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この後書きは、A面とB面の二段階仕立てになっています。
まず、A面は「戦」の字には“読み”と“意味”の違いが複数あるという話です。
戰の字の右側は、先端に刃が付いた武器の「戈(ほこ)」の形です。
左側の字は、先端部が両股になっていて弾丸を飛ばす「弾(はじ)き弓」か、
あるいは「ハエたたき」や「扇子のようなもの」だという説があります。※
共通点が“薄くて平たい”なら、地をはらって平らにするという意になります。
あるいは扇子はバタバタあおぐので、“振動する”という解釈もあるそうです。
そうなら、
1) 刃と刃が触れ合って振動するのが「戦う=たたかう」で、
2) 恐ろしくて手や足が振動するのが「戦く=おののく」で、
3) 木の葉が風で静かに振動するのが「戦ぐ=そよぐ」と覚えられます。
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B面は、この三つの型を人の“生き方”に適用させました。
つまり人生で困難に遭ったときにどう対処するかという話です。
1)「たたかう」型なら、相手をやっつけて問題を解決しようと強く対応します。
2)「おののく」型なら、これ以上やられたら怖ろしいと萎縮して逃げ回ります。
3)「そよぐ」型ならば、起きた事は受け入れて感情を乱さず柔軟に対応します。
野生の動物は、大雑把に言えば、生まれつき、この3つの型になっていませんか。
しかしシェークスピアは「人生は選択の連続である」と言っています。
人間は、毎瞬毎瞬、こうしようか、ああしようか、と絶えず考えているはずです。
中には、刹那的また自動的に、自分の欲望だけに従っている人もいるでしょう。
でも大抵は、信念や良心などの知性を働かせ、世間的常識や先人の知恵も考慮し、
自分の経験や好みや感情とも相談して、次の行動を選択しているはずです。
この自由意思による選択こそが“人生の醍醐味”だと思うのですが、どうでしょう。
そうでないなら、近未来に登場する超AIロボットに戦き、従うだけになります。
補足―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
世界的ベストセラー『サピエンス全史』の著者ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、続編『ホモ・デウス』
下巻104-107ページで「人には自由意思というものはない」と主張しています。すなわち「人は欲望
を感じ、それに従って行動するに過ぎない。ある人が何かをするのは、脳内の電気化学的プロセスの
のせいであり、それは特定の遺伝的素質によって決まり、その素質自体は太古の進化圧と偶然の変異
の組み合わせを反映している」と進化論をベースに説明しています。その証拠に、被験者が自分の意
思を両手でスイッチを押して示す脳スキャナーの実験では「その人の決定を示す脳内の活動は、本人
がこの選択を自覚する数百ミリ秒から数秒前に始まっている」と述べています。しかし本人がスイッ
チを押そうと脳内で思って、実際に手で押すまでには、数百ミリ秒から数秒の遅延があるはずではな
いでしょうか。この記事は、ハラリ氏の主張に触発され、とりあえず軽いジャブとして書いています。
※『kanjicafe』日本漢字能力検定協会https://www.kanjicafe.jp/detail/7053.html
※『漢字/漢和/語源辞典』https://okjiten.jp/kanji701.html
※写真はフリー画像サイト『pizabay』から借用しました。
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