コンビニに陳列してあるたばこの棚が、近頃妙に明るくファッショナブルで、「何でかなぁ?」などと考えた。
たばこの害というものが散々言われていて、なかなかやめられない人たちは肩身の狭い思いをしていると思う。僕なんかは自営の身だから、親から時折思い出したように非難される程度で済んでいて、まだましな方だろう。実際、喫煙者の総数はここ10年くらいでわずかずつ減っているはずで、これはまぁ当然のことだと思う。何年か前に新聞で見たが、確か男性の喫煙率は下がっていて、しかし逆に女性の方は上がっているとか。これは、男女雇用機会均等法が浸透して責任のある職に就く女性の増加に伴い、職業における女性のストレスが増しているというのが背景にあると見た。それだけではないだろうと思うが。それに、中高年以上の年配者では健康ブームの影響もあってたばこをやめる人もいるのに、むしろ若年者の喫煙者が増えているらしい。従って、喫煙者が減っていると思われがちだが総数ではそれほどでもないとかで、吸う人は開き直って?がんがん吸っているという状態なのかもしれない。そうは言っても、今後はやっぱり徐々に減ってはいくんだろうなと、そのようには思う。
たばこには様々な規制がある。例えばテレビコマーシャル。夜の10時だったかな?定かでないが、それ以降の時間にならないとCMは流せなくって、しかしそれも何年か前に完全にダメになったんではないだろうか。近頃は全くたばこのCMを見ないから、たぶん今はダメなんだと思う。また、流せている時代にも、その広告を流してよい期間が定められていた。で、メーカーはどういう事をするかというと、「ロングが出ました」と言ってCMを流し、「パッケージが新しくなりました」と言っては“新製品でござる”とCMを流す。そうして人々になるだけ新味を打ち出して販売にこれ努めていたわけだ。
中身はちっとも変わらないのに、CMを流す為だけにそんな事をして果たしてメリットがあるのか?実はある。今はコンビニで販売される比率がかなり高いと思うが、タバコという商品は、昔は販売機で売れていたものだ。そのもっと前になると、かどのタバコ屋の看板娘が存在していて対面販売が当たり前だった事になる。タバコという商品を、商店がいくらで仕入れているのか?実は、9個の値段で10個を仕入れている。従って、仕入れたタバコの10個目が売れない限りそのお店に利益はない。だから、ちゃんと客のついていない銘柄は置きたくないのだ。忘れた頃に1個売れるような銘柄では、利益なんぞ出ないのだ。そうして、近所同士の付き合いが濃密だったそういう時代は、世間話をしながら、カートンで買ってくれる客が一番嬉しかったのだ。・・・販売機の話だった。販売機は、メーカーがリースで置いているものと商店主が購入して置いているものの大きく分けて二つがある。前者は、メーカーが定期的に掃除してくれたり新製品のシールを貼ってくれたりという、経費もそれほどかからないメリットがある。老朽化すれば新しいのに交換してもくれる。しかしデメリットもある。販売機に入れられる銘柄(置ける商品)の数をコラムというが、たとえば16コラムの販売機の場合、半分の8コラム程度から16コラムまで幅はあるものの、そのメーカーの銘柄で縛られるのだ。メーカーさんの手先になるという事。喫煙者の微減傾向に伴ってタバコ販売にうまみがなくなり、店主のやる気が萎えてそれはだんだん増えていき、終いには全部そのメーカーで埋まってしまう傾向も高くなった。メーカーさんはそれをどう埋めるのか?ここでやっと出てきた。ロングや、ちょっとデザインの違う丸いのや、ソフトタイプやボックスタイプ、そういう中身は同じタバコをずらりと並べるわけだ。で、販売機そのもののデザインは自分のとこの代表的な銘柄のロゴ(ラークとかラッキーストライク)をででんと載せる。つまり広告看板代わりに使うという事だ。最近はほとんどこの手だ。店主が買い取って置いている販売機はどうか?これは、店主が自由に何を入れて売ってもいい。どの銘柄が売れるのか?店主の腕の見せ所となる。しかし、こういう店は少なくなっている。だって売れないからだ。それに、自分で何十万も出して買ったものの、掃除をしたりシールやステッカーを貼ったりの作業は結構しんどい。タバコ屋の店主に広告センスを求めるのは酷だが、客から見て、魅力的な販売機にはあまりならない。喫煙者が多い時代は通用したんだがね。
ところで、JTの販売機があったらマイルドセブンを探してみるといい。おそらく、コインを投入する口に最も近い場所にそれはある。一番売れている銘柄をコイン投入口の傍に置くのが鉄則なのだ。あ、それと、JTが扱っているマルボロというタバコ。これはフィリップモリス(PM)の製品だ。何故そのPM製のマルボロをJTが販売しているのか?輸入タバコが一斉に店頭に並ぶようになったのは何年だったかな?つまり、外国から日本への参入がなった時に、JTが要求したものなのだ。「一番売れてる銘柄をよこせ」と。「日本への参入を許す代わりに俺にもうまみをくれよ」と、そういう取引でマルボロはJTが扱っている。確かそのはず。
え~と、タバコメーカーさんが何を考えているのか?全体的に喫煙者が減る中で、若年層には一定の割合で喫煙者が存在する。夜回り先生も苦労している。で、健康ブームも結構あるからあまり大っぴらにはタバコの宣伝も難しい。色々と規制もある。次の手は?と考えて、タバコをファッションの一部としてそこに特化して売っているんではなかろうか?コンビニでの売上げが増えている事を逆手にとった戦略と思われます。
今日の文章、今のだけでよかったですな。
