山本周五郎『樅ノ木は残った』(上・中・下)2003・新潮文庫-男の生き方と哀しみを描く | ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)  

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 2020年初夏のブログです

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 山本周五郎さんの『樅ノ木は残った』上・中・下(2003・新潮文庫)を久しぶりに読みました。

 この本を初めて読んだのは学生時代、ドラマが印象に残っていて読んだのですが(吉永小百合さんがよかったですね)、ものすごく感動をしたことを覚えています。

 どれくらい感動したかというと、その後しばらくは周五郎さんの小説ばかりを読んだほどで、『赤ひげ』など、そのうちのいくつかは今も愛読書です。

 この『樅ノ木は残った』と立原正秋さんの『冬の旅』が学生時代以来のじーじの大切な本で、少しおおげさに言うと、この2冊でじーじの生き方が決まったのかもしれな、とも思います。

 それくらい大切な本、改めて読んでみて、色あせることなく、やっぱり感動をさせてくれました。

 じーじがいうのもなんですが、周五郎さんの日本語のうまさが秀逸で、気持ちよく、しかし、生きることの哀しみや苦しさを味わいながら読みました。

 あらすじはあえて書きませんが、幕府の伊達藩分割の陰謀を阻止しようと、悪名を負ってまでも動く一家老の男としての生きざま、その壮絶で、孤独で、哀しい生き方は、やはり感動します。

 こんな小説を授業中に先生に隠れて読んでいたのですから(先生がた、ごめんなさい)、世の中の流行や出世、お金などに背を向けて生きることになったのかもしれませんね。

 でも、そういう人生に悔いはありませんし、そんな人生に導いてくれた周五郎さんと立原さんには感謝です。

 今後も頑固なじーじとしてしぶとく生きていこうと思います。     (2020.6 記)