今週のリアライズ!!フェラーリ 599 GTB 物語 part1 | Real-ize. リアライズのブログ~ 本日のリアライズ~

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静岡県富士市にて欧州スポーツカーをメインに販売、買取、メンテンナンス等を行わせて戴いている中古車屋の日常を綴っています。

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お世話になります。



昨年8月に某師匠様から”とっても良い車”だとお墨付きを受けて弊社にやってきたフェラーリ 599のお話です。





07y ディーラー車 走行19000km ビアンコアブスにロッソレザー仕様

CCMやカーボンステアなどのオプションは無いにしても内外装の配色も良くパッと見た感じは綺麗そうなお車でした。

よく見たらパッと見だけでしたが・・・(泣





下回りの点検を行って目立ったオイル漏れや水漏れ等が無かった事にホッとして保管ガレージへ移動して置いておいたら



あっという間にバッテリーがダメになりましたorz

原因は取り付けられていた得体の知れない粗悪バッテリーでした。

あれ?まともに整備されてない?

嫌な予感程的中する物はありません。

ここから程度の悪い車を買った場合にこうなります!と言った見本のお話が始まりますwww

バッテリーが完全に上がっていたので復帰させてLAUNCHでエラーを消すことに致しました。

そういえばクラッチウェアを調べられたなと怖いもの見たさで診てみると・・・



うん、予感的中wwwww

95%とか一瞬、喜びたくなりますが使った量が表示されますので5%しか残ってません(泣

3秒位、”なんだ交換したばっかりじゃん!”とか喜んだ自分が恥ずかしいwww

クラッチの摩耗限界を迎え、あちこちお金が掛かるため手放しました!

と言う中古スーパーカーの典型的なダメスタイル!!

記録簿はどうなっているんだ?と書類が届いて確認してみると

整備記録簿もまともに残っておらず訳わからない業者で車検を受けたっぽい紙切れが数枚www

付属品もねぇ、スペアキーもねぇ、記録簿なんかロクに残ってねぇ

オラこんなクルマ嫌だ!!!

もう、歌にしてあげますwww

買ってはいけない見本の様な車です!!

オークションへ戻す?と行きたい所ですが、こんなコンディションなのにとっても高く買っていたので返したら数百万単位で損しそうな勢いで返す事も出来ず(泣

最低・・・完全にハメられましたwww

テンションも下がり、現実逃避に走り、なかったことにしよう!と真っ赤なボディカバーを掛けて数ヶ月!

気が付くと11月になりましたw



このまま置いておいてもお金も時間も無駄なので良い加減に結論を出す事に致しました。

前述の通り業者オークションには戻したら大損害!こんなポンコツを店頭で販売するなんて以ての外!

やっぱりオークションへ返して叩き売って大損して終わりにしようかと思いましたが、こんな状態では599が不憫に感じてしまい・・・

整備して所有する事にしました。

この車、前述の通り過去の整備記録簿もまともになくて整備歴が全く分からないのです。

専門工場に出して整備したら良いじゃないの?ともなりますが、一切の整備歴が分からないので予測出来る整備箇所の把握も難しく先行きが不透明でいくら掛かるのか読めません。

弊社の場合、基本的にご納車前には専門工場で点検して必要な整備箇所は手を入れてご納車しております。

今回の場合、いつもと同じ様に全て手を掛けたらいくらで販売するのか・・・w

完全に乗らず放置のクルマでは無いと思うので大丈夫でしょうけど、無駄に距離が若いので下手したら乗り出したらボロボロあれこれ起きるかも知れません。

クルマとしてのコンディションは良くなくても距離が若いだけでムダに高い!

だからこう言った距離だけ若くてまともに整備されてない車はダメなのです。

良いところがない!!w

車なんか、機械なのでどう頑張っても100%修理や整備は必要になります。

しかし、プロとして過去の整備歴がきちんとしている車を見極めてその整備歴を確認して現状で必要な整備、今後予測出来るウィークポイントの整備を実施してお客様へお渡しする事でリスクを抑えて楽しくお乗り戴ける様に努めて参りました。

なので、この車は弊社で販売するに見合わない車なのです。

と言うわけでお仕事にならないので所有して乗ることにします。

乗ることにしたので”きちんと乗れるよう”にしなくてはなりません。

クラッチ残量は5%ですが動く事は動きます。

エンジンは掛かってスロットルを開ければ問題なく吹け上がります。

いつ交換したかも不明な得体の知れないオイルが入っている可能性が高く、エンジンを思い切り回すのは気が引ける・・・

そして残り少ないクラッチの件もあるのでそれを労ってソローッと走らなくてはなりませんwww

599の本来の性能の2%位しか発揮出来ません!

ただ不便で燃費が悪くて遅い車ですw



ただの移動手段ならラテで良いです!

300km/hで走れる車は300km/hまで踏み切れるポテンシャルを発揮出来てこそ、そのクルマを所有し乗って愉しむ意味があると思います。

私にはフェラーリは真っ直ぐ走らないのが幸せとか壊れていて当たり前みたいな意味不明な喜びはないのでw

全部直しました!!

















問題のクラッチは正規ディーラー指定交換に沿ってクラッチディスク、カバー、フライホイール、レリーズ、レリーズシリンダー、F1ポジションセンサー・・・・全て必要箇所をリフレッシュ致しました!



開けたらホントに全部ダメだったそうですwww

LAUNCHの診断バッチリでした!!(泣

油脂類もオイルが入っている箇所は全て純正指定オイルで交換致しました。



エンツォと同じF140Cは "Shell HELIX Ultra Racing" に特殊な添加剤を入れる事が指定です。

6LのV12が8500rpmも回るのですからオイルの品質もとても重要なのでしょう!

エンジンだけでなくトランスミッション、デフ、クラッチ、ブレーキ、F1システムと油という油を全てリフレッシュしてあげました!!

これでOK!!の予定でしたが・・・



車高の高さが気になっていたので、

”ついでに車高をガツンと落として男前なスタイルにして下さい!”

なんてお願いしアルミはどうしようかな~♪と余計なことを考えていたら悲報が続く事になりました(泣

599のサスペンションは磁性流体ダンパーと言ってアウディでいうマグネティックライドと同じ特殊な機構を持ったダンパーが採用されています。

仕組みは書くと長いのでググって下さいw

ポルシェのPASMなんかも997前期辺りの年式ですとオイル漏れを起こしている個体を最近よく見かけておりましたが、当599も立派な14年経過の古いクルマです!





車高調整のためにダンパーを外したらしっかりダンパーからオイル漏れが起きていたそうです(泣









あ~・・・オイルでベタベタになっていますね(汗

磁性流体ダンパーなんて特殊な機構を持っているのでOH出来ないそうで漏れたらもれなくAssy交換です!!

とっても高価なサスペンションが使い捨て!?www

新車時3000万円オーバーの高級車の洗礼です(泣

599のサスのオイル漏れについてはお約束だと知っていたので漏れたらKw Ver.3に交換するかワンオフでサスを造ろう!なんて思っていたのですが・・・

急すぎてKwを付けられた方の情報もなく、良いのか悪いのか調べる時間もないorz

140万円とかするので人柱になる勇気は出ませんでしたw

オリジナルでサスペンションを造れることは造れますが599のデータが無いので一発で最高の足が出来ました!とならず足のセットアップに果てしない時間を費やすことになりそうです(汗

なので今回は素直にフェラーリ純正のダンパーでリフレッシュして戴くことに致しましたm(_ _)m





純正と言ってもHGTE PKGのダンパーになって少しレベルアップしました♪

ちなみにノーマルダンパーは漏れまくって廃盤になったそうです(汗

HGTE仕様もどれだけ保つのか知りませんがwww

必要な箇所は全てきちんと手を入れることが基本なので4本とも全て新品にして付属するブッシュ類も交換しアライメントも取り直して戴いてきちんと仕上げました!

車高を結構落としたのはご愛嬌でw

そして、バッテリーも得体のしれない粗悪品から規格に合ったAGMへ交換して戴きました(・∀・)

きちんとした整備を実施して599としてのコンディションを整えただけでは面白くないので・・・カスタムもしていましたw



整備の前に板金工場へ入庫致しましてフロントバンパーに有った変なタッチアップ跡の補修を致しまして



ついでにフロントナンバーをステーごとスッキリ外せるようにワンオフで加工して戴きましたw

さすがに30歳超えてこんな状態で走って捕まったら恥ずかしいので観賞用目的ですm(_ _)m

眺めているだけならフロントナンバーが無いほうが絶対に格好良いと思うので観賞用カスタムです!!

私、中途半端な事は大嫌いなの事とクルマはきちんとしたコンディションでこそというのが基本の考えです。

しっかり手を入れてしまいオークションへ返して損するよりどう考えてもお金が掛かりました(汗

クルマ屋なのでこんな事してないでオークションへしれっと返してしまえば良かったのですが、このままクルマが朽ち果ててしまっては可哀想だと思ってしまった事が仕上げて乗ろうと思った一番の理由です。

ほぼ現状で売られて買った方が痛い目を見てまたオークションに出品されてって繰り返して朽ち果てていくのがこの手の車の行く末です。

そんな状態で販売されたユーザーさんも可哀想ですが、クルマも可哀想です。

高騰を続けるV8 ミッド MTは解体一歩手前レベルでも希少車だと喜ばれてますが、比較してV12 フロントエンジン ATの599は市場人気と市場価格に比例して扱いもお粗末になって行き、コンディションの良好な車がとても少なくなっていくと言うお約束の状況下になっています。

ウチに来たこの車もその中の1台でしょう。



F140Cの620馬力をフルに発揮してアクセルを床まで踏めるフェラーリ 599になりました。

アクセルを床まで踏んでみたら景色が違いました(・∀・)

599に限らず、ヘタな車に手を出すと本当に大変です。

皆様、絶対に手を出さないように気をつけましょう!!w

こんな事したおかげで本来の目的であるムルシエラゴ購入という目標が本気で遠のきました・・・(泣



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