「太陽が知っている」とシネマファッション | la petite chambre

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9月に入り、夏も終わりに近付いて少しタイミングが遅くなりましたが、

バカンス映画「太陽が知っている」の感想メモと少しファッションを。

 

1969年のフランス映画。

主演はアラン・ドロン&ロミー・シュナイダー、助演にロミーの元恋人に

モーリス・ロネ、その娘にジェーン・バーキン。

華やかなキャストで南仏のリゾートを舞台にしたサスペンス・スリラー。

かつて実生活で付き合っていたドロンとロミーが恋人同士を演じ

(リアルに恋人だった時代の作品は未見だけど)破局後の共演ながら

自然体の熱々ぶりを演じている。

 

ドロン自身はカッコいいけど陰気でコンプレックスの強い男のキャラで、

社交的で陽気なロネと対照的で、2人が共演した「太陽がいっぱい」の

関係性に近い。
あの映画にあやかった邦題で(他にも
ドロン主演作・アントニオーニ

監督作品の邦題「太陽はひとりぼっち」など「太陽〜」に頼り過ぎ)

内容的にも近いものがあるし、日本語タイトルは違うものにした方が

良かったのではないかと。

原題「la piscine」(プール)は、序盤から物語の核心部分でもキー

モチーフとして登場するので、原題に近いものにすれば良かったのに。

オゾンの「スイミング・プール(swimming pool)」も同じくプールが

関わるサスペンスミステリーだけど、内容的には全然異なるし、

ミステリーが得意なオゾン作品の方が面白くて好み。

 

過去にロミー・シュナイダーの出演作を見た時、あまり好みのタイプ

ではなくて、欧米人にしてはフラットな地味顔で美人女優と思ったり

魅力を感じることがなかったのだけど、今作を見て初めて上品な大人の

色気と落ち着いた演技で女優として魅力を感じた。

(私生活は色々と波乱に満ちて荒れてたみたいだけど…)

 

フランス進出したばかりで駆け出しのジェーン・バーキンの拙さの

ある演技で(やたら手をクロスして肩に回すポーズが多い気がした。

今作以外でもよく見掛けるジェーンのスチール写真でこのポーズが

多いのでクセというか決めポーズなのかな…ちなみに今作はセルジュ

と出会った記念すべき映画「スローガン」と同じ69年公開)

若さと危うさのある少女的な魅力。

キャリアも長くかなり年上のロミーはスマートな大人のレディで、

それぞれの魅力がある。

ジェーンはイギリス出身、ロミーはオーストリア出身で(フランス以前

の活動の場はドイツ)どちらも今ではフランス映画の代表的な女優と

して知られ(アンナ・カリーナもデンマーク出身だし)フランス映画界

も近隣国からの異国民が多いなと思う。

 

演技についてはさておき、十代のアンニュイな娘を演じたジェーンは

初々しく可愛くて、ファッションもフレッシュでキュート。

序盤に着ていた黒のギンガムチェックのファッションが可愛くて、

2枚のドローイングを描きました。

 

ローウェストのミニワンピースでプールサイドを裸足でフワフワ歩く

儚げな姿が妖精みたい。

今作以外もいつもパンツ見えそうなギリギリミニで、より脚長に見える。

ギンガムチェックのミニのラップスカートに、襟付きシャツを着て、

大きな丸いサングラスを合わせ、ここでも手元には愛用の私物のパニエ。


ワンピの後ろボタンが可愛い。

 

ビキニなど若さ弾ける白い水着もキュート♡

 

対照的に色鮮やかで大人っぽいパーティー用ロングドレスのロミー。

背中がパックリ開いててセクシー。


 

スカーフ巻きのジェーン&サングラスのロミーとドロン、ワケあってシックな装い。

このジェーン、眩しそうな目とつり上がった眉、尖り口がテイラー・スウィフトっぽい。

もっともテイラーが60s好きらしいので彼女が寄せてるんだろうけど。

 

ロミーの大人ファッションは写真がうまく撮れなかったので、

また別の機会にイラストで描きまとめたいと思います。