本日はテスト撮影の続きを行う予定だったのですが天気が曇りだったので中止にしました。
という事で中途半端に時間が余ってしまったので、在庫部屋をゴソゴソと漁ってみたら同じ一眼レフカメラ用のレンズが2本出てきたのでこれらのうちの1本を分解・修理してみることにしました。
アサヒペンタックスのスーパー・マルチコーテッド・タクマー 35mm F2です。
F2と比較的明るいのでそこそこ人気があるのですが、トリウムレンズを使っているため黄変が激しいです。
こうやって見るとすごく程度が良さそうというかレンズの程度はかなり良いのですが
この様にして見るとレンズが黄色くなっています。
右側のもう一本のレンズも黄色いです。
これでもまだ色が薄い方です。
両方の動作確認したところ、今回分解予定の左側の絞り羽根に異常がありました。
マニュアルにして開放からF16まで絞ってみたところ、それ以来絞り羽根が動かなくなってしまいました。
今回は玉(レンズ)の清掃よりも絞り羽根機構の修理がメインとなります。
かなり珍しいケースです。
まずは銘板を外します。
奥にある三本のネジを緩めてフィルター取付リングを外すのですが、
ネジの緩み止めに使われている接着剤の塗り方がメーカとは違う様な気がします。
以前に分解されてるのかな?
矢印のリングを緩めて一番手前のレンズを外そうとゴムオープナーをかけたら
前側のレンズユニットが全部取れてしまいました。
後玉はまず内側のリングをカニ目スパナで緩めて外側のリングの溝と一直線になるようにしてカニ目スパナで日本同時に緩めます。
こうしておくと後玉のユニットを本体から取り外した後で簡単に後玉ユニットを分解できます。
前後玉のユニットがはずれましたので
紫外線で日光浴をしてもらいます。
今迄は72時間ぶっ続けで点灯していたんですが、良く良く考えてみたら客家の危険性がありそうなので、これからは私が部屋に滞在している時間だけにします。
絞り機構にアクセスしたいので矢印の溝にカニ目スパナを掛けて緩めます。
でもこちら側は絞り機構じゃなく『絞り羽根』側のような気がするのですが…。
ネジが緩んだ気がしたのでひっくり返してみたら.....
あちゃ~、ヤッパリ絞り羽根だった!
仕事を増やしちゃった⤵⤵⤵
仕方がないからベンジンに漬けておきます。
画像がコレしかないのですがこのリングを三本のネジを緩めて外したのですが、
その時に「合わせマーク」を付けるのを忘れてしまいました。
それなのに「合わせマーク」らしき傷痕があったので、過去に分解されているようです。
なのである程度は位置が判るのですがそれでも無限遠がズレてしまう可能性があります。
ということで組立時に無限遠の調整をしてみます。
どうやったら絞り機構にアクセスできるんだろう?
色々と調べてみたら50mmの標準レンズと構造が同じみたいなのでそれに倣って分解していきます。
今度は「合わせマーク」を付けております。
このイモネジ三本を緩めてリングを外します。
次にこの三本のネジを緩めます。
その前に念のため「合わせマーク」を付けておきます。
ようやく絞り機構にアクセスできました。
動作不良の原因を調べてみたら赤矢印のピンがレバー黄←のカム部に乗っていません。
別の位置に動かすとピンがレバーの下に入り込んでしまっています。
逆に動かしても同じ状態です。
矢印のレバーをよく見るとプライヤーのようなもので挟まれた跡がありました。
当時にどういった理由や必要性があってこのレバーを曲げたのか判りませんが、
ピンがちゃんとカムに乗るように改めて曲げ直しました。
動画のようにピンがカムに正しく乗るようになりました。
これで絞りリングと絞り羽根が連動します。
ただ...レバーを曲げたことで他の部分に弊害が起きているのかもしれませんが…。
それは組立てていけば判る事だと思います。
今日はここまでとなります。
明日は天気が良さそうなのでテスト撮影の続きを行う予定です。