レンブラント・ファン・レインは17世紀オランダの画家です。
きっと誰もが一度は観たことがある『夜警』は彼の作品の1つ。
そこからもわかるように、巧みに光と闇を描いた油彩画で知られています。
その一方で、ヨーロッパを代表するエッチング(腐食銅版画のこと)の巨匠でもあり、300点以上の銅版画を残しています。
ただ、晩年は多額の借金を抱え、やがて返済不能に陥ってしまい、プレス機を売ってしまいます。
それ故、それ以後銅版画を描くことは出来なくなってしまいました。
今日はそんな彼の版画展に行ってきました。
場所は名古屋ボストン美術館。
JR金山駅のすぐ隣。
この金山駅、好きな女の子との初デートの待ち合わせ場所でした。
それを思い出したのがホームに降りてから。
いるわけないのに探してしまう、なんてバカなことをしてしまいました。
エッチングとは版画の手法の1つで、銅版を防食剤でコーティングし、それをニードルを使って削り、そこれを酸に浸して腐食させる手法です。
こうする事によって削られた部分だけ腐食され、凹の部分になります。
最後に防食剤を落して原盤は完成し、これを紙に刷って作品が出来上がります。
当時、エッチング技法は発展途上で、その芸術性は未知数でした。
しかし、レンブラントは工夫を重ね、線の繊細さや色の濃淡の微妙な表現を確立していきました。
実際間近に彼の作品を観ると、最初期の作品は銅板を粗末に扱っていたことが素人目にも解りました。
それと、美術本で観る作品は実物大ではないので、本物はこんなに小さいのか、と。
また、紙質によっても絵のイメージは大きく変わり、後期以降、レンブラントは和紙を多用して、やわらかな優しい感じを表現したのがよくわかりました。
エッチングの最高傑作『説教をするキリスト』はまさにその象徴。
その他にも、『二人の盗人の間で磔刑に処されるキリスト』は線を加え方によって、『暗い部屋にいる聖ヒエロニムス』はインクを垂らす量を調節することによって、こんなに違った印象を与えるのかと、圧巻な作品でした。
とにかく凄かったです。
線1本1本が繊細で!
もう1回行きたいなぁ。
ちなみに僕が一番気に入ったのは『田舎屋と干し草小屋のある風景』でした。
木がね、すごくよかったんです(笑)
レンブラントのほかに、モネやルノワール、ダリの作品も好きです。
でもやっぱり一番はエッシャーかな。
この人も版画家。
高校の美術の授業ではよくエッシャーの真似事してトリック画を描いたものです(笑)