麻原彰光の死刑が確定しました。誰も疑わない当然の経過で、あれから11年もの歳月を費やした事にはむしろ時間がかかり過ぎると考える人も多いでしょう。また司法の専門家の見方としては、最高裁まで辿り着かないまま一審での死刑判決確定に疑義を唱える方もあるようです。
あるおばちゃんが言います。「なんでさっさと死刑にしないの?」
もっともな意見です。しかし、あれほどまでの犯罪行為をやらかした集団だからこそ、二度とそれを繰り返さない為に徹底的に解き明かされなければならない。
これは僕の空想に過ぎませんし、おそらく物語に近いものかも知れませんが、ちょっと書いてみます。
検察がはっきりさせたかったのは、教団が行なった全ての違法行為は「麻原の指示だった」という一点ではないかと。本人が「違う」と言い張っても「やはりそうであると断じるだけの」結論を導きたかったと。ここは普通に考えて当たり前に見えますが、僕の考えにはもうひとつ裏があります。つまり、「実は麻原の裏で糸を引いていた黒幕の存在さえなかった」という確証が欲しいと。麻原は事件に関しては何ひとつ語りませんでした。検察が恐れていたのは、「俺は○○に命令されてやったんだ」という趣旨の証言です。もしそんな事を彼が言い出せば、麻原裁判がひっくり返りかねないのです。突飛かもしれないけども、あり得ないとは言い切れない。
なんでそんな事を考えるかというと、オウム真理教が死んでないからです。未だに活動を続けて、驚くべき事に信者だって存在するのです。これは実際、よく考えると恐ろしい事のはずです。裏で糸を引くもの(仮に首領とでもしよう)の存在を隠したくて麻原は訴訟能力がないフリをしていると考えると、何やら戦慄さえ覚えます。そうして、それが現在懸命に係争中である未決囚であるとするなら、まだまだオウムは終わらない。
「何をばかな!?麻原の裏に首領なんていない!」とするなら、また別の角度から懸念が沸き起こります。
例えばスポーツ界で大記録が打ち立てられ、その人が引退したとします。まさに前人未到の記録で、その記録を更新する事など誰にもできないと思われます。そういうのを伝説と言うのではないかと。麻原はいわば伝説を作ったと言えます。ダークサイドにおけるヒーローなわけです。麻原の死刑が確定するまでは、法的には未決囚です。社会に出てくる可能性もわずかながらあります。あくまでも仮定の話ですから。するとオウムは再び息を吹き返す。しかし死刑が確定した。執行はまだですが、事実上麻原は死んだと同じです。
であるなら、オウムは今後、何を拠り所にして活動を続けるのか?ここで伝説を引き継ぐもの(人物)が必要とされます。伝説を引き継ぐ、或いは新たな伝説を作る(記録を更新する)人物です。ご承知のように、既に上祐代表がおります。また、反上祐派と呼ばれる、上祐に対立するグループが存在しています。反上祐派のリーダーがどのような人物なのかは知りません。しかし、あれから11年が経過していますから、麻原に育てられたと(上祐本人が)言う如く、上祐に育てられた別の人物が台頭していても何ら不思議はない。
麻原の死刑が確定した事で、第二第三のネオリーダーが動き出しやしないかと懸念しているのですよ。表面的には「違法行為を行なったオウムとは違う」と主張して、名前も「アーレフ」と変えて活動している彼らですが、明らかにオウムを継ぐ者たちです。麻原が伝説になった事で、この死刑確定を契機として、地下に潜る彼らの動きに拍車がかかりはしないかと危惧します。
この間、NHKで?ちらとやっていました。「麻原の教義は素晴らしいもので、決して間違ったものではないと信じている」などと言っていました。確かにその遺伝子は生きておるのです。
そんなような考えに基づくと、麻原は老衰で死ぬまで未決囚であった方がよかったとも言えそうな気が、僕には致します。
オウムによって、確か27人の命が奪われたという事です。その何倍もの被害者が存在し、今も尚その後遺症によって苦しむ大勢の人たちがいます。なんと言っていいか、言葉が見つかりませんが・・・その方々にとっては、せめてもの・・・何がしかのいい報せである事には違いないでしょう。

