映画『王様とボク』 | From Rabbit House

From Rabbit House

好きな音楽や日々の暮らしを
思うまま感じるまま。

「これ酷かったな」って映画に当たることは あまりないのですが

 

ちょっと ここ最近立て続けに「ん?」って感じのものがありました。

 

年末に紹介した『生きてるだけで、愛。』も、若干「ん?」な感じで私には あまり響かない映画でしたが

 

 

【ちょっと「?」な映画】

 

『王様とボク』

 

 

松坂桃李菅田将暉二階堂ふみが出ている映画って言ったら、ちょっと観たくなるでしょ?

 

これが、もう酷いの アセアセ

 

菅田将暉“初主演”映画ってことだけど、2012年の映画で皆若いし演技もあまり上手くないし。

 

 

初っ端から漫画原作だなって感じの表現とセリフ回しで、松坂桃李の彼女役の二階堂ふみが情緒不安定(終始エキセントリック)過ぎる(一応、原作者(やまだないと)も脚本に携わっている)

 

そして完全部外者なのに(「友達の友達は皆友達だ」みたいな感じで)関わろうとしていてウザイもやもや

 

 

《あらすじ》

 

※※※※※

 

ミキヒコ(松坂桃李)とモリオ(菅田将暉)は幼馴染の18歳。

 

6歳の時にモリオがブランコでの落下事故に遭い、意識不明でずっと入院していたが12年ぶりに目覚めた

 

ミキヒコはモリオに会いに行くが、見た目こそ18歳に成長していたものの言動は6歳のままのモリオだった。

 

ミキヒコは大学を辞め、モリオを守りながら一緒に生きていこうとする。

 

※※※※※

 

 

根底にあるのは「大人になりたくない」というピーターパンシンドロームなミキヒコの揺れる思い。

 

18歳というのは今でこそ成人だけれど、公開当時は未成年で 子どもでも大人でもない微妙なお年頃。

 

本当の子ども(小学生が劇中にも出てくる)から見ると大人だけど、完全な大人ではない。

 

 

その辺の葛藤みたいなものが、あまり上手くは表現されていなかったかな。

 

(夜中、ビルの上で3人(ミキヒコ・キエ(二階堂ふみ)・トモナリ(相葉裕樹))が直接「大人になんかなりたくなーい!!」って口々に叫んでいたけど興ざめ)

 

 

幼馴染の一人トモナリも、どういう状況なのか ほぼ説明がなく分からないし(モリオとミキヒコの会話で足の怪我の事に触れていたけど。だからブランコのシーンでも、ひとり漕がずに そばで見ていたのかな)

 

なぜ目覚めたモリオに会いに行かないのか?

 

ラスト、トイレで泣いているのも、なぜだか感情がよく分からないし(全員、情緒不安定)。

 

 

このトモナリは原作にはいないキャラみたいなんだけど、いろいろ物語を膨らまそうとして蛇足になった感じ。

 

こんなキャラ出さずにミキヒコとモリオをもっと掘り下げて心情を丁寧に表現すれば良かったのに・・。

 

 

全体的にふわふわしていてよく分からないってのが率直な感想(オシャレ映画によくある感じ。この映画はオシャレでもないけど)

 

原作を読んだ人じゃないと分からないのかなぁ?(原作とも設定が色々違うみたいだけど)

 

無駄なシーンが多すぎて肝心な所があんまり描ききれていないなと思いました。

 

 

一応、重要と思われるものにモリオに会いに向かう道のりにトンネルがあるんだけど、そこが大人の世界子どもの世界の境界みたいなものなのかな?

 

だから最後、トンネルの出口付近でバイクと共に倒れている(←事故った?)ミキヒコはキエとの電話での会話で

 

「今、どこにいるの?」と訊かれ「分からない」(=子どもなのか大人なのか自分の立ち位置が分からない)と答えたのかな?

 

 

“大人になることの恐れ”みたいなものをミキヒコとモリオの視点から、最終的には その対比を描こうとしているんだろうけど(モリオは大人になろうとしている)

 

材料(題材)は悪くはないのに料理(演出)が下手って感じ?

 

もっとやりようがあったのに、もったいない映画だなぁって思いました。

 

私が歳をとりすぎたのか?感受性が強かった思春期の頃に観ていたら何か感銘を受けたりしたのかは謎。

 

↑予告編を観ると良さげなんだけどなぁ