今週のひとり映画部は

 

 

ア・ゴースト・ストーリー

http://www.ags-movie.jp

 

 

 

なにも知らない状態で

このフライヤーを目にしたとき、思わず

あ、これは観に行きたい!と思ったのですが

 

その後、公開がはじまって

あらすじを読んだり、レビューを読んだりしたところ

むむ、なんだかフライヤーを見て想像したのとは

ちょっと違う感じなのかな?

となり

 

観に行こうか行くまいか

ギリギリまで心がブランコしていたのですが

 

でもやっぱり

自分で観て感じないと

なにも云えないし

なにもわからないよね

 

というわけで

えいやっとひとり映画部してきたのですが

 

結果

観に行ってよかったです

 

やっぱり自分で観て感じないとな

と改めて思いました

 

 

 

 

 

ストーリーは

 

突然の事故で亡くなってしまった彼が

ゴーストとなり

いっしょに暮らしていた彼女を見守り

 

やがて、彼女が前に進むために

引っ越していったあとは

いっしょに暮らしていた家を見守り

 

ここでちょっと

猫は家につく、ということわざ(だったか)が

あるけれども

ゴーストも家につくのかな、と

そんなことを思ったり

 

家につく、というよりも

思い出のある場所から離れられない

ということなのかな

(いわゆる地縛霊的な?)

 

 

 

ゴーストになった彼は

フライヤーの通り

目のところに穴が空いている

シーツをかぶっている状態なので

絵としてはなんだかシュール

 

そして前半は

彼を失った彼女が哀しみの中

ひたすらにパイを食べているシーンが

ずっと同じアングルで

かなり長く続いたり

 

レビューで目にした通り

確かに眠気を誘われ

何度か意識が飛びかけました

 

でもそれを越すと

不思議な伸縮度合いで動きだす物語

 

 

 

刻一刻と否応なしに生きている彼女と

時の流れとは無縁の場所にいる彼との対比

 

特に

確かこのシーンだったと思うのですが

 

 

前に進むために

引っ越しの準備をしている彼女と

それを見守っている彼

 

 

このアングルではなかったのですが

なんだか、ずしん、ときてしまい

思わず涙がこぼれていました

 

 

 

 

 

ゴーストは時の流れとは無縁なので

 

この家に新たに越してきた住人や

さらにはその後、家が老朽化し取り壊され

新しい高層のビルが建つ未来まで

見守ったかと思いきや

 

まだこの家が建つ前の

ずっと過去へと移動したり

 

彷徨い続けます

 

 

 

なにを探しているのかな

 

 

 

そうそう

この映画、全くと云っていいほど

説明がないので

 

全ての解釈は観るものに委ねられています

 

観た人の数だけ

解釈がありそう

 

 

 

途中

彼女と暮らしていた家の

何人目かしれない新しい住人

(もしかしたら前の住人かもしれない?)が

 

なにかを残そうとしても

結局は、何億年後かしれないけれども

最後には、宇宙が消滅し、なにもなくなるのだ

という趣旨の話をしていて

 

確かに、限りなくマクロな見方をすれば

そうなのは間違いないとは思うのだけれども

 

そこから

しゅーーーーーっと

キーになる紙片へとミクロ視点になっていく感覚が

私にはあって

 

この伸び縮みの感覚が

印象に残っています

 

その紙片に書かれていた言葉は

画面には映らないので

観るものに委ねられているのですが

 

それによって

執着の糸がプツンと切れた彼は

ボフンと消え去り

 

 

 

なかなか

刻一刻と生きていると

じっくりと考えることのない

生きているということ

 

ゴーストといっしょに

時空を超えて旅をすることで

それ自体に思いを巡らす

不思議な映画体験でした