「いいんちょ~」
「なんだ」
「今日のイベント、地域との交流っていうか、奥さま方の鬱憤ばらしの場みたいになってますね」
「まあな、仕方ない。奥さま方は若い男子の水泳する姿がお好きだからな」
「水泳部もなんだかんだ嬉しそうにやってますね。どっちもwin-winならいいっスね」
「あいつらも女性にキャーキャー言われながら教えるのが楽しいんだろ」
「…そういえば、今日はいないんスね」
「誰がだ?」
「彼女さん」
「誰のだ?」
「委員長のっスよ」
「俺は彼女はいないが…?」
「またまたぁ!いつもイベントに来てるじゃないっスか!」
「ああ、あれは晴れ要員だ。晴れ女だからな」
「ふーん。今日はなんで呼ばないんスか?」
「うん?まあ別に、雨だったら屋内のプールでできたからな」
「ふうん。そっスか」
「・・・なんだ?」
「いやぁ、べっつにぃ」
「なんだその含みのある言い方と視線は」
「俺わかっちゃったかも」
「何がだ」
「彼女さんに見せたくなかったんじゃないスか?他の男子の、しかも良い身体つきのオトコの裸を」
「別にそういう訳ではない。あと、彼女ではない」
「ホントっスか~?」
「だからその変な言い方をやめろ」
「じゃあ、その人紹介してくださいよ!俺、委員長に必死に対抗する姿がかわいらしいなって思ってて」
「駄目だ」
「うわっ、即答!ほら、やっぱり他の男を寄りつかせたくないんじゃないスか!」
「違う、お前が駄目なだけだ」
「ヒドいっスよいいんちょ~!」
*******
「いいんちょ~」
「どうした」
「今日なんで彼女さん来れなかったんスか?」
「お前な、何度も言うが、彼女ではない」
「へいへい」
「今日は親戚の集まりとかで、都合がつかなかったらしい」
「そっか、そういう日もありますよね。残念っスね」
「いや、日曜に一日会えないだけで、明日にはまた学校で顔を合わせる。別に問題はない」
「や、天気の話っス」
「…ああ」
「まあでも小雨だし、別に問題はないっスね」
「…お前、その気持ち悪くニヤニヤ笑うのをやめろ」
「そういえば委員長、俺彼女さんに聞いたんスよ」
「もう訂正する気も失せるな。何をだ?」
「『彼氏さんの為に毎回予定空けて参加するのって大変じゃないっスか?』って」
「…お前は、とことんだな・・・」
「褒めても何も出ないっスよ~?」
「褒めてない」
「そしたらね、『かっ、彼氏?!誰のこと??えっ、委員長?!違っ、え、そう見える…?イヤ、違う違う!』」
「気持ち悪いな」
「ちょっと~、俺全力で真似したのにそれはないっスよ~」
「似てなさすぎてな」
「でもね、実際はもっとかわいかったですよ、照れ方が」
「…俺はそれにどう返せばいいんだ」
「あ、委員長も照れました?」
「照れてない。見ればわかるだろう」
「じゃあ嫉妬だ!なんか顔がこわいですもん。かわいらしい姿を別の男に見せやがって!って感じですかね?!」
「俺がこわい顔なのはお前に呆れているからだ」
「またまたぁ!じゃ俺今度彼女さんに会ったら言っときますね、嫉妬してましたよって!喜びますよ彼女さん!」
「もういい、お前は金輪際あいつに近づくな」
「うわぁ~!独占欲ですか?!」
「違う、変なことを吹き込もうとするからだ。あともうお前とは喋らない」
「ええ~!それはヒドいっスよいいんちょ~!」
02022017