 

 

2021年|アメリカ|108分

 

監督・脚本:マイク・ミルズ

出演:ホアキン・フェニックス、ウディ・ノーマン、ギャビー・ホフマン、モリー・ウェブスター、ジャブーキー・ヤング=ホワイト 他

 

 

 

妹から頼まれ、期間限定で

9歳の甥、ジェシー(ウディ・ノーマン)の

面倒をみることになった

ジョニー(ホアキン・フェニックス)

 

子どものいないジョニーにとっては

とまどいの連続である

ジェシーとの共同生活の様子と

 

それぞれを取り巻く事情

抱えている問題や関係性が

映し出されつつ

 

ラジオジャーナリストである

ジョニーの仕事のひとつである

子どもたちへのインタビューが

さしはさまれる構成

 

 

 

『ジョーカー』のときは

ガリガリに痩せ細っていた

ホアキン・フェニックスが

私が好きになったきっかけのひとつである

くまさん体型に戻っていて

それだけでニコニコしてしまう

 

そんな、まずは

ホアキン・フェニックス目当てで

観に行った作品だったのですが

 

その相手役である

9歳の甥っ子、ジェシーを演じた

ウディ・ノーマンくんが

クリッとした瞳に、性別の判断を

迷ってしまうような風貌をしていて

すっかり魅せられてしまい

 

これからが楽しみだなぁ…

 

 

私も、ジョニー同様

子育てをしたことがないので

そのとまどいに共感しつつも

 

妄想のなりきり遊びや、遠慮のない質問

不意にいなくなって大人を困らせる等

ジェシーの行動にも、覚えがあり

 

かつては、みな子どもで、大人になり

子どもを育てたり育てなかったりし

やがて死んでいく

 

その大きな営み、連綿と繋がっていく

流れのようなものを感じたときに

 

ふっと同じような感覚を覚えた

ア・ゴースト・ストーリー』を思い出し

 

そしてこの↑映画、主演のひとりは

ホアキンのパートナーである

ルーニー・マーラというところが

またなんとも

 

 

認知症の母の妄言には

やさしく寄り添うことができるのに

 

ジェシーの妄想なりきり遊びには

当初、つきあえず、拒絶したジョニーが

 

いっしょに暮らし、時間を重ねることで

少しずつ、お互いを理解していき

距離が縮まり、目線が近づき

信頼関係や、情のつながりのようなもの?

が育まれ

 

やがてそれを

受け入れられるようになる段が

とてもよく

 

親子や、叔父甥の間だけでなく

すべての人が、そんな風に

関係性を築いていけたなら

いいのになと思う

 

 

さしはさまれる、大人顔負けの

子どもたちのインタビュー内容に

子ども=未来であり

希望を感じたけれど

 

その光を失わせないように

大人たちは、世界をよりよき方向へ

向かわせなければならない、という

思いも感じ

 

終盤にあった

「きみはやがてこのいっしょに過ごした時間を

忘れてしまうだろうけれど、大丈夫

僕が覚えているから」という内容の

ジョニーの台詞からも

 

親から子への視線や思いが強く感じられて

 

おそらく、監督が子育て経験者で

その経験を通じて、感じたことや思ったこと等を

反映させた映画なんだろうなぁ、と

 

 

それから「先へ 先へ(カモン カモン)」と

力強く進んでいくパワーと

その先にある未来に

希望を持っている目線も感じられて

なんだか明るい心持ちをもらいました