モリコーネと最も多く組んでいる監督は? | リアルパワーストーン by 風水師・西山貴琉

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くクリント・イーストウッド、91歳。

エンニオ・モリコーネの没年齢と同い
年になりましたが、未だ衰え知らず。
コロナ禍中で撮影された彼の最新主演
作『クライ・マッチョ』が2022年1月
14日公開されることに決まりました。

それはイーストウッドにとって監督40
作目、初監督から50周年という節目の
映画になります。

3年近く前にも書きました(下記参照)
が、毎回これが最後の主演作になるの
ではないかと思って見ていました。が、
今回はこれが最後の作品になるという
気がしないところに凄さを感じます。
さて、前回に続き、モリコーネ一周忌
企画。今回は映画音楽の巨匠が、最も
多くコラボしている監督は誰なのか、
についてのお話です。

スピルバーグ監督がジョン・ウィリア
ムズに毎回音楽を依頼するように、古
くはフェリーニ監督とニーノ・ロータ、
ヒッチコック監督とバーナード・ハー
マンといった伝説的コラボが存在し、
巨匠たちの世界をより印象的なものに
しています。

エンニオ・モリコーネの場合、なんと
言ってもセルジオ・レオーネ監督との
コラボが最も有名で、クリント・イー
ストウッドをスターにした『荒野の用
心棒』(1964年)以降、レオーネ監督
が関わった8作の全てをモリコーネが
作曲しています。

下記画像は、その代表作『続・夕陽の
ガンマン』(1966年)のポスターです。
ただ、8作のうち、テレンス・ヒルと
ヘンリー・フォンダ共演の『ミスター
・ノーボディ』(1973年)は、原案と
実質製作のみ(一部レオーネが演出し
ているとの証言もありますが、弟子の
トニーノ・ヴァレリー監督はこの噂を
否定)、同じくテレンス・ヒル主演の
『ミスター・ノーボディ2』(1975年、
日本未公開)は製作のみで、レオーネ
監督作としてのコラボは6作しかあり
ません。

上記画像は『ミスター・ノーボディ』
のテレンス・ヒルとヘンリー・フォン
ダ(右)。下記の音楽は『ミスター・
ノーボディ2』で、前作のメインテーマ
曲と似ていますが、レオーネ監督関連
の作品の中で唯一、ほとんど語られる
ことがないほど無視されています。




動画には共演のクラウス・キンスキー
の顔も見えますね。

かなりコメディ色が強く、後半の音楽
にはベートーヴェンの「エリーゼのた
めに」が混ざり、まるで『復讐のガン
マン』のパロディみたいで、自身の音
楽を茶化しているようにも聴こえます。


実はモリコーネと6作以上コラボして
いる監督は、驚くべきことに17人もい
ました。さすが、500本以上の実績を
もつ多作のモリコーネです。その全貌
を捉えるのは容易ではありません。

ちにみに、これまでモリコーネの代表
作として掲載してきたなかだけでも、
タランティーノ作品によく流用されて
いる『復讐のガンマン』『狼の挽歌』
『非情の標的(revolver)』『血斗の
ジャンゴ』(ジャン・マリア・ボロン
テ、トーマス・ミリアン共演作ですが、
どこにもジャンゴは出てきません…な
んていい加減な!)などの、セルジオ
・ソリーマ監督とのコラボ作品が6作、


同じくタランティーノ作品によく流用
されている『豹/ジャガー』『黄金の
棺』『さすらいのガンマン』『殺しが
静かにやって来る』などのセルジオ・
コルブッチ監督作品は7作もあります
(まだ掲載してない代表作も含まれて
いますので、次回以降にご紹介予定)。

また、ジャン=ポール・ベルモンドの
追悼記事でも紹介した『恐怖に襲われ
た街』『華麗なる大泥棒』そして『サ
ンセバスチャンの攻防』『シシリアン』
『エスピオナージ』の他にもイヴ・モ
ンタン主演の日本未公開作があるアン
リ・ベルヌイユ監督作品も6作。

さらに、前回ご紹介した『ドクター・
コネリー/キッドブラザー作戦』『ア
ルデンヌの戦い』『荒野の10万ドル』
『悪魔が最後にやって来る!』など、
ブルーノ・ニコライ共作も含むアルベ
ルト・デ・マルチーノ監督作品が7作
あります。

マルチーノ監督は、70年代中頃からの
オカルト映画ブームに乗って『レディ
・イポリタの恋人/夢魔』(1974年)
など、ホラー作品も増えます。カーク
・ダグラス主演の『悪魔が最後にやっ
て来る!』よりもずっと怖い音楽なの
で、心臓の弱い方は再生しないほうが
いいと思います。

この音楽もブルーノ・ニコライ共作と
見られていますが、彼の単独担当作も
入れると、マルチーノ監督とのコラボ
は10本以上になります(ニコライとの
共同作業の区分が難しいため)。

それを超えてくるのが、『ニュー・シ
ネマ・パラダイス』(1988年)以降、
全ての作品をモリコーネに作曲依頼し
ているジュゼッペ・トルナトーレ監督
とのコラボで、ドキュメンタリー作品
も含め、『マレーナ』『海の上のピア
ニスト』『みんな元気』など、13作も
あります(次回以降にご紹介予定)。

しかし、彼が最多と思いきや、1967年
のオムニバス映画『華やかな魔女たち』
(クリント・イーストウッドも第五話
で出演)から1991年の『金曜日の別荘
で』まで、15作もコラボしているイタ
リアの映画監督マウロ・ボロニーニが
実は最多です。

あまり作品を見ていない監督さんなの
ですが、いわゆる「芸術エロ映画」路
線の大家というイメージで、カトリー
ヌ・ドヌーブ主演『哀しみの伯爵夫人』
(1974年)や『わが青春のフロレンス』
(1970年)などが代表作になるのでは
ないかと思われます。

今回は最後に、しっとりとしたこの2作
(後者のテーマ曲はブルーノ・ニコライ
指揮「メテロのテーマ」として知られ、
小泉純一郎元総理のお気に入りの一曲に
もなっています)をご堪能ください。





念のため申しておきますと、自ら作曲
するクリント・イーストウッド監督と
モリコーネのコラボは、一度もありま
せんでした。