M.A. Q10

 あなた、遠慮や労わりってものがないの?もう少し言葉を選んだ方がいいわよ。私はまだ温厚だから大丈夫だけど、殺され兼ねないわよ。

 (SIGHS)いいわよ。答えてあげるわ。これは一種のビジネスですものね。

 彼女は感じていたわ。「心では嫌がっても、体は正直だな」って言うでしょ。あれって本当のことよ。誰だって感じるわよ、セックスすれば。それがどんな状況下で営まれたとしても。あなただってきっと感じるわ。ブス女に無理矢理やられても感じるわよ。どう?これで満足?

 M.A.  Q11

 私ね、男たちの目的は彼女の流産だったって確信しているの。ヒロシが仕向けたことよ。「結婚しよう」って言った時は、多少はその気があったのかもしれないわ。でもね、彼は若くして人生の墓場に入るような男ではなかったのよ。一晩考えたのは彼の方ね。「俺はまだまだ遊びたい。あんな馬鹿アマの為に俺様の人生を棒に振って堪るか。あんな女死ねばいいんだよ。でも、殺すわけには...。せめてあいつが勝手に作った子供を...」彼が考えたシナリオ、幼稚で陳腐で吐き気さえするわ。(SNEERS)「やっぱ、結婚ヤメ」って一言口に出せば良かったのにね。本当に馬鹿な男。

 「彼にはあなた以外にも女がいるわ。伝えようと思っていたんだけど、あなたがあまりにも幸せそうだったから...」病院に見舞いにきたひろ子の友人が、恩着せがましく私にそう告げたの。男に免疫のない初心な女が、一人でその気になっていたのよ。信用してはいけない薔薇色の結婚生活。生まれてくる子供との未知の暮らし。新築のフローリングマンション。旦那に尽くす至福の時。白のテーブルクロス、白のシーツ、白のカーテン。暗い夢見がちブスたちの間で流行ってる、少女漫画的恋愛症候群にでも罹っていたのかしら。(DERIDES)

 M.A.  Q12

 分からないわ、何故彼女が突然そんなことを言い出したのか。もしかしたら、彼女も私と同じように思っていたのかもしれないわね。それか、ただのお節介。きっと後者の方ね。だって彼女、帰り際にこう言ったのよ。「人生はいつだってやり直しがきくわ。私にできることがあったら何でも言ってね」そんな青臭いことを言う奴に、ヒロシの屈折した打算を見抜けるはずはないものね。

 (SIGHS)人生にやり直しなんてきかないわ。

 ひろ子が含んでいた男のモノが排出されると、彼女の腹に生命の液体が飛び散ったわ。点々と小さな滴が彼女の腹部に付着したわ。

 仕事を成し遂げたドラえもんは、ドナルドダックと持ち場を交代。彼は明確な短小包茎だったわよ。(SNEERS)でも、精液は暫く放出され続けたの。ひろ子の腹に溜まった白濁色の液体は、半透明に変色しつつ彼女の脇腹を伝い、白い背中まで汚していたわ。

 続いてアンパンマンの出番。良い子の味方がひろ子を犯したのよ。(CACKLES)笑っちゃうでしょ?(INHALES)彼は日本人ではなかったわ。白人の体だったもの、あれは。柔らかな陰毛、染みだらけの上半身、最初の二人に比べればかなり立派な割礼ペニス、無駄に大きな喘ぎ声。かなりの体臭だったわよ。

 ひろ子の白く瑞々しい肌、それと対照的な黒で塗装されたボンネットは、三匹のオス豚どもが発射した粘りを帯びた液体でビチョビチョになっていたわ。

 (CLEARS HER THROAT)孫悟空の足元には煙草の吸殻が散らばっていたわ。そして、吸っていた煙草を黒光りした革靴の底で踏む潰すと、ゆっくりと彼女に歩み寄ったの。彼が近づくに連れて、気温が急激に下がっていくような気がしたわ。それほど長身でもないのに、すごく大きく見えたの。彼が自分のモノを取り出すと、より一層威圧感が増したわ。彼の黒ずんだペニス、缶ビール並みの太さで、30センチの物差しでは計れないほどのモンスターディックだったの。独立した生き物のようだったわ。老人の手の甲のように血管が浮き上がって躍動的だった。ひろ子は苦痛に顔を歪めながら、三人の野獣が見物する中、それを挿入されたのよ。巨根男は腰をゆっくり前後に動かしながら、彼女の腹に残っていた精液を手のひらで伸ばしていたわ。そんな最中、孫悟空の背後を一台の乗用車が通っていった。通過していった。まるで、そこで起きていた惨事から目を背けるように。助けも来なかった。110番もしてくれなかったのよ。(SNEERS)ひろ子は凡そ20分間、孫悟空に快感を与え続けたわ。(COUGHS)(CLEARS HER THROAT)男は全く声を発さなかった。囚人が激しい呼吸や喘ぎを堪えながらひっそりとオナニーをする光景が脳裏に広がったわ。声のない男、腰を激しく揺さぶりながら、右手では柔らかめのペニスの根元をきつく握り、左手ではひろ子の肛門を突付いていたわよ。ひろ子の体を甚振るのに飽きたのか、それとも身体のメカニズムからなのか、漸く男は無音の絶頂を迎えたわ。彼女の中で。ひろ子の膣は孫悟空の液体で飽和状態よ。新品同様だった18のお嬢ちゃんは、一晩で使い古されてしまったのよ。

 彼女の両肩を押さえ付けていた男たちの手がどかされると、悪夢は消え去ったかのように思われたわ。でも、そうじゃなかった。ボンネットから乱暴に落とされ、袋叩きに遭ったの。埃に塗れたコンクリートの上で、奴等の真の目的は成し遂げられていったのよ。下腹部を機械的なリズムで蹴り続ける3本の足。もう1つの足は、ひろ子の変色しかけた左頬を押さえていたわ。すぐに彼女の股が鮮血で染まった。それでも男たちは暴行を止めなかった。ドラえもんとドナルドはひろ子の顔を的に放尿し、その光景を見ていたアンパンマンは大声で笑っていたわ。孫悟空の足が彼女の顔から離れると、まるでそれが何かの合図だったかのように、奴等はひろ子に最後の蹴りを与えると、何もなかったかのように去っていったの。

 暫く身動きができなかった。不思議なことに痛みは感じていなかった。意識が遠退いていく気がしたわ。死にたくなんかない、そう思った。血痕が染み付いたガムテープを、渾身の力を振り絞って剥がし取ったわ。「アーーーー、アーーーー、アーーーー」彼女は叫び続けたわ。誰もいやしないのに。自分の生命を確認するために叫び続けたのよ。静まり返った空間に、彼女の悲痛な掠れ声が響き続いたわ。

 大量の出血、血の海の中、彼女は溺れ死んだの。

 身動きしようとする度に頬を打つ大きな手。傷だらけになった顔、腫れ上がった瞼、口の中に充満する血液の味。ひろ子は抵抗するのをやめていたわ。口にはガムテープが張られ、荒くなった呼吸を鼻だけでするのはかなり大変そうだったわ。黒の革靴が落とされ、ジーンズがワックスされたばかりの両脚を滑りながら脱がされていったわ。シンプルなデザインが施された白の下着は、まるで紙でできているんじゃないかって思わせるほど簡単に破り取られ、彼女のマン、失礼、パックリンコは丸出しにされたの。

 ドラえもんが慌ててズボンを下ろすと、いきり立った分身を全裸にされたひろ子に挿入したわ。泣かなかったわよ、彼女は。瞬き一つせずに、定まらない視点で男たちを必死に睨んでいたわ。どれくらいの間、そうしていたかしら。とてつもなく長かったような、あっという間だったような。何を考えていたのかもわからない。何も考えていなかったのかもしれない。状況は理解していた。ただ、その状況下に自分がいることを認めたくなかった。でも、認めていたんだと思う。全てを把握していたんだと思う。だからこそ、消えてしまいたかった。死んでしまいたかった。いっそのこと、息の根を止めてもらいたかった。(INHALES)

 (SILENCE)