Reddened -31ページ目

Reddened

stories, and so forth.

 

 

 

 

 

 

 

 

幕間 -1- はこちら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カランカラン、と扉の開いた音が響く。

 

いらっしゃいませー、と条件反射に口が動く。

手は空いたばかりのテーブルの清掃に忙しく動かしたまま。

 

あ、彼女だ。

 

「ブレンドのLと、うーんと…ハムエッグのサンドイッチ一つ、テイクアウトで」

「りょーかい。今日は少し早いんだね」

 

親父は俺の気持ちを代弁してくれた。

いつも通りの時間なら、俺が注文を受けられたのに。

 

「あ、今日は昨日の仕事が少し残ってて。早めに出勤してやらないといけないんです」

「おお、そりゃ大変だ」

 

親父はすぐお客さんとお喋りしたがる。

常連さんの多くはそれも楽しみの一つにしてくれているようで、有り難いことだ。

 

だが、彼女はあまり喋らないタイプだぞ、馴れ馴れしいぞ親父。

 

 

「はい、お待たせ。気をつけていってらっしゃい」

 

商品を受け取って扉へ向かう途中の彼女と、ぱっと目があった。

 

ずっと見ていたことがバレただろうかと肝を冷やしたが、そんなことは杞憂だったようだ、彼女は笑顔で会釈してくれた。

俺も思わず満面の笑みになる。

 

「ありがとうございましたー!」

 

カランカランと扉の鈴がなる。

 

「お前、ハリキリすぎだ」

 

親父の言葉は無視して、掃除の作業に戻った。

 

 

今日も良い一日になりそうだ。

 

 

 

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