『初恋の悪魔』②(『容疑者Xの献身』) | From Rabbit House

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前回の続き。


『初恋の悪魔』と同じ時間帯に映画『容疑者Xの献身』が放映されていた。

私はこのドラマシリーズは観たことがなく、映画も初見だった。

 


 

数学にしか興味のない高校教師 石神(堤真一)が、恋した隣人(松雪泰子)の起こした殺人を隠蔽しようと

完璧なアリバイを作るために別の遺体を用意する(=殺人を犯す)というトリックだった。


石神の友人だった物理学者の湯川(福山雅治)は「石神は絶対に殺人をするような人間ではない」と言う。

しかし、そんな人物を変えたのも「恋」だった。

『初恋の悪魔』が生まれた瞬間であった。

 

ラストシーンの石神の慟哭は胸をかきむしられるようで観ていて辛かった。

 

嬉しさと悔しさ、悲しさ切なさが綯交ぜ(ないまぜ)になった感情の爆発だった。

堤真一は大声で怒鳴ったり豪快に笑ったりという役柄が多いので

この作品を観て、失礼ながら こんな繊細な演技ができるのだなぁと感心した。


中島みゆきの歌に

「空と君とのあいだには今日も冷たい雨が降る

 

君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる」

という歌詞があるけれど、愛する人のためならば どんな悪事にでも手を染められるということ。

悪魔と契約してでも好きな人を救いたい・守りたいという不変のテーマがそこにあるのだ。

 

『初恋の悪魔』の伊藤英明演じる警察署長 雪松が犯罪に手を染めたのも、愛する我が子を ただひたすら庇って守るためであった。

(※この件は全く理解できないけれど。それは私に子どもがいないせいなのかもしれないけど。

 

雪松はもちろん息子を愛していて守りたかったのは間違いないだろうけれども

 

それと同じぐらい自分の地位や名誉を失いたくなかったから・・というのも あるんだろうなぁ)


そして鹿浜と星砂の別れのシーン。

初めて人を愛することを知った男が星砂に告白され、顔を両手で覆う場面で胸が熱くなった。

その表情は見えないけれど、嬉しさと同時に「もう二度と会えないかもしれない」という絶望がまざまざと見て感じ取れた。


坂元裕二氏は普通でありながら ちょっと欠けている人物描写が得意で、このドラマも何か欠けている4人によって構成されている。

不器用な生きざまの4人が愛おしくてたまらない。

本当に良いドラマや小説などは作品のその後が気になるというけれど、彼らは今後どのように暮らしていくだろうか。


これらの事件を通して仲間としての絆が深まった4人。

ちょっぴり心配だけれど色々ありながらも、たまに鹿浜の家に全員集まって

ワイワイガヤガヤと これからも捜査会議を続けていくのだろう。

その様子を覗き見したいものだ(続編希望)。

 

スピンオフドラマ見た過ぎるー。Hulu契約しようかなぁ・・。