何も知らずに池松壮亮(以下、敬称略)と若葉竜也が兄弟役で出ているということから観てみた映画『愛にイナズマ』
他にも主役級の大好きな俳優さんが たくさん出演されていました。
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主役は松岡茉優(末娘)と、その家族である父:佐藤浩市、長兄:池松壮亮、次兄:若葉竜也、恋人(となる):窪田正孝。
そして、なんとまさかの中野英雄と太賀の親子共演も
(残念ながら同じシーンは なかったのですが。太賀演じる落合に「あんなこと」がなければ劇中劇で親子役を演じていたイフの世界もあったのかも)
イライラ要員として、MEGUMI・三浦貴大(ほんと、めっちゃむかつくw)・趣里・高良健吾なども ちょい役で。
昨日 最終回を迎えたドラマ『新宿野戦病院』でも新種ウイルスを取り上げていたけれど、この作品もコロナ禍を題材としてマスクをつけていることがモチーフとなっています(2023年公開作品)。
(実際にマスクをせず路上呑みしている大人に詰め寄る正義厨の学生なども出てくるし、窪田正孝演じる正夫は顔の面積に対して めっちゃ小さいアベノマスクを常につけている←誰もつけないから皆がタダでくれるという皮肉もw)
そのマスクは顔(口元)を隠す=仮面をつけているという所から、人間の本音、本心、本質をも隠しているということ。
それは日常でも皆それぞれが自分という作られた、嘘で固められた役を演じているんだということが作品内では描かれています。
本当のことは相手と向きあって話し合わないと分からない。
それは他人でなく家族でも同じこと。
これは石井裕也監督作品なんだけど、以前観た『生きちゃった』も根本は同じテーマでしたね。
話し合いの大切さ。
『生きちゃった』の感想です![]()
この作品にも太賀・若葉竜也が出ています
あらすじとしては、映画監督の卵 花子は自分の家族の物語を映画にしようと奮闘していた。
幼い頃、母親が突然 家を出て行った。
でも原因が分からない。
生きているのか死んでいるのかさえ。
10年ぶりに家族が実家に集まり、そこで花子はカメラを回し、家族と向きあっていくうちに意外な真実が明らかになる・・といったヒューマンドラマ(ミステリーというほどではない)。
家の壁を殴ってボコボコ穴を開けるような、傷害罪でも捕まるような暴力的と思える父親は、本当は凄く優しくて正義感 溢れる人だったのだ。
母親が子どもたちとも連絡を一切取らなかったのも父のせいではなく、母の愛人が元の家族と繋がるのを嫌がったから。
その事実を知った子どもたち、そして「家族」というものを知らない正夫(窪田)も父 治に寄り添うように。
父が余命宣告通り一年後に胃がんで亡くなった後「みんなでハグ、どうですか?」と次兄 雄二(若葉)からの呼びかけで、再び兄妹たちが集まったところ
正夫が撮っていた動画に映った停電の中イナズマの光が一瞬見せた家族の愛とは。
こちらのサイト様より画像を
スクショしています
最初は映画業界の慣習などのやり取りでイライラするシーンが多いのですが、それを乗り越えれば家族の温かさに触れられます。
「家族 対 携帯会社の店員」「家族 対 特殊詐欺グループ」は見ていて もどかしいながらも不器用な家族の一体感にウキウキします(趣里ちゃん出てるから、朝ドラ的に‟ズキズキワクワク”かな?)。
特に特殊詐欺グループ相手の殴り込みの際、静かで穏やかな神父役の次兄 雄二(若葉)が最初は「やめましょうよ!」と言っていたのに
「僕も行きます!!」って叫んだシーン・・良かったなぁ
(父親の死後、教会で父の姿を見て涙ぐむシーンも。やっぱり若葉竜也は泣きの演技が好き)
妹を馬鹿にされて、得意先の芸能人と会社社長(高良)に反発する長兄 誠一(池松)も良かった。
この兄妹は この先ずっと、今までの不仲から兄妹愛を取り戻して 助け合って生きていけるんだろうなと安心しました。
でも社長から何度も誠一がビンタされたシーンは「殴り返せ!」と私は思っていたんだけれど、殴り返さなかったのは
結局は会社は辞めずに辛抱しながらも仮面を被った方が良いと判断したからだろうな(辞める覚悟なら殴ってるはず)。
生きる上で仮面をつけながら生きていくのは処世術として仕方のないことだけれど
「全てないことに、なかったことにされないため」にも声をあげよう。
嫌なことは「嫌だ!」と言える人間になろう。
好きな人には「好きだ!!」と言い続けよう。
そんな映画でした![]()
『愛にイナズマ』予告編
※予告はテンポの良いコメディタッチなテイストですが、そんな感じの映画ではありません![]()


