プロレスに例えるのもどうかと思うけど、エンタテイメントはヒールが強くないと盛り上がらないよなぁ、と確信しました。白とか黒とか、もうドーデモいい。桃井かおりの演じた女にイライラしつつ、結果的に引きつけられて最後まで観てしまいました。スゴい。
サスペンス的には終盤まで真相がわからなくて盛り上がりました。「転」の部分に子供の供述をもってくるのも同情をさそうニクい演出です。
岩下志麻の演じた女は桃井の対をなす存在として描かれているけれど、終盤では少し負け側に転んでいる気がします。「自分の好きなように生きていく」と言った桃井は強く(憎らしく強欲に)それを通していくが、岩下は同じことを言いながら娘と会えなくなるでしょ。おまけに前夫は優柔不断だし(仲谷昇が演じた夫もそうだ。そうか、そうなんだ)。
あの面会は彼女が言ったように自分で勝ち取った離婚時の約束事。しかし真野響子は女の情という岩下が持っていないカードで押し切ってくる。結局(昔の価値的な)女の幸せにもイロイロな形があるけれど、スマートに生きる岩下は失うばかりで幸せそうではないものね。だからといって強欲な桃井とかドロくさい真野とかの幸せも……ねぇ、と考えてしまうのです(しかし、あの前夫はナイよね。ウジウジしちゃってサ)。
それにしてもすべての男の俳優がイイですね。そろってイイ加減にスケール小さい男なんですよ。柄本明なんかハイエナみたいだし、鹿賀丈史はチンピラだし、小沢栄太郎はシドロモドロだし。三木のり平も調子いいし。でも、こういう男たちが出てるから最後までテンション落ちないで観続けられるんじゃないかな。
