『初恋の悪魔』① | From Rabbit House

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あー、とうとう『初恋の悪魔』が終わってしまった。

脚本家 坂元裕二氏のドラマが大好きで、今回も始まる前から楽しみにしていたが

やはり最後まで予想を裏切らない面白さだった。


公式サイトより画像をスクショしています
 

以下、敬称略。

警察署内で捜査権のない4人(鹿浜:林遣都だけは刑事だけど停職処分中。途中から復帰する。

他は総務課(馬淵:仲野太賀)・会計課(小鳥:柄本佑)・生活安全課(摘木:松岡茉優))
が集まって

事件を推理するというコンセプトも面白かった。

ちなみに今期『ユニコーンに乗って』というドラマでも小鳥さん(西島秀俊)が出ていたけど

同クールで、あまり居そうにもない「小鳥」という名前の人物が かぶるのも珍しい。


前半は1話完結事件推理物でコミカルな作風だったのが、

後半では連続殺人事件馬淵の兄(優秀な刑事だった)の死の謎に関して、シリアスで壮大な謎解きが行われる。

誰もが疑わしい印象があって(シリアルキラーっぽい怪しげな隣人(安田顕)などw 最後、殺されなくて良かったー)「犯人は一体誰だ?」というドキドキ感もあるけれど

単なる推理物というより登場人物の様々なバックボーンが描かれ、感情の機微がうまく表現され痛いほど伝わってきた。

 

《私の考察と真相》


私はこの事件全体の犯人は署長(雪松:伊藤英明)だと思っていた。

自身の子どもが(息子ならいじめ、娘なら性的暴行など)同級生によって

投身自殺せざるを得なかったので(←殺害された人物が皆 全身濡れていて靴を脱がされていたので、子どもがされたのと同じような被害状況にするため)

 

それに対しての復讐で3人を殺害したのだと。

そして、それに勘付いた馬淵兄をも殺してしまったのだと。


しかし、事件の真相は署長の息子が幼い頃、川でふざけていたら友人を死なせてしまったため

 

署長が現場へと赴き その場にいた友人らと共に息子に隠蔽させ、後に黙っていることに耐えられなくなった友人3人を息子が次々と殺したのだ。

そしてそれを隠蔽するため、署長が別の人物3人を殺人犯に仕立てあげたのだ(馬淵兄は真相に近づいたため署長により殺害)


 

最初の事件(川でふざけての件)は本当に事故だったのかは分からないけれど

もし事故ならば事故として普通に処理すれば良かっただけなのに

署長の判断ミスにより、4人(殺害された友人3人、及び息子)+3人(仕立てられた冤罪の殺人犯)の人生が狂ってしまった。


 

息子は最初から単なるサイコパスなシリアルキラーだったのかもしれないけれど

過去の隠蔽によって困った時の解決方法をそれしか知らなくてモンスター化しただけなのかもしれない(歪んだ人格形成)。

 

真犯人だということが鹿浜らにバレて、息子が父親へ送り続けたLINEの文面は

 

まるで小さな子どもからのSOSの言葉のようだった。


ちなみに現実の殺人事件の裁判で思うことがある。

「殺意の有無」によって量刑が変わったりするけれども、復讐などの恨みがあって殺害した方が私個人としては まだ理解できる気がする。

殺意もないのに金欲しさや性衝動で殺した方が更生はできないと思うのだけれど・・。


さて、最終回で鹿浜が初めて恋した星砂(※せすな=摘木のもうひとつの人格)が署長の息子に殺されたかもしれないとなり

「悪魔には悪魔を」とハムラビ法典(目には目を、歯には歯を)よろしく息子を殺そうと鋏を振り上げた。

これが『初恋の悪魔』になった瞬間だった。


馬淵が星砂の生存を確認し「生きてます!!生きてます!!!」と声を張り上げた時

鹿浜は凶器となりえた鋏を手錠へと持ち替え、息子を逮捕した。

 

長くなったので2回に分けます。