やや危なっかしいタイトルだがいかがわしいものではない。主たるテーマは音楽。
無名のアーティストや歌手に出会って「む?これはいいんではないか?」などと感じ入り、人気があるなしに関わらず自分が支持していてそれを支持しつづけていた結果じわじわとファンを獲得してついに・・・ブレイクを果たすというようなケースが時々ある。
そんな時に思うのはたいがい
「ふっ。俺が育てたのさ」というおごり。
だがそれは単なる妄想であってとんでもない勘違いだ。
才能のあるアーティストであれば放っておいてもブレイクするものだし、一人で10万枚かのCDを購入したのであれば話は別だが己が楽しむためだけに1枚買っただけの極めてオーソドックスないちファンの力などたかが知れている。もちろんそのようなファンの、ひとりひとりの小さな力が結集されて埋もれていた才能を世に知らしめるのもまた事実ではあるが。
残念ながら、結果としてブレイクするまでには至らなかったケースもあるが、己が勝手に支持していたアーティストを気ままに紹介するシリーズをやってみる。
まずはジュディ&マリー。
残念な事に解散してしまったこのグループは、ロリータボイスのユキを中心に据えたポップバンド。いっちゃん最初に聴いたのは、確かシングル二枚目の「BLUE TEARS」もしくは三枚目の「DAY DREAM」だと思う。
「蜃気楼の真ん中でいつか汗ばむ身体を包んで、熱い風がひとりきりのアタシをおいてく」
というフレーズがずずんと胸に残り、「これはぁ~!!!」と感じたのだ。情けないことに、この歌詞を持つ曲が上記のどちらかがわからないのだ。次の「ORANGE SUNSHINE」でない事は確か。
おぼろげな記憶だが、それはテレビの新人歌手のコーナーだった、気がする。番組は忘れたが、司会者が何かを振るでなく、もちろん「ヘイ!ヘイ!ヘイ!」みたいに壇上に一緒に登場して自己紹介をしたり頭をはたかれたりもしない。CM明けに唐突に画面に現れ、曲のタイトルとバンド名がテロップで簡単に示され、いきなり始まる。演奏が終わるとそれでしまい。二度と番組内には出てこなかった。
だが、俺はしばらく動けなかった。
どことなくダークな雰囲気を漂わせ、間違いなくパンクの匂いを伴う一種妖しげとも言えるロック。しかし、ボーカルのユキはそのハイトーンな声と、それでいて足元の確かさを感じさせる低音部の丁寧さで「その実力」を示した。顔つきはまさにロリータなのに、小さな身体全体を使うパフォーマンスに震えた。荒削りではあるが、こいつらは伸びる。そう感じた。哀愁を帯びたメロディに堅実なバンドプレイがマッチして、完成度の高さをうかがわせた。
早速彼らのファーストアルバム「JAM」を手に入れて勝手に楽しんでいたが、そのうちタイアップ曲がいくつかあることに気づき、やがて二作目のアルバム「ORANGE SUNSHINE」が発売される。そうして、このアルバムを契機にジュディマリはぐんぐんと伸びていくのだ。4作目のアルバムが発売される頃には、もうとっくに彼らは全国区になっていた。俺が聴こうが聴くまいがおかまいなし(当たり前だ)だ。
このバンドの成り立ちや解散までの経緯はこちらにある。
1992年の結成から2002年3月の東京ドームライブまで約10年間。だが、実質は2000年に活動を再開する前までの、つまり活動休止までの期間が順調な活動期間と言えるだろう。パンクロックをやっていた恩田快人がリーダーだったのが、売れるにつれていつしかユキのバンドに変わって行き、メンバー内にも不協和音が出始めたのだと考えられる。
惜しい事だ。
「今アツイキセキがぁ~この胸に吹いたらぁ~」
この「クラシック
」を聴くと今でもなんでか泣ける。上記アルバムに封入。

