「労働基準法がイヤミ言えるほど口が達者じゃないのは知ってるから大丈夫だよ!」(民法 談)


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 今回のテーマはずばり
「民法は労働者にシビアか」

 民法は、雇用に基づく労働について、第623条から第631条までに『雇用契約』の規定を設けています。
 そこで民法は、当事者が対当であるということを前提にしています。
 対当な当事者が、自由な意思で雇用契約を、使用者・被用者共に結べると信じています。
 悪気は全然ないんです。
 民法は、基本的に人は平等の市場にいると信じているんです。

 ところが現実には
 使用者・被用者の立場は大きく異なり、特に取引に出せるモノが自らの労働力だけである被用者は、使用者に比べて弱い立場にあります。
 対当ではない二者が契約を結ぶと、立場の強い方に有利で不公平な契約になってしまいかねません。

 そりゃマズいな、圧倒的に弱い立場である労働者が不当に踏みにじられることのないように配慮は必要だろう?

 そう考えたのが、労働基準法です。

 労働者に不利になりがちな労働条件において
 最低限、このラインは守ってくれないとダメだからね。
 そういう規定を、労働基準法は設けているのです。

 民法は、シビアっちゃあシビアですけど
 本当に悪気はないのです。



「でもぼく、労働者のために頑張る労働基準法を尊敬してますから」
(労働契約法 談)


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 『第37話 労働者該当性』に登場した労働基準法、再び、です。
 なぜかリクエストがあったもんで。

 とにかくシンプルで、とりあえずやってみる男です。
 条文がシンプルな分、判例を重ねて構築してきました。

 けど、判例をバラバラにひっ散らかすものだから
 その判例をちゃんとまとめた方がよくね?
 とゆーかまとめろ。

 そういう要望にお応えして生まれたのが労働契約法です。

 労働契約法は、マメに働くし、良いヤツなのですが
 なんかちょっと労働基準法に比べて繊細なカンジの人です。

 これは、労働基準法が、罰則で最低労働基準の履行を担保する力を持っているのに対して
 労働契約法については、そういうパワフルさがないためです。
 
 そういう意味では寧ろ私法領域、つまり民法さん達に近い人です。


 トップページのイラストを換えたので、前のものを下ろしました。
 憲法さんばかり描いていますが
 一応、憲法だし・・・。

 ところで擬人化設定は、擬人化(男)で行く場合
 女の子と違って、あまり小物を身につけられないじゃないですか。
 あと、マンガですので、イラストと違ってあまり小物を付けると描くのが大変で困ります。

 そんなワケですので、擬人化で元の法律設定を活かす工夫といえば

・性格
・髪型
・服装

 ってな点で反映されるようにしています。

 憲法さんも、見たまんまです。
 性格はマンガの通り。
 特に解説は要らないと思いますが・・・
 言わないと絶対分からないだろう点が1点。

 憲法さんの髪型は、3本のアホ毛があります。
 ほとんど分からないですけど・・・

 ↑のようなアップだと少しは分かるかも。

 一応、憲法の三原則である
 国民主権、基本的人権の尊重、平和主義

 コレを示す意味での3本です。
 ま、どーでもいいんですけど。


「死刑にならないだけありがたいんじゃね?」
(著作権法 談)


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 よく映画館とかで上映前に聞くんじゃないかと思われる著作権法の罰則。

 日本の著作権法はやたら厳しいです。
 だからこの著作権法は厳しい性格です。
 容赦ないです。
 ついでに心が狭いカンジです。

 何せ、たかが無体財産権の分際で、財産権侵害についての罪である刑法の窃盗罪よりも厳しいのです。
 懲役刑は同等で、罰金刑なら刑法を遙かに超えます。
(刑法235条、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金)

 なんなんですかねぇ。1千万円以下の罰金て。

 著作権法が毒を吐いているように
 世の中には、刑罰は重ければ重いほど抑止力ががあると思っている方がいらっしゃるようです。
 あと、悪いことは何でもかんでも刑罰を科すべき、とか思っていらっしゃる方もおられるようですね。
 そう思いますか?

 世界を善と悪でまっぷたつに切り離して
 悪いことをするヤツが悪い、
 なら、全部の刑罰を最高刑である死刑にするべき・・・

 そんな風に考えたならどうなるか。

 規範意識が狂いますね。
 殺人とネコババが同じ刑罰だったら
 
 今でさえ「3人殺すも4人殺すも同じ」
みたいな考えがあるくらいですからね。
 もっと酷くなりますね。

 刑罰にはバランスというものが必要です。
 軽重がなければ社会は狂う。
 処断実施の限界もある。
 社会によっても受け入れられる刑罰は異なる。

 厳罰主義を敷いた過去の某国家がどうなったかを見れば分かること。

 著作権法の厳罰化を望む人達は、強く著作権法を守って欲しいと願ったのかも知れません。
 けれど、バランスを失すれば
 全ての法秩秩序にとってマイナスになりかねない。 

「権力は暴走する。そーゆーもんなんだ」(憲法 談)


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 別に、平和主義と権力分立は対立する概念じゃありません。

 平和主義は平和主義。

 権力分立は、憲法さんがおっしゃるように
「権力は濫用される」ものなのです。
 もうそれは仕方がないんです。
 そーゆーものなんです。

 だから、権力を大きく3つに分立させて
 そのチェックアンドバランスの効果によって
 どこかしらが暴走しないように定めています。

 法は、人間不信だ、と
 以前、会社法の関係で書いていますが
 権力とそれを行使する国家機関を監視・抑制し、国民の人権を守ろうとする憲法さんは、まさに権力不信です。

 まあ、それはいいんですけど・・・
 そこまで権力不信の憲法さん。

 それなのに、平和主義に関しては
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」と
 かなり信頼しちゃっています。

 時々甘いですねぇ。

 
「本当は私が民法を支えたいところですが・・・」
(民事訴訟法 談)


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 民法は、財産関係だけではなく、家族関係の法律を持っています。

 一般的に、民法の財産関係については、民訴手続でざっくりシビアにやってしまうんですが
 家族関係については、あまり当事者だけに任せるのも適当ではなく
 それなりにお世話を焼かなければいけない事態があることから
 民訴の特則として、人事訴訟法が設けられています。

 マンガでは「男女の問題」とか言ってますが
 コレは婚姻・離婚関係の問題です。
 親子関係、婚姻関係
 そんなドロドロした世界が、人事訴訟法のジャンルです。

 人事訴訟法は、ドロドロの世界の人ですけど
 基本的には世話焼きで、職権主義的。
 ちょっと押しつけがましくて高圧的だけど
 まあ、イイ子なんじゃないでしょうか。
 
「民法と話すと、なんでも金の話になるなぁ・・・」
(刑法 談)


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 今回は比較的メジャーなネタですね。
 民法第697条から702条が『事務管理』について規定しています。

 事務管理とは、簡単に言えばおせっかい行為です。
 お節介を焼いた場合に、そのお節介者と、焼かれた者との間には何ら契約関係がないワケですから、普通に考えれば本人には何も請求出来ないハズです。

 基本的に民法は私的自治の法律で、普段はあまりお節介を焼いたりしないのですが
 
 それでも、社会生活上、お互いに助け合う精神は大事だなーってコトで、お節介を焼いた場合でも一定の場合には
「勝手にお節介を焼いたんだから、本人関係ないっしょ?」
などとは言わず、本人が受けた利益や必要費について償還請求を認めたりしています。

 それにしても、うちの民法は何だかんだ言って刑法の世話を焼いている・・・。
「アニキ~! オレ・・・オレ・・・えぐえぐ・・・」
(行政事件訴訟法 談)



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 流行の時事ネタ・・・ですかね。

 議員定数不均衡についての、選挙無効確認訴訟が最近よく話題になっています。

 憲法は、47条で「選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。」と言っており、その法律ってのが公職選挙法等です。
 公職選挙法は選挙に関する事項を規定出来るんですが、それについては憲法は成年者による普通選挙を保障しています(15条3項)。
 そこに言う「普通選挙」には、「平等選挙」であることも要請されています(14条1項、44条但書)。
 そんなワケで、一票の格差があんまりにも激しいと、憲法の求める平等選挙の原則に反するワケですから、その選挙区割等の制度は違憲になりまして
 その違憲の法律に基づいた選挙には瑕疵が存在することになります。

 行政事件訴訟法は、取消し訴訟について31条で「事情判決」ってのが出来ると規定しています。コレは違法な行政処分だけど、取り消すとえらい問題が起こるような場合に、その事情を考慮して「違法だけど効力はそのままで勘弁してあげるよ」という規定なんですが
 無効確認訴訟については、明文では何とも言ってません。

 ついでに言うと、公職選挙法は219条で、行訴法31条の準用を認めていません。
 この点をどう読むかで、ちょっと問題があるんですけど・・・

 とりあえず、判例は事情判決の条文である行訴31条ではなくて、その考え方を取り上げて「事情判決の法理」であるとして

「違憲だけど事情判決の法理により・・・」
ってことで「無効」とまではしないでいました。

「ふーん、やっぱ選挙はやっちゃったもん勝ちなんだね~。
 制度を是正しろって憲法はうるさいみたいだけど、
 どーせ是正しなくったって事情判決で『無効』にはしないっしょ。
 テキトーでいいよね。テキトーで」

 そんな公職選挙法の心の声が聞こえてくるようです。


「あと一人、国家賠償法が揃えば、救済三法が揃うスよ」
(行政事件訴訟法 談)


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 行政救済法のひとり、行政不服審査法です。
 やってることは基本的には行政事件訴訟法とあんまり変わらないです。

 行政事件訴訟法は、あんまり行政作用法等に強く出られないというヘタレですけど
 そのヘタレっぷりは行訴を上回る行審法です。

 理由は、行訴法が裁判所に申し立てる救済手続なのに対して
 行審法は、行政庁に申し立てる救済手続だからです。
 行政の処分に対する不服を、行政に申し立てるんですから
 強く出るわきゃないですね。

 そんなヘタレな行審法が、なんでまた認められているかと言うと

 事情をよく知っていて、専門性も担保されている行政機関なら、迅速な解決を図ることが出来るだろう、という期待の元に設けられているワケです。

 ヘタレだけど、ちょろちょろと動くヤツですね。


第15話『近代私法の大原則』参照)

「弁護士なんて付けずに自力でやりたい人はやらせればいいんですよ」
(民訴 談)


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 刑訴法は、一定の重大な犯罪について必要的弁護事件として規定しています(289条)。
 この手の事件については、弁護人がいなければ裁判できないです。
 弁護人が付いていない場合には、裁判長が弁護人をつけます。
 こういう親切っぽい規定は民事系にはないです。

 なぜこの手の規定が設けられているかと言えば
 刑訴が実は親切だから・・・

 ではなくて

 刑訴が言うように、死刑等が執行されちゃったら取り返しがつかない上
 刑事手続きにおいては、ド素人の被告人が、プロの検察官相手に対当に渡り合えなくて当然ですから、せめて弁護人くらいつけとかないとヤバいからです。

 ちなみに、必要的弁護事件じゃなくても、刑訴法37条5号で国選弁護人を付けている場合が殆どであるようです。

 とはいえ・・・
 刑訴のやってる必要的弁護事件は、刑訴の言うように
 一応のタテマエとゆーか、アリバイ作りのように見えてなりません。