「戦力は持っていません。実力です。」
(自衛隊法 談)



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 憲法さんは、9条にて「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と言っているんですが

 自衛隊は、戦力じゃなくて「実力」だよーみたいな…。
 ちょっぴり苦しい言い訳をしつつ、自衛隊法は合憲性を主張します。

 その苦しさは、自衛隊全体に蔓延している気がします。
「戦闘服→作業着」「歩兵→普通科」みたいに。

 なんだか肩身の狭い自衛隊法、せめて役に立って存在を認めてもらおうと必死です。

 そしてそれを良いことに、散々コキ使われています。
 本来の役割と違うことも多くこなすため、改正を重ねてきた自衛隊法…。
 いじらしいヤツです。

 そんな自衛隊法なんで、憲法さんは
「ひょっとして違憲かも?」みたいに思っても、見て見ないフリをします。

 憲法さんは国際協調主義も取っているので、その実施のためにも自衛隊法は便利な存在です。
 また、憲法さんの出生の秘密に係わる事情から、米軍に協力なんかもしなくてはならないので、自衛隊法はその役にも立たせています。

 こんなに便利でお役立ちで、しかも命令をよく聞くいい子を
 そうそうダメ出し出来ない。

 …要は、オトナの事情ってヤツかも知れません。

  
「国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3本がオレのポリシーさー」
(憲法 談)



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 憲法さんは、平和主義です。
 前文や9条で、それを謳っています。

 自衛隊法や自衛隊の違憲性については、昔はよく判例でも争われたようです。

 基本的に憲法さんのスタンスは
「判断しない」です。

 その辺は、憲法判断回避の準則あたりによります。

 憲法さんが敢えてそのスタンスを取っている理由については、次回にでも。

 個人的な考え方を言うなら…。
 自衛隊法は、憲法さんに絶対服従の良い子だと思います。
 憲法9条の存在があったから、自衛隊の今の姿があるのではないかと。

 その意味では、自衛隊法は憲法9条、ひいては平和主義の体現者であり、まさに自衛隊法こそが平和の象徴とも言えるかも知れません。

 戦後65年、自衛隊は戦うことなく、戦うことに備えて修練を積んできました。
 65年間の平和を、日本人は誇って良いと思うし、それは憲法さんや自衛隊法と一緒に歩んできた道のりだと思います。

 ところで、自衛隊法が陸自の格好をしているのは、陸自が人員的に最も大きな組織であることと、単なる私の趣味です。

 
「オレも憲さんにシメられたことあるよ…」
(刑法 談)




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 違憲立法審査権のお話。
 憲法さんは、自分に逆らう法律をシメることが出来ます。
 彼に逆らうヤツは、生きてはいられません…。

 これは法律そのものを心不全に陥らせるものであって、非常に強力な憲法の能力です。

 憲法さんは、非常に怠け者で、他人任せで、けどオオラカで、大抵のことは笑って許す懐の深い人ですが

 それは違憲審査権を一旦発動すると、その強力さゆえに影響が大きすぎることを知っているので、あえてあまり動かないという意味合いもあります。

 ちなみにシメられてしまった薬事法ですが…。

『薬事法薬局距離制限規定違憲事件』という、あまりに有名な事件があります。
 滅多に動かない憲法さんが、珍しく違憲判断を発動した場面です。

 違憲無効扱いされた薬事法のある規定は、その2ヶ月半後、削除されてしまいました…。

 ちなみにこの4コマに、ちょろっと行政事件訴訟法が出ていますが
 コレは、『薬事法薬局距離制限規定違憲事件』が、行政処分取消請求の形で行われた事件だから。

 元は、行政事件訴訟法に振られたお仕事なんですね。

 刑法が出ているのは、本人が欄外で言っているように
『尊属殺法定刑違憲事件』ってのがありまして、そこで憲法さんにシメられた経歴があるからです。


「すんげーマズいものも出すよ~。民訴は」
(民法 談)



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 前回に引き続いて、証拠能力のお話です。
 刑事訴訟においては、証拠能力(裁判所で証拠として出せること)が結構厳しく、伝聞証拠(46話)や違法収集証拠や毒樹の果実(51話)に原則として証拠能力が認められないって話になってます。

 …かなり検察よりに緩やかになっている気がしなくもないですが…。
 それは置いておくとして。

 これに対し
 民訴の場合には、そんな原則とかタテマエとかがなく、かなり潔いです。

 全部オッケー、とまでは言いませんが、そりゃもう毒そのものでもない限り、どんな証拠も出して大丈夫です。

 対立当事者がお互い、出せるだけ証拠を出しつくして、その上で裁判所に判断してもらうって感じです。

 そのため「関係あるんかいな?」みたいな、よく分からん証拠もボコボコ出てきます。
「こんなん、出てはいるけど信用できるわきゃないやん」
 みたいな、どうしようもない証拠も出てきます。

 けど、それは全て提出する当事者の自己責任つーか…。

 あんまりにどーしようもない証拠とか出したり、明らかに真実に反するようなヤバいネタを出したりすると、今度は

「こいつは嘘つきだな…」
 みたいな判断をされてしまったりして。

 その辺は『弁論の全趣旨』とかいった都合の良い言葉があるんですが
 その件はまたの機会にでも。


「まあ大丈夫だろう、って怖すぎるぞ…」
(刑法 談)



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 刑訴がドSだというご意見が…。
 うん…そうかも知れないですね。

『毒樹の果実』ってのはとは、アメリカ由来の刑事訴訟法における用語です。

 違法にゲットされた証拠には証拠能力は無い、というタテマエがあります。
 これを違法収集証拠排除法則と言います。

 が、日本においては違法が重大であることなどの要件があって、実際のところ、違法収集証拠はあまり排除されません。
(この辺がドSだよな…)

 そして、違法収集証拠から派生して得られた二次的な証拠についても証拠能力を否定した方が良いんじゃないか、というのが『毒樹の果実』の法理です。

 ちなみに極端な例としては、拷問によって得た自白(供述証拠)を元に捜索したら、凶器(物的証拠)が発見されたような場合とかです。

 けど、違法収集証拠との関連性が薄くなっている場合。
 例えば、違法によらなかったとしてもゲットしていたであろうとかいう場合には、例外的に証拠としてオッケーと考えられています。
 例外が原則っぽくなってる気もしますが…。

 大体、違法によらなくてもゲットしてたって言うんだったら、違法によらずにゲットしろよ…。 

 ともかくその結果、毒の木から取れた毒樹の果実も、
「まあ大丈夫だろ」
とか言って、食べさせてしまうんですねぇ。
 刑訴は。

 その果実はまさに堕天するほどの甘露なもんだから、捜査機関はその甘い汁が忘れられない…。 

 けれど、毒が蓄積された日本の刑事司法はどうなるか…。
 なんてね。


「厳しさが優しさってこともあると思うよ?」
(民法 談)



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 割と有名どころの法律のお話です。

 民法は未成年者について、原則として法定代理人(親とか)の同意がないと単独では法律行為ができないと規定しています(5条1項)。
 これは、未成年者が未熟なので、うっかり不利な契約を締結しちゃう可能性があるということで、取引社会の土俵の上に立てないというルールです。
 一応未成年者保護のための規定です。
 民法も結構、子供に甘いんです。

 が、いくつか例外があって、営業を許された未成年者が、その営業に関して成年者と同じように法律行為が出来る(6条)とかがあります。
 行為が出来るということは、つまり責任を負う、ということです。

 あと、結婚による成年擬制もありますねぇ(753条)。
 結婚すると成年として扱われます。

 未成年者の詐術については、要するに、未成年者が
「オレは未成年者じゃないよ、成人してるよ」
みたいにウソをついて法律行為をした場合には、その行為については後から無かったことに出来ないとする規定です(21条)。

 民法のスタンスとしては恐らく

「未成年者なら未成年者らしく子供でいれば保護してあげるけど?
 でもねぇ。
 オトナと同じに扱って欲しいって言うなら、容赦はしないよ」

 といったものと思われます。
 
 
 

「…悪法と呼ばれるよりもこたえるかも…」
(少年法 談)


 後編(50話~)へ


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 少年法は、未成年者には成人同様の刑事処分を下すんじゃなくて、保護更生のための処置をすることを規定しています。

 具体的には、18歳未満の子は死刑にならないとか、おおむね12歳以上を少年院送致の対象年齢とするとか、少年の実名報道を禁じるとか、まあ色々あります。

 こういった特別の措置をとるのは、若いコは可塑性ってのがあって、要するに
「まだまだ柔軟だから、やり直しがきく」
ということで、処罰よりも更生の方により重点を置いたためです。

 ただ、社会は少年犯罪に対して最近厳しくて、世間の少年法の厳罰化の勢いも結構強いです。

 それを受けて、平成19年には少年法の一部が改正されて、やや少年院送致対象年齢を下げたりもされました。

 少年法は、未成年者の凶悪事件がセンセーショナルに報道されるたび、本当に散々叩かれてしまいます。

 それでも、その少年が、被害者のことを心に抱き、罪を悔やみ、同じ過ちを二度と繰り返さないと決意し、社会の一員として立派に行動できるようになってくれば…。
 それが可能である限り、少年を見捨てたくない。

 だから彼は、どんなに責められても頑張り続けます。
 例えロリコン扱いされたとしても…。


「ついでに刑法って、14歳未満を罰しないとか言ってるじゃん…。怪しいよねぇ…?」(民法 談)




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 13歳未満のコのヒイキ、というのは

 刑法176条の強制わいせつ罪と、177条の強姦罪を指しています。

 つまり、13未満のコに対し、わいせつな行為とか強姦とかをした場合には、特に暴行とか脅迫とかを用いてなくても罰する旨を規定してる点です。

 ちなみに13歳以上に対しては、『暴行又は脅迫』が要件になってます。
(なお、強姦は女子限定、強制わいせつは男女問いません)

 基本的にこういった犯罪は、相手方の同意があれば罪にならないものですが

 刑法はお節介お父さん気質なので(パターナリズム)
「同意があろうとなかろうと、13歳未満のお子さんに手を出す行為は許さん!」
みたいな価値判断(?)が働いています。

 未熟で幼いお子さんは、まだまだ保護しなくちゃいけないので、特に保護するんです。

 別に刑法がロリコンなワケじゃあないと思うんですが…。
 疑わしいですねぇ…。

 最後に民法がチョロっと言っているように
 刑法は「14歳未満」を刑事未成年者として罰しない旨も規定しています。

 刑事未成年者の保護については、少年法の方がマジメにやってますけど。
 
「刑法は傍聴マニアにもモテるよね」
(民法 談)



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 最近はめっきり傍聴マニアと呼ばれる人も増え
 その上、裁判員裁判制度と、刑法モテ期のようです。

 殺人罪や強盗致死傷罪、傷害致死罪、現住建造物等放火罪、強姦致死罪、危険運転致死罪、保護責任者遺棄致死などが対象となってますから、まさに刑法の本領発揮といったところでしょうか。

 こういった制度を通じて、多くの人が刑法に親しみを持ってくれると、刑法が喜ぶと思います。

 刑法って、根はシンプルでマジメでお節介で、いいヤツだと思います。
「聞いてやることと、ソレを信じてやることは別だよな」
(刑訴 談)



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 刑事訴訟においては『伝聞証拠禁止の原則』というのがあります。
 伝聞証拠は原則として証拠とすることができないんです。
 …あくまで原則としてですが。

 伝聞証拠には『又聞き』のような場合もありますけど、よく問題になるのは書面ですね。
 関係者の供述を書面に落としたものも、やはり伝聞証拠です。

 その書面も伝聞証拠である以上、原則として、証拠とすることが出来ません。
 …そう、あくまで原則としてですが。

 伝聞証拠が禁止されるのは、要するに怪しいからです。
 元の人は本当に言ったのか、聞き違いじゃないか、言い間違いはないか、嘘をついてないか。怪しい怪しい。

 けどやっぱり原則としてです。

『伝聞例外』というのがありまして、
「まあ、相手がオッケーというならいいんじゃね?」みたいな同意書面とかは、例外として証拠としてオッケーというルールがあります。

 そして刑訴がヒイキしている検察官・裁判官の前で作成した供述調書とゆーヤツが、非常に緩やかな要件で例外が認められているんですってば!

「裁判官・検察官なら信用できる」
みたいな価値基準があるんですねぇ!

 書面作成過程において違法な取調べの疑いがあって、弁護人が不同意にしても、どーせその例外規定で証拠能力が認められてしまうんですよ!
 この規定のお陰で涙を呑んだ弁護人や被告人も多いんじゃないかな。

 いやあ、刑訴のヒイキぶりには腹が立つなあ!

 ちなみに、以上はあくまで証拠として認められるかどうかです。

 要するに書面なら証拠として裁判官の前に出せるかどうか。
 言葉なら、証拠として裁判官に聞かせられるかどうか。

 証拠として出したからと言って、信用してもらって判決の基礎としてもらうには、更にその話が「信用できるか」といった点から判断されます。  

「聞いてやる。けど信じてやるとは別の話」
とは、まさにそのこと…。