悲しき熱帯 | マグネシウムのブログ

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レヴィ・ストロースの『悲しき熱帯』上巻を読みました。

うーむ。難しい。文化人類学の古典という評判は知ってました。学術的、論文調ではなく旅行記のような体裁をとっています。
ですが哲学的な考察が随所に散りばめられており、難解な言い回しもしばしば見られる。メタ思考からはおよそかけ離れた実際的な仕事をしているので脳がなまっていますね^^;

何割理解出来たのかわからないけど、古典との評判通り非常に重厚で深みのある本だと思いました。

前半は著者がブラジル奥地へのフィールドワークへ旅立とうと思うに至った経緯や、空間が飛んでインド、パキスタンでの体験談や文明批評に割かれてます。

インドの旅でいろんな衝撃を受けた経験のある僕にとって、ベンガルやカラチの章は深い静謐な感情と共に読めました。

後半からやっとブラジル奥地でのフィールドワークの成果が記述されます。
ある部族の顔にペイントする行為、その没頭ぶりやデザイン様式に関する記述は興味深い。

筆者は西洋文化の知識人である白人。バイアスがかかっていることは否めませんが、同意できることはたくさんあります。
僕はアジア人であると同時に、生まれた時から便利な品物、お手軽な娯楽に囲まれて育ってきた「文明人?」だからです。自然を飼いならし、自然を制御することで物質文明を享受してきたぬるい現代人です。
自然を巧みに利用し、最低限の「モノ」を扱いながら森で暮らすインディオの習慣はやはり奇妙なものと映ってしまいます。

彼らの生活様式や信条を考察する記述を読むにつれ、一体西洋文明とは何なのかが大きな疑問として残りました。

圧倒的な力で世界を席巻した西洋キリスト教文明。読後感としては西洋文明のあの良くも悪くも啓蒙的で、進歩主義的なパワーの源泉が知りたくなりました。

今後はパワーバランスにおける近代西洋文明的なるものの相対的な低下が進むと予想はしているのですが。

文章を追いかけるので精一杯で、中身の理解はお寒いです。要再読のリストに入れないと。

Amazonでは下巻が見つかりません。しばらく休憩です。
今はマックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』に取りかかりました。

お硬い本が続いたので、次は日本の現代小説にしたいです。