ジャンヌ・モロー&出演作を振り返る | la petite chambre

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今日から7月、2018年の折り返し星

7月のカレンダーは「天使の入江」のジャッキー役のジャンヌ・モローありがちなキラキラ

 

ジャンヌが亡くなったのが昨年の7月末で、もうすぐ1周忌。

意識的に7月のカレンダーに選んだわけではないけど、彼女のことを

思い出す良いタイミングとなり、せっかくなので彼女の出演作について

少し振り返りたいと思います。

 

数多な悪女を演じたジャンヌが、ジャック・ドゥミの「天使の入江」で

扮したジャッキーも艶っぽく、ファッションも素敵。

シックなスタイリングにうっとりし、この大判花柄のタイトなドレスも

印象的なファッションのひとつ。

ビビッドカラーでガーリー色が特徴的なジャック・ドゥミ映画ですが、

デビュー作「ローラ」や本作など初期のモノクロ映画は大人っぽく、

艶っぽい魅力があります。

ストーリーや関連作品など、以前のブログにアップしております→

 

フランス人女優が煙草を吸うポーズはサマになり、ジャンヌの咥え煙草や

手に挟むなど格好良いポーズが多いのですが、昔ながらの受話器を耳に

当てるシーンも好きで、「恋人たち」の電話シーンが絵になります。

この角度のポーズが絵的に美しいからか、「死刑台のエレベーター」でも

似た構図があり、共に当時パートナーだったルイ・マルの作品です。

 

 

どちらも裕福な人妻の不倫話だけど、それぞれアプローチが異なっていて、

「死刑台のエレベーター」は名作のクライムサスペンス・ラブストーリー、

「恋人たち」は同じ不倫劇でも、一見主要人物から遠そうな存在の登場が

意外な展開に向かわせる面白さがあります。

後者のジャンヌは、不倫に興じる気まぐれマダムで感情移入出来る存在では

ないけれど、終盤の深夜のランデヴーシーンが印象的で、恋する乙女になった

彼女は可愛くて、モナムールと愛の言葉を連呼するのが艶っぽい。

静かな夜更けの散歩がロマンティックで、しっとりしたモノクロ映像美にも

引き込まれます。

 


男を弄ぶ奔放なファム・ファタルのイメージが強いジャンヌですが、

60年代のオムニバス映画「愛すべき女・女(め・め)たち」では、

いつもの強気な悪女とはひと味違って新鮮。

太古から現代・未来の時代の「娼婦」をテーマにしたコメディで、

ジャンヌ&ジャン=クロード・ブリアリ主演の「マドモアゼル・ミミ」は、

ジャンヌが中世パリの娼婦の悪女っぷりを見せつけつつ、ジャン=

クロード演じる怪しげな男がかます一枚上手な掛け合いがコミカル。

 

各ストーリー・タイトルのフォントが異なっているのも可愛いし、

リボンも帽子のサイズも巨大でデコラティブな中世ファッションもキュートハート.*

バラや刺繍文字「Dites merci (ありがとうと言ってね!)」のメッセージが

お茶目でラブリーなガーターベルト薔薇(ピンク)

 

他のエピソードも面白く、それぞれの時代の娼婦ファッションが魅力的な

オムニバス作品です。こちらの作品についても以前のブログで書いたので、

こちらもご参考下さい→