こちらは、連載 『 Love Yourself 〜 貴女は本当にかけがえのない、大切なひとだから 』の中の一(いち)記事になります。
こちらの連載の目次につきましては、こちらをご覧くださいませ。
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「そのままでいいんだよ」
わたくしは幼い頃からずーっと長い間生きづらさを抱えながら、ここまでなんとかなんとか生きてまいりました。
小学校高学年からはいつも一体どうやって自分を学校に日々通わせていたのか? と今となっては疑問に思わざるを得ないほど、当時の自分としては「とても過酷な日々」を過ごし。
中学に入ってからはますますその傾向に拍車がかかり、高校・大学はそれなりに楽しい日々を過ごさせていただきましたが、それでも、大学時代の卒業旅行のお宿で、「わたしには何もない……」とみんなの前で延々泣くという。
いつもどこか不安定で、自分の中に大きな闇を抱えているような状態でした。
それが社会人になってからはますます「世間の荒波に揉まれ」、25歳の頃にはひどいうつ状態に陥ってしまい、その後、まる10年間、ずっと心のお医者さまのお世話になることになります。
そんなだったから、20代後半もまさに荒れ狂う大嵐が何度も何度も襲いかかって来たような数年間で、その頃からわたくしはもうそんなに自分は長く生きられないだろう、早く死のう、そんなことばかり考えるようになりました。
当時つらいことがある度に「死ねば楽になれるんだから」っていつも自分に言い聞かせていたのです。
当時のわたくしにも夢はあったし、おひとからご覧になったら、あの数年間もそれなりに楽しく過ごしていたように見えたかもしれないけれど、でも、いつも不安で心もとなく、生きるにあたっての支えが「いつか死ねば楽になれる」、そんな想いでした。
そんなふうだったから、29歳の頃からわたくしの身体の状態は格段に悪くなり、30代前半の5年間、いちばんの願いはずっと「せめて人並みに元気になりたい」でした。
ひどいときは、普通に外を歩くのもままならないくらい、極端に体調が悪かったのです。
今となっては、まぁ、それもサイキックがゆえの……、所謂(いわゆる)「霊媒体質」であるがゆえのことだったと理解出来るのですが、当時は全くそんなことは思いも寄らず。
先が見えない中を必死で手探りで進みながら、ただただ元気になりたい、それだけを願っていました。
でも、やはり心のどこかに「わたしは今回の人間としての人生、よう最後まで生きられないわ」ってな思いがいつもあって。
そんなこんなで30代の前半も非常に不安定極まりなく、いっときはただこの世に存在しているだけのように、自分自身が本当にからっぽになったこともありました。
そんなわたくしを救ってくださったのが、当時ご縁があって一緒にお仕事させていただくことになった、ある上司のかたでした。
当時のわたくしは、まさにぼろぼろ、今まで生きてきていちばんつらい時期を過ごしておりました。
初めて母の前で「お母さん、わたし死にたいんよ」と号泣してから、暫(しばら)くして、まるでうつろな状態だったわたくしは縁あってとある職場にお勤めさせていただくことになったのです。
そこでお出逢いした上司のかたが本当におひととして素晴らしい、とてもとてもあたたかな御方で。
当時、その上司のかたとわたくしはいつも狭く小さなオフィスで二人きりでお仕事をしておりました。
正確に言うなら、いつもそこには様々な方々が出入りなさって、それはそれは賑やかだったのですけれどもね。
そのうち、その上司のかたとご一緒させていただく日が増えてゆくにつれ、わたくしは本当に無邪気にそのかたにいろいろなことをお話しするようになってゆきました。
そんなだったから、上司のかたも、わたくしの生きづらさをよーく理解してくださって。
ことあるごとに、「うちださんはうちださんのままでいいんだよ」と本当にあたたかく肯定し続けてくださったのです。
(※「うちだ」はわたくしの本名です)
幼い頃からいつも大変厳しい環境におりましたわたくしにとりまして、そんなふうにおっしゃってくださるかたは、ほぼ皆無でした。
唯一、本当に幼い頃からご縁をいただいていたあるお友達がおひとりだけ、どんなに他のお友達からわたくしがからかわれようと、いつも真っ当に接してくださって。
まさにわたくしの尊厳をとても大事にしてくださって、いつも肯定的な言葉を投げかけてくださいました。
でも、彼女以外にそんなふうにおっしゃってくださるかたは、それまでの人生、誰一人としておられませんでした。
いえ、本当はそれまでにもそうした稀有なかたにお出逢いしていたのかもしれません。
でも、わたくしにはそれに気づけるだけの余裕もなく。
いつもひどい劣等感と、こんな自分じゃ到底この人間社会で生きてゆけない……という、小学校に上がったくらいからずーっと延々抱き続けてきた、この世に対する違和感を雪だるま式にどんどん大きくしていって、それにもう押し潰されそうになっておりました。
そんなだったから、母に「もう死にたい」などと言ったのだと思います。
けれど、本当に本当にありがたいことに、いつも折に触れ、その上司のかたがわたくしのことを肯定してくださったから、そして、ひとりのおひととして、本当にあたたかな真心を持ってわたくしに相対してくださったから、人生最大の危機を経て、限りなく力を失っていたわたくしが、少しずつ、少しずつ……元気になってゆきました。
そして、その職場を去る頃には、「死にたい」という気持ちは消え、「今回の人生、ちゃんと最後まで立派に生き切ろう」、そう心の底から思えるようになっておりました。
あれほど「ただ普通に、この世で、平々凡々なひとりの人間として生きること」に強烈な苦手意識を持ち、こんな自分はとてもじゃないが、この世の生を全うできない……と思い続けてきたわたくしが、この上司のかたとの、大変幸運な出逢いによって、初めて本当の意味で生きる力を得ることが出来たのです。
それは本当に本当に素晴らしい、まさに天からの御恵みでございました。
人生最大の危機のあとに、こんなにも幸運な出逢いが待っていただなんて。
当時、お盆明けの暑い日に、あの小さなオフィスでその上司のかたに初めてお出逢いしたときのわたくしは、全く想像だにしなかったことでした。
でも、間違いなく、わたくしはこの上司のかたとの出逢いがあったから、今の自分があるのです。
その後もこの上司のかたはわたくしの夢を応援してくださり、あんなに遠いアメリカにだって、どんどん行ったらいい、とおっしゃってもくださいました。
(当時、そんなことをおっしゃってくださるかたは、まずいらっしゃらなかったから)
大変ありがたいことに、おかげさまで、今もその上司のかたとはご縁をいただいております。
そして、時々お逢いしては、近況報告をさせていただいております。
本当に本当にありがたいことでございます。
ですから、どうか、この記事を読んでくださる貴女さまも、まずはご自身に「貴女はそのままでいいんだよ」とおっしゃってあげていただきたく、わたくしは思うのです。
これは、何も、自分をよりよくするための努力をしない、ということではありません。
ただ、ひとつの命として、この世に存在している、ただそれだけで、貴女は本当に素晴らしい存在なのだよ、ということ、それが「そのままでいいんだよ」の本当の、正しい意味だとわたくしは思います。
最後にひとつ付け加えさせていただけるとしたら、その上司のかたは、対ひとりの人間としてのわたくしにはとてもあたたかく真っ当に接してくださいましたが、お仕事のことではお叱りを受けることもあり、そうしたときは大変厳しく接してくださったこともありました。
でも、わたくしはこのかたに家族以上の深い信頼を寄せておりましたので、そんなふうにお叱りを受けても、めげることなく、ちゃんとそれこそ真っ当な自分で居られたのです。
ですから、決して甘やかされていた部下だったというわけではないことは、どうかご理解くださいませね。
とにかく、わたくしにとりまして、この上司のかたと、前述のふるいお友達は、わたくしにとっての命の恩人だといつも心から思っております。
そして、その御恩は一生かかっても返せない、とも。
今のわたくしに出来るのはいただいた御恩に報いることが出来るよう、自分の人生をしっかりと生きることだけです。
そして、救っていただいたこの命をちゃんと立派に使って、少しでもこの世に広く貢献出来る人財になること。
それこそが本当の意味での御恩返しだと心から思っております。
どうか、貴女さまも、どんなにご自分を不甲斐なく思えるようなことがあったとしても、それでも、この世に生まれてきたご自分のお命をどうか肯定してあげてくださいませね。
これまでの人生がどんなふうだったにせよ、この世にいらした、貴女のお命そのものは、貴女という御方の御存在は、本当にかけがえのない、尊く、素晴らしいものなのですから。
それだけはどうか忘れずにいらしてくださいませね。
そして、そんなことを背景にお心にとめていただきつつ、ご自身はただそこに存在しているだけで尊い、貴女はそのままでいいんだよ、そんなふうに優しくご自身に語りかけてあげてくださいませ。
そうした優しい、愛ある語りかけがどれほど生きる支えとなることか。
それはおひとの何倍も、この世でただ普通に生きることに難儀してきたわたくしだからこそ、言えることだと思います。
どうかたったおひとりしかいらっしゃらないご自分を無条件に愛してあげてくださいませね。
肯定してあげてくださいませね。
貴女には充分すぎるほどに、それだけの価値がおありなのですから。
God bless you!
こちらはその上司のかたから、この夏お送りいただいた琵琶湖の写真。
とっても綺麗でしょう?
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