いやー、いい映画を見ました。
映画館で観たドライブマイカーはまったくわからなかったけど、この映画はその何十倍も面白かった。
まず、舞台が1962年のアメリカ。古き良きアメリカ、憧れのアメリカ。もうその空気感が素晴らしい。
タイトルのグリーンブックとは黒人が泊まれるホテルのガイドブックで、それ以外に黒人は泊まれない。映画の中で農作業をしている黒人たちが出てくる。この当時はこのような仕事についている黒人がほとんどだろう。現代では多くの黒人が社会を動かす部分で働いているが(それこそ大統領にもなっているが)、この当時はそのようなことが起こるなんて想像だにしていなかったろう。この前、NHKの1978年に作成された「天城越え」を見たときにも思ったが、なんだかんだいいながら時の経過は社会をいい方向に導いているのだなあと思う。大正末期が舞台のドラマの中には口減らしのために親から殺されかけた男や娼婦として働く女が出てくるが、今でもいくらかは存在するかもしれないが、確実に減ってはいるだろう。鍬や鋤をもった黒人を見ながら『あなたたちの子孫はアメリカを動かしてますよ』とちょっと感傷的になった。
人種差別が色濃く残るデープサウスでの様々な出来事。話には聞いていたが、なかなかヘビーな現実に、こんなことが・・・、という感じ。
この映画を見ながら、自分はちゃんとできているだろうかと何度も自分に問いかけた。たぶん、見ている人の誰しもがそう思ったのではないだろうか?そして、人はその外見や行動ではわからない深い部分にこそ目を向けなければならないと思った。
終盤、主人公のイタリア系アメリカ人が黒人専用ホテルに一緒に泊まり、そして最後にクリスマスを祝う男のところに黒人がシャンパンを持って遊びに来る。みんな黒人が来たことで一瞬唖然とするが、すぐに席を作って歓待する。最初の場面で主人公が水道工事かなにかに来ていた黒人の作業員が飲んだグラスをゴミ箱に捨てるが、最後は俺の友人として黒人ピアニストの肩に腕を回して紹介する。この辺でうるっと来た。そして、主人公の奥様がまた素敵だった。彼女はその工事人が使ったグラスをゴミ箱から取り出し、遊びに来た黒人ピアニストを抱きしめる。たぶん、こういう白人もたくさんいただろうが、美人ということもあり(笑)とても魅力的だった。
久しぶりに感動した。そして、自分ができているだろうかと改めて自分に問いかけてみた・・・。
