小松基地航空祭へ行くというのは今まで一度も訪れたことのない石川県へ行くことになるわけで、少しうれしかった。

 JR小松駅周辺だけをウロウロして石川県のすべてがわかったわけではないが、旨い居酒屋とカレーの店があってなかなか素敵だ。大きな商店街があって、8割くらいの店はシャッターが下りているが、洋装店や薬屋などが昔のたたずまいで細々と営業しているのを見るとナカナカ香ばしい感じ。駅前なのに夜(19時くらい)やってるコンビニが無いのには困ったけど。

 毎回、航空祭で楽しみにしてるのが格納庫で行われる動態展示。小松基地だからF15Jのが観れてうれしかった。主翼にある補助翼(エルロンとフラップ)、垂直尾翼にあるラダー、水平尾翼全体を動かすスタビレーター、胴体上面にあるスピードブレーキ、空中給油用の補給口などを動かしたり開閉したりしてくれた。ジャッキアップして行う着陸用の脚の出し入れは今回は無し。あ、キャノピーの開閉もあった。機体各部の動きを直接近くで観る機会はこのときだけなので貴重だ。

今まで見てきた動態展示は若い男性隊員がコクピットで操作していたが、今回は志田こはく似の女性整備員がコクピットに座る。いいね。


今回の収穫その1。イーグルのエンジンは石川島播磨重工がライセンス生産しているターボファンエンジン。そのメンテナンスをしている整備員から話が聞けた。こういうのが航空祭の楽しいところ。機体前方の空気取り入れ口から入ってきた空気がタービン内で圧縮されて後方で点火、燃焼するという理屈は知っているが、タービン内の細かい羽がどんな形と大きさでどうやって圧力を上げているかは漠然としていた。今回、交換したブレードを見ながら説明を受けて少しイメージできるようになった。


我々がよく知るエンジンまわりの情報といえばDVDや YouTubeなどで列線整備員が行う飛行前点検の様子。小柄な整備員がインテイクの中に靴を脱いで入って、手でタービンブレードを回しながら変形やクラックが入っていないか目視確認するアレだ。もちろんブレードは1層だけではなく後方へ行くにつれて多層的な構造になる。列線整備員はその2層目までを点検しているとのこと。なるほど。そしてエンジンを機体から下ろして整備するヒトは内視鏡を使って3層目を点検するのだそうだ。ちなみにタービンブレードというのは扇風機の羽のように一体成形されているのではなく、1枚1枚個別の羽として交換可能になっている。だから1枚ずつ丁寧に点検するんだね。羽の形は前方ほど大きくて後方へ行くほど小さくなる。そんで先端はカミソリみたいに鋭い。


303飛行隊の特別塗装機。ウォータードラゴンって永野 護かよ。


コクピット展示は「座らせろ」とまでは言わないが、せめてパイロットが近くにいて質問に答えてほしかった。キャノピーも開けてなかったので少し残念。


今回の収穫その2。20mm弾にはいくつかの種類があり、弾頭が金属の塊で当たるとダメージが加わる実弾タイプ、そして発光するだけでダメージが加わらない信号弾タイプという2系統に分けられることもはじめて知った。ちなみにキャプティブ弾という練習弾は前者で、曳光弾というのは後者とのこと。


イーグルだけでなく多くの戦闘機に採用されているM61機関砲。F15Jの場合、右主翼の付け根あたりに装備されている。




それはそうと、50代後半になったら0泊2日という旅行はやめといた方が良いとあらためて思った。もう若くはないのね。


古いタイプのヘルメットとマスク。個人的にはシールドカバーの無い現行タイプよりカッコいいと思う。