遠藤裕乃『ころんで学ぶ心理療法-初心者のための逆転移入門』2003・日本評論社 | ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)  

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 2020年6月のブログです

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 遠藤裕乃さんの『ころんで学ぶ心理療法-初心者のための逆転移入門』(2003・日本評論社)をかなり久しぶりに読みました。

 このおもしろい題名の本、本の帯に、失敗からはじまるセラピストの第一歩、とあります。

 ころんだり、失敗したり、とたいへんですが、著者が自身の体験から学んだことを率直に書いていて、とても勉強になります。

 こんなことあるよな、こんなことしちゃったな、こんなことで困ったよな、と思い当たることばかりです。

 みなさん、同じような経験をしているんだな、と思えることが目白押しです。

 本の題名どおり、心理療法は失敗から学ぶのでしょうし、ころんでなんぼの世界なんだな、と納得させられます。

 決して初心者だけの問題でなく、おそらく中級者以上の人にでも勉強になる本だと思います。

 例によって、今回、特に印象に残ったことを一つ、二つ。

 一つめは、逆転移を通して理解できるクライエントの世界。

 クライエントさんから理由のないような攻撃をされると辛いものがあります。

 しかし、クライエントさんはいつもそういう世界にいるという理解、これはやはり大きいと思います。

 そう思ってもとても疲れますが、しかし、この理解は大切ですし、セラピストが生き残るために必要だろうと思います。

 二つめは、クライエントさんの言動の激しさに驚かずに、そこでのクライエントさんのおっしゃりたいことを明確にしていくことの大切さでしょうか。

 クライエントさんと一緒にクライエントさんの世界をていねいに理解することが、クライエントさんとセラピストの両方を生き残らせてくれるようです。

 他にも、初心者や中級者の勉強になることがいっぱい、いい本です。       (2020.6 記)

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 2024年1月の追記です

 先日の能登半島地震でじーじの本棚から崩れてきた本を整理していたら、長年、行方不明だった本を2冊も発見しました(他にもまだありそうな気もします)。

 中井久夫さんの『治療文化論』と大平健さんの『食の精神病理』。どちらもとても読みたかった本です。

 こういうのを、ころんでもただでは起きない、というのでしょうか(?)。すこし違いますかね(?)。

 これで1か月は楽しめそうです。

 そして、カーリングの試合中にころんだ藤澤五月ちゃんは今年も大活躍中(!)。

 長生きをしていると、いろんなことが起きて、面白いなあ、と思います。     (2024.1 記)